EAのフォワード成績と、偶然性・統計性の関係について
最近、フォワードテストで、
・短期的に、調子の良いEA
・短期的に、調子の悪いEA
が、いくつか、出てきているため、
本日は、このあたりのこと(偶然性と統計性の関係)について、
記載してみたいと思います。
EAのフォワードテストでは、
短期間であれ、長期間であれ、
成績が良いほうが良いのは、当然のことと思います。
ですが、
「短期的なフォワードテストの結果」を見る場合には、少し、注意が必要となります。
どういうことかというと、
EAのフォワード期間が短い場合には、
「偶然性」の影響が強く出てきます。
そして、
EAのフォワード期間が長くなっていくほど、
「偶然性」の影響がどんどん小さくなっていき、
「統計性」の影響が強くなります。
「統計性」という、少しわかりずらい言葉を使っていますが、
この「統計性」といいますのは、
「偶然性」の反対の意味で、「統計的にそうなる可能性が高い」
といった意味合いとなります。(→「統計的な優位性」、と読み替えていただいても結構です)
より、わかりやすく言いいますと、
「フォワード期間が短い場合」というのは、
サイコロを振って、連続で「6」が2回出る、というイメージです。
→偶然で、十分ありえる。
そして、
「フォワード期間が長い場合」は、
サイコロを振って、連続で「6」が10回出る、というイメージです。
→偶然では、まずありえず、「統計的な優位性(統計性)」がある場合にのみ、
そういった結果になりうる。
という形です。
以上のように、
私達の使うEAに求められるのは、
「偶然性」ではなく「統計性」(統計的に、勝ちやすいこと)となりますので、
短期的なフォワードをみるときには、
それが
・勝っている場合
・負けている場合
の、どちらの場合であっても、
「偶然性の影響」が強く出ている結果に過ぎない、
という点に、十分、ご留意いただければと思います。
そして、フォワード期間が長くなればなるほど、
「偶然性」の影響が小さくなっていき、
EAの持つ【優位性】に基づく、
「統計的な優位性の強さ(=統計性)」が、
明確になっていきます。
そのため、
EAのフォワード成績を見る際には、
「短期的にも成績が良くなってほしい」
ということは、もちろんあるかと思うのですが、
短期間の成績というのは、どうしても、
【偶然性の影響が、強く出てしまう】という点に、
十分、ご留意いただきたいと思います。
このため、
例えば、不調なEAのロジックを再調整する、
といった場合でも、
「短期的な成績」が良くないので、
どんどんロジックを変えてみる。
というのは、あまり良いことではなくて、
ある程度の期間、稼働させて、
「統計的な優位性があるのか、ないのか」を、
きちんと見極めた上で、
それがない場合に限って、ロジックの見直し等をする、
というのが、正しい対応になるのではないか、
と、当方では考えております。
以上、
EAのご購入者様としては、
「まずは、とにかく短期的な成績が良くなってほしい」(その上で、長期的にも勝って欲しい)
というご希望があるのは、とても良くわかるのですが、
短期的な成績だけをみて、そのEAの良し悪しを即断してしまうと、
長期的にみて、マイナスになってしまう、ということにもなりかねないため、
上記のような考え方がある、ということを、頭の片隅に、とどめておいていただければ、と思います。
ねこ博士
よろしいですか?