FOMCは想定通りの内容 江守哲氏
日経225
【2020年9月17日】FOMCは想定通りの内容
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。
新刊「金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり」(プレジデント社)を出版しました。
金投資の重要性、ドルの行方、米中新冷戦の結末や覇権国家の移行、などについて解説しています。
ぜひご購読いただければと思います。
〔GLOBAL EQUITY & BOND MARKET〕
【米国株式・債券市場の市況解説・分析】
ダウ平均:28032.38(+36.78)<+0.13%>
S&P500:3385.49(-15.71)<-0.46%>
ナスダック総合指数:11050.469(-139.86)<-1.25%>
ナスダック100:11247.599(-191.28)<-1.67%>
FANG指数:5237.46(-87.14)<-1.64%>
ラッセル2000:1552.329(+14.17)<+0.92%>
VIX:26.04(+0.45)<+1.76%>
VXN:35.48(+1.69)<+5%>
SOX:2195.54(-23.65)<-1.07%>
米国株は金融緩和の長期化期待からダウ平均が小幅続伸。FRBはこの日が最終日となる2日間のFOMCで、市場予想通り、事実上のゼロ金利と量的緩和の維持を決定。併せて公表した会合参加者の経済・金利見通しで、ゼロ金利を少なくとも23年末まで続けるとの想定が示された。金融緩和長期化への期待から、ダウ平均は一時約370ドル高となった。その後のパウエルFRB議長の記者会見を経て、ダウ平均は上げ幅を削った。23年までのゼロ金利継続は織り込み済みで、議長会見も想定通りの内容だったことから、材料の出尽くし感からいったん手仕舞う動きが出た。
原油高を好感し、エネルギー株が全体をけん引。ハリケーンの到来で供給網が混乱するとの見方などから、原油相場が大幅高となった。エクソンモービルが4.3%高、シェブロンが2.9%高と堅調だった。一方、ハイテク大手は売られた。米当局がフェイスブックやグーグル親会社アルファベットを独占禁止法絡みで提訴する可能性が報じられたことが売りを誘った。フェイスブックが3.3%安、アップルが3.0%安、マイクロソフトが1.8%安、アルファベット(A株)が1.5%安と軟調だった。
フェデックスは5.8%高。四半期決算で利益が予想を上回ったことを好感した。スポティファイ・テクノロジーは1.3%安。アップルが前日、動画・音楽配信などのサブスクリプションサービスを合わせた「APPLE ONE(アップルワン)」を発表したことが重石となった。また、バンク・オブ・アメリカが1.3%高、ウォルト・ディズニーが0.7%高。
米商務省が16日発表した8月の小売売上高は5375億2600万ドルと、前月比0.6%増加した。4カ月連続のプラスとなった。変動の激しい自動車・同部品ディーラーを除くと0.7%増、ガソリンを除くと0.6%増、自動車・同部品とガソリンを除くと0.7%増だった。7月のコア小売売上高は当初発表の1.4%増から0.9%増へ下方改定された。全体の小売売上高も当初発表の1.2%増から0.9%増へ下方改定された。8月の小売売上高は、ガソリンの値上がりを受けガソリンスタンドの売上高が増えたことが一因でコア指数を上回った。
米抵当銀行協会(MBA)が16日発表した週間の住宅ローン申請は、前週比2.5%減となった。
全米住宅建設業者協会(NAHB)が16日に発表した9月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は83と、前月から5ポイント上昇し、過去最高を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリセッション下でも、過去最低水準の住宅ローン金利が引き続き住宅市場の追い風となっている。ただし、建設業者は木材など建材の価格上昇や配送遅延などを依然として懸念している。木材価格は4月中旬以降で170%を超える上昇となっており、代表的な新築一戸建て住宅の価格に1万6000ドル以上上乗せされている。
一方、低金利に支えられ、住宅建設は郊外に広がっており、建設業者は繁忙状態にある。他地域の建設業者が高密度住宅地区の顧客から移転について問い合わせを受けていることも、拡大傾向を示すもう一つの兆候とされている。9月は、現況販売指数が4ポイント上昇の88歩イント。向こう6カ月間の住宅販売予測指数も6ポイント上昇の84ポイント。潜在的な住宅購入者の見方を示す指数は9ポイント上昇の73ポイントだった。
FRBは15・16日に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0-0.25%に据え置くことを8対2で決定した。また、インフレ率が「当面、2%目標を緩やかに超える」軌道にあると判断するまで、低金利を維持する方針を示した。
FRBは先月公表した新戦略で2%を超えるインフレ率を容認。これを受け、今回のガイダンスは変更された。
パウエル議長はFOMC後の記者会見で、「米経済の回復が進むまで、政策金利を非常に緩和的な状態を維持するのがFRBの意図だ」と指摘。声明については、「経済活動を支え、インフレ率をより迅速に2%目標に回帰させる上で非常に力強い内容だ」とし、「フォワードガイダンスは持続性のあるものになる」とした。また、「米経済の回復は進行中だが、そのペースは鈍化することが予想され、FRBのほか、追加の財政支出による継続的な支援が必要」とした。
FRBは声明で、金融市場の安定化から経済の活性化に軸足をシフト。現行の少なくとも月額1200億ドルの国債買い入れを継続するが、それは将来の緩和的な金融情勢を確保するための一環と説明した。FRBは当面の米経済見通しを引き上げたものの、新型コロナウイルスの感染拡大が引き続き米経済の重石になると指摘「。新型コロナは甚大な人的・経済的困難を引き起こしている」とし、「FRBはこの困難な時期に米経済を支援するため、あらゆる措置を講じることを確約している」とした。
