信用取引の評価損益率に見る相場の転換点
「買い方」と「売り方」の評価損益率のクロス
信用取り引きの「買い方」・「売り方」の評
価損益率がクロスしたのは過去1年10か月で
15年7/03、16年11/18、17年3/24とわずかに
3回のみです。しかもこの3回は株価の天・底
で起こっており、相場の転換を示していました。
(15年6~7月のケース)
売り方 買い方 株価
6/26 ▲7.35% < ▲6.09% 20,706円
7/03 ▲4.64% > ▲6.31% 20,539円
信用取引の評価損益率は毎週金曜日時点で計算
されます。日経平均株価は6/24に20,868円で高
値を記録していました。高値を記録した週までは
買い方優位で、翌週には売り方優位に転換してい
ます。評価損益率で買い方優位から売り方優位に
クロスしたのは株価水準では20,706円と20,539
円の間であったことになります。
この売り方優位は昨年11月の大統領選の週まで
71週連続で続きました。大転換であったことが分
かります。
(2016年11月のケース)
15年7/03に売り方優位に転換した信用取引の
評価損益率の優劣が次に逆転したのは昨年11月
のことでした。トランプ相場のスタート時期と
重なります。
(16年11月)
売り方 買い方 株価
11/11 ▲5.20% > ▲11.31% 17,374円
11/18 ▲9.77% < ▲ 8.21% 17,967円
トランプショックで安値(11/09、16,251円)
を記録した週までは売り方優位でしたが、その
翌週には買い方優位に転換しました。株価水準
では17,374円と17,967縁の間でした。ほぼ1
年4か月ぶりの転換でした。その後、この買い
方優位の展開は今年3月まで続きました。
売り方の評価損率が二ケタの期間が11/18か
ら2/24まで14週連続で続くほどの売り方が苦
境に追い込まれた時間帯でした。
(17年3月のケース)
今年に入ってから高値圏での保ち合い相場が
続きましたが、3か月ほど続いた今年3月下旬、
再び買い方優位から売り方優位へと転換しまし
た。
売り方 買い方 株価
3/17 ▲9.77% < ▲6.40% 19,521縁
3/24 ▲5.02% > ▲6.82% 19,262縁
19,521円と19,262円の間で弱気市場入りし
たことになります。戻りを試す時に壁の一つと
して意識されることになります。
直近(4/14)の売り方の評価損益率は▲2.12%
は昨年10/7(▲1.81%)以来の水準であり、買
い方の▲11.69%は昨年11/11以来の二ケタの
評価損率になります。
上記でみてきたように信用取引の評価損益率の
買い方・売り方の優劣の逆転は相場の転換点とな
ってきました。3/24の売り方優位への転換は弱気
市場入りの追認を示し、弱気相場あるいは膠着相
場が持続する懸念が出てきたことを示していると
も取れます。
よろしいですか?