投資を生き抜く心理学③ -東京総合研究所-
みなさん、こんにちは!
東京総合研究所スタッフチームです!
投資の行動心理学第2弾の後編!
前編では、投資判断で失敗してしまう事例を紹介しました。
後編では、損と得に関する人間の心理に関するプロスペクト理論を解説します!
「プロスペクト理論」とは?
プロスペクト理論は、「リスクがある状況で、行動の選択とその結果としての効用が既知のとき、人がどのように行動するか」をモデル化したものです。
少し難しく聞こえるかもしれませんね(実際、しっかりと説明しようとすると数学がでてきたりとかなり複雑です)。
例を考えてみましょう。
次のようなゲームがあったとします
コインを一回投げます。
表だったら100万円もらえる
裏だったら50万円支払う
(コインの表・裏が出る確率は1:1であるとします)
あなたは、このゲームに挑戦しますか?
平均的に期待できる利益(期待値)は25万円なので、合理的に考えると挑戦するほうが良いはずです。
心理学の立場からは、ほとんどの人はこれに挑戦しないと考えられています。
しかしそのエッセンスは、「人は損をするのが大嫌い」ということです。
そんな当たり前のことかと思うかもしれませんが、この事実が投資における失敗のほとんどを説明します。
前編で出した例に戻って考えてみましょう。
Aさんの事例の場合。
利益確定を決意した時点で、まだ株価が上がる可能性が高いことはAさん自身もわかっていたはずです。
それでもAさんが株を売却したのは、いったん得た利益を失うのが怖かったからにほかなりません。
ポイントは、損失に対する恐怖は利益への期待を上回るということです。
そのため、損失を被る可能性を過大評価してしまい誤った判断につながってしまいました。
この「利益は確実に獲得し、損失は回避する」ことを好む傾向は、「損をするのが大嫌い」という人間の心理特性に由来するものと言えますね。
2つ目のBさんの事例についてはどうでしょうか?
この場合、1つ目の事例とは逆に損失が拡大する可能性が高く、一刻も早い損切りの判断が合理的であるといえます。
しかしBさんにとっては、一旦は50万円近くの利益を得られる状態にあったのに比べると、株価が下落している今の状態で売却することは損である、という思考になります。
「損をするのが大嫌い」なので認めたくない、ということですね。
その結果、無理にでもきっとまた上がるはずだと自分に言い聞かせてしまいます。
この「損失は取り戻そうと躍起になる」という心理が、皮肉にも損失を拡大させてしまうわけですね。
最後にプロスペクト理論についてまとめると
・人は損をするのが大嫌い
・利益は確実に獲り、損失は回避したい
・損失は取り戻そうと躍起になる
ということです。
おわりに
プロスペクト理論、いかがでしたでしょうか?
資産の売却タイミングにかかわる重要な考え方ですね。
この罠にかからないためには、単純な損得(儲け)ではなく、資産の絶対量ベースで考えることが有効です。
このタイミングで売却したらいくら利益(or損失)が出るのかではなく、いくらの資産が残るのかを計算するというわけです。
いずれにせよ、こういう心理傾向があるんだということを頭に入れておくことは投資判断において大いに助けになるでしょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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