新たな金利・経済見通しでは、大半の当局者が、少なくとも23年まで政策金利を維持すると想定。インフレ率が同期間で2%を上回ることはないとした。パウエル議長は、「FRBはインフレ率が2%を緩やかにオーバーシュートすることに自信を持っており、コミットし、かつ決心している」と表明。ただし、「それには時間がかかる」とした。
今年の経済成長率見通しについては、マイナス3.7%と、6月予想のマイナス6.5%から落ち込み幅を大幅に縮小した。21年は4.0%、22年は3.0%とし、6月見通しのそれぞれ5.0%、3.5%から下方修正した。また、23年は2.5%とした。失業率は年末で7.6%と8月の8.4%から低下する見通し。21年は5.5%、22年は4.6%とし、6月見通しのそれぞれ6.5%、5.5%から上方修正した。23年の失業率は4%とした。FRB当局者のドットチャートによると、1人を除く全員が22年までの金利据え置きを想定。4人が23年の利上げを予想した。
声明では、「労働市場が最大雇用と一致する水準に到達し、インフレ率が2%に上昇し、当面それを超える軌道にあると判断されるまで」現在の政策金利を維持すると想定。ただ、ダラス連銀のカプラン総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がこれに反論した。カプラン総裁は、「インフレ率と雇用がFRBの目標達成に向けて軌道に乗れば、柔軟性を高めることが好ましい」と指摘。一方、カシュカリ総裁は、「全体的なインフレ率より冷え込む傾向があるコアインフレ率が持続的に2%を達するまで金利を維持すべき」とした。
経済協力開発機構(OECD)は16日、20年の世界経済の成長率見通しをマイナス4.5%に上方修正した。中国と米国の回復が堅調で、世界経済は新型コロナウイルスの感染拡大による影響から予想よりも早期に脱却できる見通し。21年の成長率見通しはプラス5%に下方修正した。6月時点では20年がマイナス6.0%、21年がプラス5.2%としていた。ただし、新型コロナの感染拡大が一段と深刻化した場合や、より厳格な感染抑制策が取られた場合、21年の成長率は2-3%ポイント低下する可能性もあるとしている。
この予想は、コロナの感染拡大が局地的なものにとどまり、抑制策も地域を限定したものになることが前提。ワクチンは来年後半まで容易に入手できないとの想定に立っている。各国政府や中銀による景気支援策により最悪の事態は回避できたが、各地で新型コロナの感染拡大は継続しているため、支援策はしばらく維持すべきとした。欧米や中国経済回復が想定よりも堅調な一方で、インドやメキシコ、南アフリカは新型コロナの封じ込めに苦戦するなど、地域間で大きな格差がみられる。
新型コロナの発生源とされる中国の20年の成長率見通しはプラス1.8%と、6月時点のマイナス2.6%から上方修正し、G20で唯一プラス成長となるとした。21年は8.0%としている。米国経済の成長率予想はマイナス3.8%。依然としてマイナス成長ではあるものの、6月時点のマイナス7.3%からは大幅に改善している。21年は4.0%とした。ユーロ圏は20年がマイナス7.9%、21年は5.1%とした。日本は20年がマイナス5.8%、21年が1.5%の予想。
米2年債利回り:0.139%(±0)
米5年債利回り:0.283%(+0.0144)
米10年債利回り:0.699%(+0.0195)
米30年債利回り:1.462%(+0.0323)
米2-10年債利回りスプレッド:-0.56%(-0.0199)
米10年債先物:139.641(-0.03)<-0.02%>
米ハイイールド債:84.59(±0)<±0%>
米10年物TIPS利回り債:-0.976(+0.01)<-1.01%>
MOVE指数:42.43(-0.63)<-1.46%>
米国債は、FRBが金利を当面はゼロ%近辺にとどめる姿勢を示したことを受け、長期債を中心に利回りが上昇し、イールドカーブがスティープ化した。FOMCを受け、インフレ期待の影響を受けやすい長期債を中心に利回りが上昇した。2年債と10年債の利回りスプレッドは56BPと、7月24日につけた33BPから大きく拡大した水準にある。
【米国株のトレード戦略】
米国株はまちまちだったが、ハイテク株が売られ、VXNが上昇している。株価下落とボラティリティ指数の上昇は、通常のリスク回避的な動きといえる。高値圏にあることや、最近の株価の不安定さを嫌気して下落に備える動きがやや活発になっている可能性がある。いつものように、1日の動きだけで判断するのは難しいが、トレンドが明確に崩れるまでは方針を維持することになろう。FANG指数やナスダック100を中心に運用するスタンスは変える必要ないだろう。
FOMCは予想通りの内容で、全くのサプライズはない。長期的な金利見通しは当たらないため、ほとんど参考にする意味はない。ただし、市場がこれを重視しているため、「仕方なく」見ているというのは本音である。いまの市場構造は複雑であり、さらにこれにコロナウイルスの影響が絡んでくる。簡単に将来を見通せるはずもない。したがって、FRB関係者の見通しを参考にするのはいいが、それ以上のものではないことを再確認しておきたい。最後は市場に聞くしかない。市場の動きを重視し、それに沿って運用していくのが賢明な対処である。
BOFAセキュリティーズが15日公表した最新の機関投資家調査によると、米ハイテクセクターにあまりにも多くの投資家が殺到し、同セクターがこれまでで最も「混み合った(CROWDED)」取引になったことが判明した。新型コロナウイルスの感染第2波が見込まれることで、ハイテクバブルが今後最大のリスクとされている。今月3日から10日まで実施された調査では、3月の底値からの値上がり局面で機関投資家は景気敏感株を「循環物色」しており、モメンタムを「追いかけて」はいないことが判明。一方、新たな強気相場にあると答えた割合は、5月時点の25%から半数超に増加した。
全体の41%は債券利回り上昇の引き金になる要素として、信頼できる新型コロナワクチンの登場が最もあり得ると回答した。また、37%はワクチン発表時期を来年第1四半期中と予想した。
