阪谷直人氏「ドル円:4月10日からの週はどうなる?」
配信日:2017/04/09 09:00
「ドル円:4月10日からの週はどうなる?」
ポイント:先週末のダドリー総裁発言をどう見るか。
米利上げとFRBのバランスシートの縮小が
同時に可能なら、
間違いなく米国金利は上昇のはずです。
注意:14日は世界各国がイースターで休場となり
流動性が低下します。
聖金曜日の祝日(グッドフライデー)となり
オーストラリア、NZ、香港、シンガポール、
ドイツ、スイス、南アフリカ、英国、
米国(外為市場のみ通常取引)、カナダ等が休場です。
CME通貨先物ポジション状況:4月4日時点
(4月4日)(3月28日)(3月21日)
円 ▲45800 ▲53181▲66987
ユーロ ▲11405▲7923 ▲19662
ポンド ▲99673 ▲10407 ▲107844
シカゴIMM:短期投機・投資家による
円のネットポジション売持高は更に減少、
ピーク時の87000枚から約47%弱の減の水準です。
シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
12.83(+0.44)VIX指数は上昇しての引け。
先週末のダドリーNY連銀総裁発言に注目すべきで、
何故ならば、米利上げとFRBのバランスシート
の縮小が同時に可能でそう行われるならば、
間違いなく米国金利は上昇するであろうからです。
ですので7日、米10年債利回りは
先ず東京時間の米によるシリア攻撃で
2.30%を割り込み、NY時間に入り、
予想比で弱い3月米雇用統計を受け
2.27%まで低下したのですが、
ダドリー発言を受け米利上げペース鈍化
への懸念が後退、そしてFRBが
バランスシートの縮小を開始した場合、
その間米利上げは出来ず休止期間が長引くのでは
との懸念も後退し、
2.38%まで上昇して利回りを回復しました。
このまま順当に米10年債利回りが上昇すれば
ドル円も上値を戻してゆくと想定します。
一方で
1.北朝鮮・シリアと地政学的リスクが高まり、
リスク・オフの円買い
2.18日の日米経済対話では
日本へ日米貿易不均衡是正を求めて円高懸念
3.トランプ大統領に対する政策実現能力への懸念
等のドル売り材料も併存しているので
市場がどちらを取って動いてゆくのかは、
今後の動きを待つしかありません、
今の段階では双方断言できる判断材料はありません。
先週のレンジから見ると、
下値を何度となく攻めているのが分かります。
4月3日の 110.85 ~ 111.58
4月4日の 110.26 ~ 110.93
4月5日の 110.53 ~ 111.45
4月6日の 110.28 ~ 111.14
4月7日の 110.12 ~ 111.36
テクニカルにみると、日足の一目均衡表で
先行スパン2が 115.10で 横ばい推移
先行スパン1が 113.31で 基本横ばい
基準線が 112.81で 横ばい
転換線が 111.16まで 下降
相場実線 111.12で 7日の引け
となっています。
テクニカルは、3月22日以降の横ばい推移の時間が
12日経過と長引いて来ています。
想定していた上値を回復できていないので、
一旦の下値模索と想定され、
もし仮に105~110の価格帯まで下抜ける場合には、
昨年11月安値の101.18を意識する展開となるでしょう。
当初は、昨年6月24日安値の98.90から
昨年12月15日高値の118.66までの上げを第1波動
そこから今年2月7日安値の111.59への下げを第2波動
としての調整の下げ、
今年2月7日安値の111.59から
3月10日高値115.50への流れを、
それ以上に高値更新してゆく流れと想定して、
上げの第3波動を想定していました。
ところが、3月23日に安値110.62と、
2月7日安値の111.59を下抜いてしまい、
ここで想定できるのは以下の2通りの動きです。
まず1つ目の見方、
これが今のところ可能性が高そうなのですが、
上記の様に当初想定していた、
昨年12月15日高値の118.66から
今年2月7日安値の111.59への第2波動
としての調整の下げが、
まだ延長しているとの見方です。
その昨年12月15日高値の118.66から下げの波動は、
そこに1つの小さい基本波動を見ます
昨年12月15日高値118.66から
今年2月7日安値111.59への下げの第1波動
そこから3月10日高値115.50への上げの第2波動
そこからの下げ第3波動が継続中と見ます
この場合の下値目標は、
N値=115.50-(118.66-111.59)=108.43
V値=111.59-(115.50-111.59)=107.68
E値=111.59-(118.66-111.59)=104.53
です。
もう1つの見方は、
上記の昨年12月15日高値118.66からの
下げの中に見た小さい基本波動が、
つまり3月10日高値115.50からの下げの第3波動が
3月27日安値の110.10でこの小さな3波動は終了し、
つまり、上記「まず1つ目の見方」の
「第3波動」が終わっていて
3月27日安値110.10からは上昇して
新しい波動を試してゆくという見方です。
この場合の上値目標は、
E値=118.66+(118.66-98.90)=138.42
V値=118.66+(118.66-110.10)=127.22
N値=110.10+(118.66-98.90)=129.86
NT値=110.10+(110.10-98.90)=121.30
です。
この2つのシナリオのどちらかなのかは、
今の段階では依然はっきりしていません。
ポイントは、
今後の相場実線がどう動くかによります。
上値にある転換線と基準線がどう動いてゆくか、
それとともにどう時間が経過してゆくのか
によって、見えてきます。
上値目途は、
日足の一目均衡表の転換線、基準線の回復。
その上の115.00~115.50の価格帯の上抜け。
その上は1月19日高値の115.60や、
1月11日高値の116.87です。
下値目途は、
日足の一目均衡表の転換線をしっかり再度割って行くか、
底割れがある場合には、一段の下押しがあると見ます。
4月7日安値の110.12、
3月27日安値の110.10
昨年11月9日の101.18
昨年8月26日の100.05です。
あくまで110割れは回避するのではとの予測から
予想レンジは、110.00~113.00 と見ます。
よろしいですか?