年末年始を控えた薄商いの中、米中貿易摩擦の緩和期待からダウ平均も日経平均もドル円も上昇!
投資サロン「江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー」で配信されるメルマガでは、トレードに役立つこと間違いなしの鮮度の高い情報がこれでもかと盛り込まれています。株式・債券・為替をはじめとした多くのマーケットを分析した情報を一度に確認できるのが大きなメリットです。
これにより江守哲氏の推奨するグローバルマクロ戦略を有効に活用することができるのです。
◇グローバルマクロ戦略につい
本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
(江守哲のリアルトレーディング・ストラテジーより引用)
ここでは2019年12月27日に配信されたメルマガから一部をご紹介します。
〔EQUITY & BOND MARKET〕
【米欧株式・債券市場の市況解説・分析】
米国株は米中貿易摩擦の緩和期待から反発。ダウ平均は前日比105.94ドル高の28621.39ドルと2日ぶりに過去最高値を更新。S&P500は16.53ポイント高の3239.91、ナスダック総合指数も69.51ポイント高の9022.39と初めて9000台を突破し、10日連続で高値を更新した。ラッセル2000は0.3406ポイント安の1677.66だった。VIXは0.02ポイント低下の12.65、SOXは2.29ポイント高の1864.49だった。中国商務省の高峰報道官は26日の会見で、米中貿易協議の第1段階の合意に向けて米国側と引き続き密接に連携しており、署名前に必要な手続きを進めていると説明。また、24日にはトランプ米大統領も第1段階合意について「取引は成立した。現在、文書を翻訳中だ」とした上で「速やかに署名するつもりだ」と表明していた。クリスマスの休暇シーズンで薄商いの中、来年1月上旬の早期の署名への期待感から買いが優勢となった。26日の上昇をけん引したのはアマゾンだった。今年の年末商戦は過去最高を記録したとし、世界で数十億個の商品が注文されたほか、アマゾンブランドの電子機器が数千万台購入されたとした。また、マスターカードは26日、今年11月1日からクリスマスイブまでの米ネット通販売上高が前年同期比18.8%増となったと発表。米景気のけん引役である個人消費の底堅さが改めて確認されたことが安心材料となった。アマゾンが4.5%高、アップルが2.0%高、フェイスブックが1.3%高と堅調。S&P500は年初来29%上昇し、このまま年を終えれば年間の上昇率としては13年以来の大きさとなる。S&P500のセクター別では一般消費財の上げが目立った。一方、ヘルスケアは唯一マイナス圏で引けた。
ダウ平均 日足
作成ツール:Tradingview
【日本株式・債券市場の市況解説・分析】
日経平均株価は前日比142円05銭高の23924円92銭と反発し、TOPIXも9.78ポイント高の1731.20と7日ぶりに反発した。出来高は8億2186万株だった。前日の米国市場がクリスマスで休場となり、手掛かり材料が薄い中、日経平均は前日終値付近で寄り付いた。その後、先週からのじり安基調で日本株に割安感が出ていたことで、先物主導で買いが入り上昇した。また、この日は12月の権利取り最終売買日だったことも買いを誘った可能性がある。後場に入ると値動きが弱まり、23900円前後の高値圏で推移した。材料難の中で上海株が底堅かったことは、数少ない日本株の支援材料となった。為替相場が一日を通してやや円安に振れたことも半導体関連など景気敏感株の買いを強めた。海外投資家が少なく、売買代金は1兆円台前半と低調だった。個人投資家はこれまで売却を進めており、投資余力があることから、好業績など個別材料のある銘柄が買われる動きが目立っている。
11月の新設住宅着工戸数は前年同月比12.7%減の7万3523戸となり、5カ月連続で減少。金融機関がアパートローン審査を厳しくしている影響を受けて、「貸家」が15カ月連続で前年を下回った。貸家は17.5%減の2万8779戸。注文住宅などの「持ち家」は、7.3%減の2万3655戸で、4カ月連続で減少した。前回の消費増税後の14年5月と比べると減少幅は小さく、増税後の反動減は起きていないもよう。マンションなどの「分譲住宅」は10.3%減の2万0819戸。前年同月にマンションの着工戸数が大きく増加した
日経平均 日足
作成ツール:Tradingview
〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は上昇。米中通商摩擦の緩和期待などを背景としたリスク選好の流れが継続し、109円台後半に上昇した。中国商務省の高峰報道官は26日の定例会見で、米中貿易協議「第1段階」合意の署名に向けて、米国側と引き続き密接に連携していると発言。トランプ米大統領も24日に「速やかに署名する」意向を示しており、双方の足並みがそろっているとの安心感が広がり、安全資産とされる円を売ってドルを買う動きが進行した。ただし、年末に向けて市場参加者が一段と減少する中、米週間新規失業保険申請などの統計にもほとんど反応しなかった。人民元は1ドル=6.9911元と、ほぼ横ばい。通商問題に敏感に反応する通貨は上昇し、豪ドルとNZドルは対米ドルで上昇した。カナダドルも対米ドルで上昇。一方、ユーロドルも小幅に上昇し、ポンドドルも安値から反発している。
ドル円 日足
作成ツール:Tradingview
【通貨トレード戦略】
ドル円はロングを維持します。あと少しで高値更新となり、大きく上向く可能性がありそうです。5日移動平均線と288日線が絡み合ううごきから上放れしてきました。年末年始に急変する可能性がありますが、注意は必要ですが、その動きを先読みすることはできません。粛々とトレンドを追いかけるのが賢明な対処でしょう。109.70円を明確に超えてくると、ドル円は全く違う動きになりそうです。つまり、大幅な円安です。いまは市場でもそのような見方は全く聞かれません。依然として円高リスクを取り上げる市場関係者が大半です。しかし、日本の機関投資家の投資フローなどを考慮すれば、意外感のある円安となる可能性もありそうです。このように、来年は大幅な円安になる可能性も視野に入れておきたいと考えています。120円を目指す動きになる可能性もありそうです。
また、長期的なトレンドもまだまだ上向きです。長期トレンドの転換ポイントは107.35円です。かなり下の水準ですので、現段階で下落を想定しても仕方がないでしょう。むしろ、107.50円までの下げでは押し目買いを行いたいと考えます。109.15円、108.90円、さらに108.25円、108円などで順次押し目買いを行いたいところです。
投資対象はドル、円、ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドルとします。対ドル対円のトレードに集約します。
ドル円:ロング
ユーロドル:ロング
ポンドドル:ロング
豪ドル/米ドル:ロング
NZドル/米ドル:ロング
米ドル/カナダドル:ショート
ユーロ円:ロング
ポンド円:ロング
豪ドル円:ロング
NZドル円:ロング
カナダドル円:ロング
〔COMMODITY MARKET〕
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は2カ月ぶりの高値付近まで上昇し、節目となる1500ドルを上回る水準を維持した。クリスマス休暇シーズンで出来高が少ない中、投資家は好調な株式相場が失速する可能性に備えている。一時は11月4日以来の高値となる1512.30ドルを付けた。この数週間、米中貿易協議の先行きへの期待感などが米国株を歴史的な高値へと押し上げる中、金相場も高値を更新する動きを続けている。また、プラチナが1.5%高の952.70ドルと、9月24日以来の高値をつけている。銀、プラチナ、パラジウムは続伸した。
金/米ドル 日足
『江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー』(江守哲)より引用。
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