短期トレード戦略は、主要株価指数のロングを維持する。中心はFANG指数である。ダウ平均もロングでよいだろう。S&P500やナスダック100などの指数もロングでも良いと考えているが、数多くの指数をロングしなくても、1つあるいは2つの指数をロングすれば実際には十分であろう。ロングの中心はやはりFANG指数である。また、短期的な見通しにだが、米大統領選も控える中、あと2カ月程度は堅調さを維持するとの見方は変わらない。もっとも、予測は当たらない。このことも十分に理解してうえで、最後は市場の動きに追随するのが賢明であることは言うまでもない。
長期的なポートフォリオ戦略では、引き続き長期的なポジションを保有する。今回はナスダック指数を買い下がったが、結果的に3回、つまり高値から5%下、7.5%下、10%下の水準までの買いにとどまった。今後もこのようにして、ポジションを増やしていく。よほどのことがない限り、保有しているポジションは利益を確定させず、維持して利を伸ばしていくつもりである。いまはまだロングの対象をナスダック100あるいはFANG指数を中心とし、これにS&P500などを加えるとよいだろう。
今後も直近高値の5%下げの水準から2.5%ずつの下落で、20回に分けて最大で50%下げても買えるように資金を調整して買い下がっていく。すでに5%、7.5%、10%下落までの買いは終わっている。今後も12.5%以下の水準を買い下がっていく。無論、高値を更新すれば、再びそこから5%下の水準で買いなおしていく。そのうえで、高値から最大で50%安つまり半値の水準まで買い下がれるように資金管理を行う。無論、この投資はETFなどで行う。レバレッジをかけないことが重要である。
繰り返すように、下げ相場では一度に買わず、10回程度に分けて買うくらいでちょうどよい。しかし、今回は20回に分けることにする。買い損なう可能性を回避するためである。これまで通り、現金を用意して急落場面を待っていれば、その機会が来るだろう。いまがその機会になる可能性もある。まずは現金の5%を投じて買い下がり始めたい。個人的には毎日バランス型およびハイテク株中心の投信を積立型で毎日買うようにセットしている。また、ナスダック100(ETFではQQQ)などを対象に買い始めたい。もちろん「金(ゴールド)」も同額を同時に買い、自動的にリスクヘッジを行うことも忘れてはならない。
米国株と金を同時に買っておくと、長期的には米国株に投資するのと同じリターンを確保しながらも、ボラティリティを抑制できる。心理的な負担がなくなるのが非常に大きい。この点はなかなか理解されないのだが、実際にそうしてみるとよいだろう。そうすれば、私がなぜ株式と金を同時に買ったほうが良いかがわかるはずである。金を買う必要性に関しては、新刊「金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり」に詳しく解説している。ぜひお読みいただければと思う。
ちなみに、投資対象だが、短期トレード戦略では先物やCFDを使い、長期ポートフォリオ戦略ではETFなどの現物を使うのがよい。長期ポートフォリオ戦略ではレバレッジをかけないのが基本である。また、いつもの繰り返しだが、すべてを株式に突っ込むことだけは避けるべきである。下げ相場で身動きが取れなくなってしまうだけでなく、せっかくの安値を買う機会を逃すことになる。下げ相場は高値から5割から最大で75%の下げまで考慮しておけば、リーマン・ショック級の下げになっても買い下がることができる。
基本的には5割下げでも買える余力を残しておけば、ほとんどのケースで報われる。資金分散・時間分散を行えば、大きな下落を利用して押し目を買い、将来に収益化することができる。常に現金を残し、下げ相場で買うことができるようにしておくことが、長期投資で資産を増やす重要なポイントである。個人的には、「株式・金・現金3分割法」が良いと考えているが、最終的にはインフレが強まっていくにつれて、現金の多くを株式と金に振り向けることになるだろう。
<米国株式市場の短期トレード戦略>
ダウ平均:ロング
S&P500:ショート
ナスダック総合指数:ショート
ナスダック100:ショート
FANG指数:ロング
ラッセル2000:ショート
VIX:ロング
VXN:ロング
SOX:ショート
【米債券トレード戦略】
米10年債先物はロングを維持し、ハイイールド債はショートの指示になっているが、物理的にできないため、少なくともロングは解消しておきたい。これらは現在の市場が「リスクオフ」の状態にあることを示している。要注意である。また、金利動向には引き続き要注目である。ハイイールド債のETFであるHYGの動きをみることで、投資家のリスク許容度が図ることができる。HYGが下げ始めたときには要注意である。
長期的なポートフォリオ戦略では、常に米国債を保有しておくとよいだろう。ただし、徐々に減らしたほうが良いだろう。これからは金と現金が優位になるとみている。株式4割、金3割、現金3割が理想的である。
<債券市場の短期トレード戦略>
米10年債先物:ロング
米ハイイールド債:ショート
米10年物TIPS利回り債:ロング
MOVE指数:ショートに転換
【欧州&その他の株式・債券市場の市況解説・分析】
FTSE:6078.48(-27.06)<-0.44%>
DAX:13255.37(+37.7)<+0.29%>
ユーロストックス50E:3338.84(+6.58)<+0.2%>
上海株価指数:3283.924(-11.76)<-0.36%>
ハンセン指数:24725.63(-7.13)<-0.03%>
H株:9845.79(+16.72)<+0.17%>
NIFTY:11604.55(+82.75)<+0.72%>
ボベスパ指数:99675.68(-622.23)<-0.62%>
ロシア株:1251.86(-1.82)<-0.15%>
ロンドン株は反落。英国とEUの緊張をはらむ離脱交渉が引き続き注視された。ポンド高により輸出銘柄が売られた。EUの執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、英国がEU離脱協定を修正する法案を推し進める中、貿易の取り決めで合意する可能性が日々薄れているとした。この日新規株式公開(IPO)を果たした電子商取引ザ・ハット・グループは25.0%急騰した。英国企業として13年以来の大規模なIPOとなった。一方、通期利益が減ったことが嫌気された住宅建設のレッドロウは1.8%安だった。
