仮想通貨の始め方|第12回 キャッシュレス化の流れと仮想通貨[不動修太郎]
米フェイスブックがリブラという独自の仮想通貨(暗号資産)を導入しようとしていますが、その動きに対して主要各国の行政、金融のトップが慎重な発言をしています。この報道により、ビットコインなどの仮想通貨の価格が動きました。また日本では、キャッシュレス化の報道を目にする機会が多くなりました。今回は不動修太郎さんに、それらの動きの背景を教えてもらいましょう。
※この記事は、FX攻略.com2019年10月号の記事を再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
不動修太郎(ふどうしゅうたろう)プロフィール
為替の講師、執筆者。出版社からセミナーDVD、対談CDを発売。金融取引所、証券取引所、FX業者、投資信託業者などでの講演の他、雑誌への執筆、FX・株式のスクール講師を務めている。
公式サイト:不動修太郎の「ニュース報道の裏側」
twitter:https://twitter.com/syutaro_fudo
キャッシュレス化のメリットとデメリット
日本では現金の取引を減らして、クレジットカード、電子マネー、電子決済システムなどキャッシュレス取引を進める動きが活発化しています。現在は防護服に身を固めた警備員が現金の入った箱をATMに運んでいるのをよく見かけます。キャッシュレス化の利点の一つは、大量の現金を運ぶ回数が減り、現金の輸送中に強盗に襲われるなど犯罪の被害に遭う心配が少なくなることです。また、キャッシュレス化により消費者は所持金を気にせずに買い物、飲食をするようになるので、飲食店、販売店は売上げの増加が期待できます。
一方でキャッシュレス化のデメリットはいくつかあります。キャッシュレス化の手段はクレジットカード、電子マネー、電子決済アプリなどたくさんあり、支払先に応じての使い分けが面倒です。最近では日本の流通大手の電子決済システムが不正利用されるという事件が大きく報道されましたが、今後もキャッシュレス・システムが不正利用や詐欺に遭う懸念があります。また、キャッシュレス化のメリットの裏返しとして、消費者がお金を使い過ぎてしまうのではないかと心配されています。
さらに、電子決済に必要なスマホなどのモバイル機器はバッテリー切れにより支払いができなくなります。日本は地震、台風など天災が多く、場合によっては大規模停電になることもあり得ます。キャッシュレス・システムは電気が必要なので、停電になるとキャッシュレス取引が難しくなります。
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