『EAの寿命』についての考え方 ~EAの利用者数と、EAの寿命との関係性~
お世話になっております、ねこ博士です。
さて、本日は、
【EAの寿命】というものについて、
当方の考えを、少し記載してみたいと思います。
EAについては、
『寿命の長いもの』、『寿命の短いもの』と、
様々なパターンのEAがあるものと思います。
そして、
「EAがあまりにも売れすぎると、
そのEAの優位性が失われて、寿命になってしまうのではないでしょうか?」
といったご意見も、たまに見かけることがあるかな、と思います。
この【EAの寿命】については、
ひとそれぞれ、考え方があるかと思うのですが、
私自身が、これまで、多数のEAを制作・販売してきており、
また、他の作者様の数多くのEAの成績なども、
10年近く、チェックしてきた私自身の感想としては、
「EAが売れた本数」については、
実際のところ、EAの寿命には、ほとんど影響がないのではないか、
と感じています。
なぜ、EAの売れた本数が、
EAの寿命に影響しないのか、についてですが、
これは、「FX」というものの市場原理を考えてみると、
とてもわかりやすいと思います。
どういうことかというと、
・【為替相場(FX)の価格レートは、
売り・買いの注文の多い方に、動いていく】
という、市場原理となります。
つまり、
「EAの利用者が増える」
→「近いポイントでの、一方向への注文の数量が増える」
→「市場原理により、その方向へ、より動きやすくなっていく」
というのが、この理由です。
つまり、
『EAの利用者の数が増えれば増えるほど、
より勝ちやすくなっていく』
というのが、市場原理を踏まえた、実際の現象になるのではないか、
と思います。
つまり、
「利用者が増えたことで、そのEAが機能しなくなる」のではなく、
【そのEAのロジック(エントリー条件)とは異なる相場状態に偏移してしまったこと】によって、
そのEAのロジックが機能しなくなる、というのが、
正しい考え方ではないか、と感じています。
そして、現実的には、
その「EAの利用者だけの注文」であれば、
為替市場(=価格の方向性)に与えるインパクトは、
それほど大きくはないと思います。
(為替相場の大きさを考えると、
日本の1つのEAの発注数量などは、無視しても良いレベルの数量であるためです)
ただ、そのEAのロジックが、
【相場の値動きの根本的なパターン】を捉えたロジックである場合には、
大きく、話が変わってきます。
そのEAだけではなく、
『それ以外のEAや、裁量の大口トレーダー、大手の投資機関、AIを採用した自動売買、株式市場の開閉に伴う影響』
といった形で、数多くの発注が、そのEAと同じ方向に集まってくる、
という形になりますので、
・そのEAが【相場の値動きの根本的なパターン】を捉えたロジックである
という場合、そのEAの寿命は、
飛躍的に長くなる可能性がある、という見方が、できるのではないか、
と考えています。
そして、そのEAのロジックが機能しなくなるとき、は、
上記の、『大口投資家など』を含めた、多くのエントリーが、なくなってきたとき。
となるのではないか、と思います。
これは、実際のところ、
「勝てるタイミング」であれば、『大口投資家など』も、
引き続き、そのタイミングでのエントリーをし続けるはずですので、
あえて、それをしなくなる、というのは、
そのタイミングで『勝てなくなってきた時』に、限られると思います。
これは、つまり、
【そのロジックでのエントリーで勝てなくなるほどの、
大きな市場の変化(=相場状態の大きな偏移)】
が起きた場合にのみ、そのロジックが、勝てなくなる。
ということなのではないか、と感じています。
つまり、最終的には、
・そのEAのロジックの背景にある、
【相場の値動きのパターン】が、偏移するかどうか。
これが、「長く勝ち続けていたEAが、勝てなくなるパターン」なのではないか、
と思います。
(逆を返せば、【相場の値動きのパターン】が、
変化しない限りは、そのロジックは、機能し続けるはず。
という形となります)
なお、最後に、参考までになのですが、
「短期間で、勝てなくなってしまうEA」については、
どう考えるべきか、を記載しておきたいと思います。
これは、単純に、【相場の値動きのパターン】を捉えたようなロジックではなく、
単に、過去の相場に、エントリーの条件式をあてはめてしまったパターン、
といえるのではないか、と思います。
本来、【相場の値動きのパターン】をきちんと捉えたロジックにできていれば、
そんなに早く右肩下がりになるはずはありませんので、
「すぐに勝てなくなる」=「単なる、カーブフィットEAであった」
というのが、現実的な判断になるのではないか、というのが、
現状での、当方での感覚となります。
<まとめ>
(1)『EAの寿命』は、利用者の数ではなく、
【相場の値動きの根本的なパターン】が偏移した場合に、寿命となる
(2)「EAの利用者の数が増えること」は、
市場原理を考慮すれば、むしろ、より勝ちやすくなっていくはず
(3)【相場の値動きの根本的なパターン】を捉えたEAは、
より長く、機能し続ける可能性が高い(寿命が長くなる傾向にある)
以上、あくまで、当方の考え方に過ぎませんが、
『EAの寿命』に対する、1つの考え方として、
ご参考としてみていただければと思います。
ねこ博士
よろしいですか?