市場はBOEの17日の政策決定会合に注目している。
欧州株は続伸。「ザラ」を傘下に持つスペインのアパレル大手インディテックスが好決算を発表し、小売株が広範に買われた。インディテックスは8.1%上昇。オンライン売り上げが大幅に増えているほか、店舗の売り上げも回復しており、業績の正常化に向けて進展しているとしたことが好感された。STOXX600小売株指数は1.31%上昇した。
イギリス10年債利回り:0.213%(-0.006)
ドイツ10年債利回り:-0.479%(+0.002)
フランス10年債利回り:-0.219%(-0.011)
イタリア10年債利回り:0.973%(-0.026)
スペイン10年債利回り:0.262%(-0.011)
ポルトガル10年債利回り:0.296%(-0.007)
ギリシャ10年債利回り:1.066%(-0.027)
ユーロ圏債券はイタリア10年債利回りが3月上旬以来の水準まで低下。ECBの複数の当局者は、必要に応じてなお追加緩和の余地があるとの認識を示した。この日は南欧諸国の国債が買われた。
ECBのシュナーベル専任理事は、ユーロ圏の物価がECBの目標に向かって上昇しない場合は、政策を調整する用意があると示唆した。シュナーベル氏は、「為替相場はECBの政策目標ではない」と改めて強調。足元のユーロ相場高を踏まえ、「為替相場の動きを含め、発表される情報を注意深く監視し続けている」とした。ECBは新型コロナウイルスの流行を受け、緊急的な金融政策措置による需要の喚起を目指してきた。シュナーベル氏は、「そうした狙いに沿わない場合は、行動に移す用意がある」とした。さらに、「コロナ危機前の水準に素早く戻るようなV字型の経済回復は見られない。時間がかかるが持続的な回復が確認され、それはインフレ見通しについても当てはまる」とした。
英国民統計局が16日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.2%の上昇となった。15年12月以来、4年9カ月ぶりの低水準で、1.0%の上昇を記録した7月から大幅に減速した。エネルギー、食品、アルコール飲料、たばこを除いたコア指数の上昇率も0.9%と、7月の1.8%から大きく落ち込んだ。
EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は16日、「英国との新たな通商協定を結ぶ可能性が日ごとに低下していると」し、「年末までに準備を整えるために残された時間はきわめて少ない」と英国に警告した。委員長は欧州議会で「一般教書演説」を行い、日々が過ぎるにつれて「時宜にかなった合意の可能性が低下している」とし、「EUと英国の双方がブレグジット協定を交渉・批准した」と強調。「協定は一方的に変更・無視したり、非適用としたりすることはできない」と英国に警告した。
また、「これは法、信頼、誠意の問題であり、信頼は強固なパートナシップの基盤だ」とし、EUが離脱協定を撤回することは決してないと付け加えた。演説でブレグジットに触れたのはごくわずかにとどまり、大半は新型コロナウイルス流行からの景気回復のほか、デジタルや気候関連の投資に焦点が当てられた。
EU統計局が16日発表した7月のユーロ圏対外貿易収支の速報値は279億ユーロの黒字となった。前年同月は232億ユーロの黒字。EU全体では、258億ユーロの黒字(前年同月は202億ユーロの黒字)。ユーロ圏の輸出は前年同月比10.4%減の1852億ユーロ、輸入は14.3%減の1573億ユーロ。EU全体は輸出が11.3%減の1685億ユーロ、輸入は16.0%減の1426億ユーロ。ユーロ圏の域内貿易は8.6%減の1537億ユーロ、EU全体は7.4%減の2392億ユーロ。
【主要株式指数トレード戦略】
FTSE、DAX、ハンセン指数、NIFTY、ボベスパ指数、ロシア株の戦略は下記を参考にしてほしい。様々な株式指数にも分散してトレードすると、他の銘柄の収益がポートフォリオ全体を助けてくれるだろう。世界の株式市場全体のトレンドを確認するために利用していただければ幸いである。資金的に余裕があれば、トレード対象に入れておくとよいだろう。
<主要株式市場の短期トレード戦略>
FTSE:ロング
DAX:ロング
ユーロストックス50E:ロング
上海株価指数:ショート
ハンセン指数:ショート
H株:ショート
NIFTY:ロング
ボベスパ指数:ショート
ロシア株:ショート
【日本株式・債券市場の市況解説・分析】
シカゴ日経平均先物:23350(-30)<-0.13%>
日経平均株価:23475.53(+20.64)<+0.09%>
TOPIX:1644.35(+3.51)<+0.21%>
マザーズ指数:1181.23(+28.89)<+2.51%>
日経平均先物(第1限月):23300(-20)<-0.09%>
TOPIX先物(第1限月):1629.5(-0.5)<-0.03%>
マザーズ先物(第1限月):1136(+28)<+2.53%>
国債先物(第1限月):151.99(-0.01)<-0.01%>
日経VI:20.84(+0.18)<+0.87%>
東証リート指数:1739.13(+21.86)<+1.27%>
日本2年債利回り:-0.146%(-0.004)
日本5年債利回り:-0.11%(-0.006)
日本10年債利回り:0.014%(±0)
日本株は小幅反発。FOMCの結果発表を控えて取引が細る中、押し目買いがやや優勢だった。62%の銘柄が値上がりし、値下がりは34%。出来高は11億6886万株、売買代金は2兆1398億円。東京株式市場は相場全体の方向感が定まらなかった。米国の金融政策を決めるFOMCの結果発表を日本時間17日未明に控えて取引は盛り上がらず、日経平均株価の上昇は小幅にとどまった。時間外取引の米国株価指数先物の堅調な動きから、前日に値下がりした銘柄を中心に押し目買いが入った。
しかし、ドル円が105円台前半の円高・ドル安で推移したため、円高が業績悪化につながる輸出関連株を中心に上値は重かった。16日午後の取引時間中、自民党の菅義偉総裁が臨時国会で首相に指名された。市場では、菅首相による追加経済対策への期待から、当面は底堅い相場になるとの声が聞かれた。
自民党の菅総裁は16日召集の臨時国会で、第99代首相に指名された。この後、直ちに組閣に着手。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、自民、公明両党連立による菅内閣が発足した。首相交代は7年9カ月ぶり。派閥に属さず、世襲議員でもない首相は自民党政権で事実上初。菅新首相は官房長官として支えた安倍政権の継承を旗印に、新型コロナウイルスの感染収束と日本経済の立て直しに全力を挙げる。安倍前首相が掲げた「戦後外交の総決算」も目指す考えである。
首相指名選挙で菅氏は、衆院で314票、参院で142票と、ともに1回目の投票で過半数を獲得した。この後、公明党の山口代表との党首会談を経て、組閣本部で新内閣の陣容を決定。官房長官に加藤前厚生労働相を起用し、目玉政策の推進役として行政改革担当相に河野前防衛相、デジタル改革担当相に平井元科学技術担当相を充てた。沖縄基地負担軽減担当と拉致問題担当は加藤氏、沖縄・北方担当は河野氏が兼務する。安倍政権との継続性も重視し、麻生副総理兼財務相ら8閣僚は再任した。
菅首相は16日夜、就任後初の記者会見で、「新型コロナウイルスの危機を乗り越え、国民が安心した生活を取り戻すため、安倍政権の取り組みを継承して前に進めることが私の使命だ」とした。また、「経済再生は最重要課題だ」とし、金融緩和、財政投資、成長戦略のアベノミクスを継承し、一層の改革を進めるとした。一方、安倍政権で批判を浴びた「桜を見る会」は来年以降、中止するとした。
自民党内で待望論が出ている早期の衆院解散については、「今国民が求めているのは早期のコロナ収束と経済立て直しの両立で、まず感染拡大防止と経済の両立に全力で取り組む」と強調し、「まずは経済回復に専念したい」とした。「1年以内に解散・総選挙がある。時間の制約も視野に入れて考えていきた」ともした。自民党総裁選の最中から掲げてきた省庁の縦割り打破に関して、「規制改革を政権のど真ん中に置く」とし、行政改革担当相に就任した「河野大臣と取り組む」との方針を示した。規制改革の一環として「縦割り110番」の設置検討を河野担当相に指示したことを明らかにした。
行政のデジタル化について「複数の省庁に分かれている関連政策を取りまとめ、強力に進める体制としてデジタル庁を新設する」と表明した。外交では「戦後外交の総決算を目指し、拉致問題の解決に取り組む」と発言。「拉致問題は安倍政権同様に政権の最重要課題だ」とし、「不退転の決意で自ら先頭に立って対応する」とした。拉致被害者の横田めぐみさんの父・滋さんが死去したことに対して「本当に申し訳ない」と陳謝した。
森友・加計学園問題などに関し、「安倍政権に対してはさまざまな指摘があり、客観的におかしなことは直していく必要がある」としつつ、森友問題に関する文書改ざん事件は財務省の調査、検察の捜査を経て解決済みとの従来の見解を繰り返した。来年以降「桜を見る会」を中止する理由については、「コロナ対策に集中する必要があるためで、桜を見る会の予算要求については、従来から否定的な見解を安倍前首相にも伝えてきた」とした。
財務省が16日発表した8月の貿易統計速報によると、輸出額は前年同月比14.8%減の5兆2327億円だった。減少幅は縮小傾向にあるものの、新型コロナウイルスの影響が強く残り、2桁減が続いている。一方、中国向けの輸出は2カ月連続のプラスだった。輸入は、原油や液化天然ガスなどエネルギー関連が大幅に減少し、20.8%減の4兆9844億円。この結果、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2483億円の黒字となった。黒字は2カ月連続。
輸出の減少は21カ月連続。5月の28.3%減をピークに、6月の26.2%、7月の19.2%、8月とマイナス幅の縮小が続くが、財務省は「本当に需要が戻ってきたのか、今までの反動的かを見ていかないといけない」としている。輸出の内訳を見ると、自動車が19.4%、軽油など鉱物性燃料が68.8%、船舶が57.3%それぞれ減少。仕向け地別では、米国が原動機や医薬品を中心に21.3%減の9369億円、EUは19.2%減の4763億円だった。一方、中国は5.1%増の1兆2616億円。半導体等製造装置が35.6%、非鉄金属が81.4%それぞれ大幅に増えた。
【日本株のトレード戦略】
日経平均先物は夜間取引で小動きだった。ドル円が105円を割り込んだが、それほど影響はしていないようである。AI運用が「円高=株安」と判断しなくなっているのか、今日の東京市場の動きも確認してみたい。そもそも、「円安=株高」を刷り込んだのはアベノミクスである。その発想自体が正しいとは言えない。輸出企業が中心ではなくなってきていることも事実である。ソニーのように、円高の方が良い企業もある。市場はそろそろ円高否定の発想をやめるべきであろう。
最も、菅政権がアベノミクスを継承するとしている。今後も円安志向と日銀によるETF買いは続きそうである。しかし、この政策を継続しているうちは、日本の本物の力を想像するのは難しいだろう。政府・日銀が支えてくれるという発想を持って対処することは、結局は「社会資本主義」に乗っていることになる。投資家は政策には逆らえないが、そろそろ政府・日銀も市場の本質を理解し、大胆な発想の転換=本来の市場機能の回復を志向すべきではないかと考える。そうしたほうが、海外勢が
日本株を買おうという発想になりやすいだろう。
さて、16日に菅政権がスタートした。「安倍政権の継承」を掲げた菅首相が起用した閣僚は前政権からの再任や横滑りが目立ち、新味の乏しい布陣という印象が強い。人事の過程では派閥の意向を受け入れ、安倍前首相が築いた「1強」政治に変化の兆しも見られる。菅政権がどこまで独自色を発揮できるかは未知数である。菅首相は人事について「思い切って私の政策に合う人を登用する」と語っていたが、実際に入れ替えはわずかで、ほぼそのまま引き継いだ格好である。
麻生副総理兼財務相や茂木外相ら8人が再任され、官房長官に就いた加藤氏ら3人が別ポストに移動。閣僚20人の過半数が「続投」である。再入閣の4人も第2次安倍政権以降に菅首相と閣僚として共に仕事をした間柄で、目玉人事は見当たらない。先の自民党総裁選勝利に貢献した二階派からはポストの要求で圧力もあったもよう。同派は今回、「平沢氏の初入閣が最優先」との立場を崩さなかったとされる。菅首相は「入れたくない」としていたが、最終的に復興相に起用に追い込まれた。
細田派とも難しい調整を強いられた。萩生田文部科学相を党政調会長に起用する案も浮上したがうまくいかず、文科相に再任させることで決着した。安倍氏の実弟である同派の岸信夫氏を初入閣させたことは、同派に強い影響力を持つ安倍氏を意識したと見る向きもある。麻生派が求めていた井上氏の初入閣もかなえられた。無派閥で党内基盤が弱い菅氏としては党側との協調を重視せざるを得ない。とりわけ菅首相の後ろ盾として「総裁派閥」を自任する二階派の影響力は強まりそうである。
一方、自らの選択肢が狭まる中、独自色をにじませた配置もある。菅首相は「既得権益やあしき前例主義を打破する」として徹底した規制改革を進める意向を示しており、この分野ではこだわりを見せている。発信力のある河野防衛相を行政改革担当相に据え、IT政策通の平井元科学技術担当相をデジタル改革担当相に据えた。菅首相は周辺に「ぶち壊すのを河野氏と平井氏にやってもらう」ともらしている。IT政策を包括する「デジタル庁」創設を目玉政策に掲げており、各省庁に分散するデジタル関係の権限を集約するために両氏の突破力に期待。政権の成果を打ち出したい考えである。
再入閣した小此木国家公安委員長は、総裁選の選対本部長を務めていたほか、河野氏や小泉環境相は同じ神奈川県選出で関係が近い。そのため、派閥に遠慮したと見せかけ、自分との近さで選んだ人事もあるとみられる。今回の人事では初入閣が5人にとどまった。前政権は、河井元法相や菅原元経済産業相の「政治とカネ」の問題などで揺れた。初入閣組の不祥事や失言が政権に打撃を与えた例は少なくない。しかし、今回の人事に関して、自民党関係者は「慎重な菅氏らしい、手堅い人事だ」と評している。このため、党内では「選挙をやる布陣ではない」との声が上がっている。
菅首相は新型コロナウイルス感染の収束を優先させる立場を示していることもあり、早期の衆院解散・総選挙は遠のいたとの見方も出ている。来年までの政治日程を見渡すと、解散に余裕がありそうなのは今年10-11月である。そのため、今秋の解散説がくすぶり続けている。新内閣の「鮮度」が高く、野党が十分な準備を整える時間的余裕がないという事情もある。12月に入ると21年度予算編成が本格化する上、冬場は新型コロナとインフルエンザが同時流行する恐れもある。来年は、夏に公明党が国政選挙並みに力を注ぐ東京都議選、東京五輪・パラリンピックと続き、9月末には菅氏の総裁任期が切れる。
衆院任期満了に近づく「追い込まれ解散」を回避するには、1月の通常国会冒頭、遅くとも3月末に見込まれる21年度予算成立直後しかない。解散は首相の専権事項とはいえ、与党の意向は無視できないだろう。自民党の二階幹事長は「首相自身が熟慮してご判断されればいいことだ」とした上で、「党はいつ解散があっても対応できるよう準備を整えている。あしたからでも結構だ」と常在戦場の構えを見せた。公明党は支持母体の準備不足などを理由に、早期解散に慎重な立場を崩していない。しかし、解散は「風」次第である。雰囲気が変われば、あっという間に解散まで進むだろう。
日銀は17日、前日に続き金融政策決定会合を開き、新型コロナウイルス禍を受けて導入した企業の資金繰り支援策の効果を点検する。長短金利操作を柱とする大規模な金融緩和は維持することになる。国内経済については、7月会合で「きわめて厳しい状態にある」とした景気判断の見直しを議論する。午後には黒田総裁が記者会見し、金融政策や景気認識について説明。菅内閣発足を受け、政府との連携に関する発言も注目しておきたい。
4-6月期の実質GDPは年率換算で前期比28.1%減と、戦後最悪の下落を記録している。会合では、「足元の生産や輸出の持ち直しなどを踏まえ、国内経済が政府の経済対策の効果に支えられ、今年後半から徐々に改善していく」との見通しに沿って推移しているかを確認する。日銀は3月以降、コロナの影響に苦しむ企業の資金繰りを支援するため、金融機関への特別な資金供給策や社債・コマーシャルペーパー(CP)の買い入れ枠の拡大を相次いで打ち出している。
短期トレード戦略は、日経平均株価、TOPIX、マザーズ指数をロングしている。マザーズ指数が再び活況になっている。デジタル改革担当を設置したことで、ハイテク関連への期待が高まっているようである。マザーズ指数で収益を伸ばしていきたいところである。その他の指数もトレンドが崩れるまで、ポジションを維持して利を伸ばしていきたい。菅政権が誕生したが、市場がどの程度評価するのか、じっくりとみていきたい。しがらみに縛られず、大胆に政策を推し進めることができれば、歴史的な大相場に発展する可能性もありそうである。また、解散が視野に入れば、一気に株価が吹き上がる可能性もあるだろう。
長期ポートフォリオ戦略の考え方は変わらない。今回の買い下がりは22325円以下をめどに開始したいと考えている。そこから徐々に買い下がっていく方針である。米国株と同様に、2.5%刻みでの買い下がりを考えている。20回に分けて買えるように資金を分散する。買いのターゲットは22325円、21735円、さらに21150円、20560円となろう。PBRが1倍の水準は21000円前後であり、この辺りがかなり固いサポートになりそうである。さらに、0.8倍の水準である16800円以下は考えづらい。ここまで買い下がれる資金を残しておけば十分であろう。
毎回の繰り返しだが、いつ急落するかは誰にもわからない。すぐに買えるように備えだけはしておきたい。相場は何があるかわからない。そのため、常に資産全体の3割は現金で残しながら、安値での買いに備えておきたい。すべての資金を現時点で投資することは避けるべきである。投資機会は必ずやってくる。焦って高値を買わず、深い押し目を待つことが長期投資を行ううえでもっとも重要なことである。BPS以下になれば、徐々に買い下がっていくための資金は、常に手元に残しておく。投資可能な資産の3割を現金にしておけば、大きな下げで買い出動ができる。
<テクニカル指標>
騰落レシオ:25日平均114%/6日平均150%
PER:22.29倍/EPS:1053(参考値)
PBR:1.11倍/BPS:21149円(参考値)
空売り比率:38.0%(低下)
新高値銘柄数:108/新安値銘柄数:0(強気パターンを維持)
日経VI:20.84(上昇)
ドル建て日経平均:222.85ドル(節目の200ドルを維持)
NT倍率:14.28倍(高止まり、日経平均はTOPIXに対して超割高)
信用倍率(9月11日時点):2.41倍(先週の2.55倍から低下、売り残金額減少/買い残金額増加)
信用評価損率(9月11日時点):13.36%(前回13.79%からさらに改善)
投資主体別売買動向(9月4日時点)
海外投資家:125億0500万円の売り越し
個人投資家:501億9700万円の買い越し(現物544億9500万円の売り越し、信用1046億8100万円の買い越し)
投資信託:167億7000万円の買い越し
信託銀行:314億3100万円の買い越し
証券自己:1109億3800万円の売り越し
<日本株の短期トレード戦略>
シカゴ日経平均先物:ロング
日経平均株価:ロング
TOPIX:ロング
マザーズ指数:ロング
日経平均先物(第1限月):ロング
TOPIX先物(第1限月):ロング
マザーズ先物(第1限月):ロング
国債先物(第1限月):ロング
日経VI:ショート
東証リート指数:ロングに転換
日経レバレッジ(1570):ロング
日経ダブルインバース(1357):ショート
TOPIXレバレッジ(1367):ロング
TOPIXダブルインバース(1368):ショート
マザーズETF(2516):ロング
日経VI(2035):ショート
VIX短先物(1552):ショート
リートETF(1343):ロングに転換
NYダブルブル(2040):ロング
NYダブルベア(2041):ショート
ISHARES S&P500(1655)ショート
NASDAQ(1545):ショート
〔CURRENCY MARKET〕
ドル円:104.94(-0.49)<-0.46%>
ユーロドル:1.1814(-0.0031)<-0.26%>
ポンドドル:1.2965(+0.0079)<+0.61%>
豪ドル/米ドル:0.7305(+0.0004)<+0.05%>
NZドル/米ドル:0.6731(+0.001)<+0.15%>
米ドル/カナダドル:1.3176(-0.0005)<-0.04%>
ユーロ円:123.99(-0.92)<-0.74%>
ポンド円:136.07(+0.24)<+0.18%>
豪ドル円:76.64(-0.33)<-0.43%>
NZドル円:70.63(-0.12)<-0.17%>
カナダドル円:79.63(-0.31)<-0.39%>
ユーロポンド:0.911(-0.008)<-0.87%>
ユーロ豪ドル:1.617(-0.0057)<-0.35%>
ポンド豪ドル:1.7747(+0.0101)<+0.57%>
ユーロNZドル:1.7549(+0.1322)<+8.15%>
ポンドNZドル:1.9261(+0.1615)<+9.15%>
ユーロカナダドル:1.5569(-0.0053)<-0.34%>
ポンドカナダドル:1.7086(+0.0095)<+0.56%>
豪ドルNZドル:1.0848(-0.0023)<-0.21%>
豪ドルカナダドル:0.9621(-0.0004)<-0.04%>
NZドルカナダドル:0.8869(+0.0008)<+0.09%>
ドルスイスフラン:0.9092(+0.0012)<+0.13%>
スイスフラン円:115.41(-0.7)<-0.6%>
ユーロスイスフラン:1.0744(-0.0012)<-0.11%>
ポンドスイスフラン:1.1791(+0.0085)<+0.73%>
豪ドルスイスフラン:0.6643(+0.0013)<+0.2%>
NZドルスイスフラン:0.612(+0.0017)<+0.28%>
カナダドルスイスフラン:0.6903(+0.0016)<+0.23%>
メキシコペソ/米ドル:20.929(-0.214)<-1.01%>
メキシコペソ円:5.0069(+0.0277)<+0.56%>
トルコリラ/米ドル:7.5054(+0.02)<+0.27%>
トルコリラ円:13.9745(-0.074)<-0.53%>
南アランド/米ドル:16.2281(-0.2036)<-1.24%>
南アランド円:6.4606(+0.052)<+0.81%>
米ドル/ブラジルレアル:5.2377(-0.0371)<-0.7%>
米ドル/ロシアルーブル:74.5875(-0.3025)<-0.4%>
ロシアルーブル円:1.3964(-0.0062)<-0.44%>
米ドル/オフショア人民元:6.7444(-0.0355)<-0.52%>
オフショア人民元円:15.5559(+0.015)<+0.1%>
ドル円は急落。米国のゼロ金利政策の長期化観測を背景に円買い・ドル売りが優勢となり、105円割れとなった。FRBによる追加緩和策への期待などから朝方に円買い・ドル売りが加速。ドル円は7月末以来、約1カ月半ぶりに104円台後半に下落した。8月の米小売売上高が前月比0.6%増と、市場予想の1.0%増を下回ったこともドル売りを後押しした。ドル円は一時104.81円と、2カ月半ぶりの高値を付けた。
FRBは事実上のゼロ金利政策と量的緩和策の据え置きを発表。ゼロ金利を少なくとも23年末まで維持する方針を示唆した。今年の経済成長率見通しがマイナス6.5%からマイナス3.7%に引き上げられたことなどを受けて、一時ドル買いに傾く場面があったものの、総じて円高・ドル安の流れが継続した。ドル指数は0.07%高の93.19。ユーロドルは下落した。
一方、オフショア人民元は対ドルで6.7426元に上昇し、昨年5月以来の高値を更新。前日発表された8月の中国鉱工業生産が8カ月ぶりの高い伸びを記録し、小売売上高が今年初めてのプラスとなったことを受け、他国が米国より速いペースでコロナ禍からの景気回復を遂げるとの見方が広がり、ドルへの圧迫材料となっている。
ニュージーランド(NZ)統計局が16日発表した4-6月期の経常収支は、4億8200万NZドルの黒字となり、前期の13億8100万NZドルの赤字から転換した。モノの収支が黒字化したことが寄与し、09年以来の経常黒字を計上した。モノとサービスの収支は21億5800万NZドルの黒字(前期は4億4600万NZドルの黒字)だった。
【通貨トレード戦略】
ドル円は急速に円高圧力が強まっている。FOMCは予想通りの内容だったが、そのかなり前の段階から円高が進んでおり、やや仕掛け的な動きにも見える。市場では、菅政権への不透明感から売られたとの解説もあるようだが、いまだに不透明感=円高の発想である。これ自体は正しいとは思えないが、市場がそのように判断しているのだから仕方がない。もっとも、FRBによる緩和余地がかなり狭まっている中、日銀はさらに政策余地がない。両者ともに手詰まりの中、金利を背景に為替が動くのは難しくなっていることだけは確かであろう。
そうなると、頼りは政治的な動きであろう。アベノミクスと継承するとしている菅政権が、今後も「円安=株高政策」を志向するのかどうかを確認する必要がある。円安が株高をもたらしているわけではないのだが、この貧困な発想が日本経済をだめにしていることを、早い段階で理解し、これまでの発想と行動を変革することができれば、よい円高が進むことになるだろう。しかし、それは今回の古い政治が継承される内閣の顔ぶれを見れば、ほとんど期待できないだろう。目先は105円がレジスタンスになってくると、100円を目指す動きが加速してもおかしくないだろう。
ユーロドルは上値を抜け切れずに下げている。あまり良い動きではない。いったんは下値を試しそうな雰囲気である。1.17ドル前後までの調整は視野に入れておきたい。そこで下げ止まれば、再び上昇に転じる可能性は残るだろう。
ポンドドルは反発基調が続いている。英国のEU離脱交渉の難航はひとまず織り込んで、目先は売られすぎの解消が進んでいるようである。1.27ドル割れを回避して上げており、これも買い戻しを誘発しやすい。ただし、1.31ドルで打たれるようだと、再び下げに転じる可能性が残るだろう。
豪ドルは堅調さを維持している。値動きはあまりないが、中国の経済データの改善傾向などを背景に上昇基調は続いている。このトレンドに乗っておくのが賢明である。0.7360ドルを超えてくると、再び上昇圧力が強まりそうである。NZドルも堅調である。ただし、買われすぎになっている点には注意しておきたい。
通貨取引はトレンドフォローで行い、「強い通貨を買い、弱い通貨は売る」ことが重要である。逆張りトレードは避けるべきというのが基本的な考え方である。
主要通貨ペアの戦略をまとめると、現在の主要通貨のポジションは以下の通りになる(前日から変わらず)。
USD(米ドル):-5
JPY(円):+3(+2)
EUR(ユーロ):-1
GBP(ポンド):-7
AUD(豪ドル):+5
NZD(NZドル):+7
CAD(カナダドル):-3
CHF(スイスフラン):+1(-2)
<通貨市場の短期トレード戦略>
ドル円:ショート
ユーロドル:ロング
ポンドドル:ショート
豪ドル/米ドル:ロング
NZドル/米ドル:ロング
米ドル/カナダドル:ショート
ユーロ円:ショート
ポンド円:ショート
豪ドル円:ロング
NZドル円:ロング
カナダドル円:ショート
ユーロポンド:ロング
ユーロ豪ドル:ショート
ポンド豪ドル:ショート
ユーロNZドル:ショート
ポンドNZドル:ショート
ユーロカナダドル:ロング
ポンドカナダドル:ショート
豪ドルNZドル:ショート
豪ドルカナダドル:ロング
NZドルカナダドル:ロング
ドルスイスフラン:ショート
スイスフラン円:ショートに転換
ユーロスイスフラン:ショート
ポンドスイスフラン:ショート
豪ドルスイスフラン:ロング
NZドルスイスフラン:ロング
カナダドルスイスフラン:ショート
メキシコペソ/米ドル:ショート
メキシコペソ円:ロング
トルコリラ/米ドル:ロング
トルコリラ円:ショート
南アランド/米ドル:ショート
南アランド円:ロング
米ドル/ブラジルレアル:ショート
ブラジルレアル円:ロング
米ドル/ロシアルーブル:ロング
ロシアルーブル円:ショート
米ドル/オフショア人民元:ショート
オフショア人民元円:ロング
〔COMMODITY MARKET〕
【貴金属市場の市況解説・分析】
金:1959.318(+3.8)<+0.19%>
銀:27.33(+0.09)<+0.35%>
プラチナ:968.73(-9.47)<-0.97%>
パラジウム:2399.428(-10.61)<-0.44%>
金相場は上昇。FRBは新型コロナウイルス危機からの経済回復を支援するため、ハト派的な金融政策のスタンスを維持するとしたことで、堅調さを維持している。
【貴金属のトレード戦略】
金相場は徐々に下値を切り上げている。テクニカル面では買われすぎ感があるものの、1970ドルを超えると一気に吹き上がる可能性は依然として残っていると考えている。そろそろ大きな動きになってもおかしくないだろう。FOMCの影響はほとんどなかったが、低金利政策の継続が23年までコミットされたことは、金相場には非常に大きいといえる。市場はこの点を全く織り込んでいないだろう。いずれ大きく上昇することを想定しつつ、いまからでも粛々と金のポジションを積み上げておきたい。
私は「株式・金・現金」の3分割法を推奨している。株式を購入するときに同時に金を買う。個人投資家にはシンプルでよいだろう。株式は米国を中心とした株式指数ETFで十分である。金は現物・ETFで保有することができる。現金は株価や金が下げたときに買い増すときに利用する。いまは債券投資には妙味がない。金を利用したほうが良い。賢者は金を推奨している。株式投資の際に同額の金を買うというのは、きわめて理にかなっているのである。
金に関する詳しい解説は、新刊「金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり」に詳しく解説されているため、ぜひご購読いただければと思う。
<貴金属市場の短期トレード戦略>
金:ロング
銀:ロング
プラチナ:ロング
パラジウム:ロング
【非鉄市場の市況解説・分析】
アルミ:1793(-0.5)<-0.03%>
銅:6792(+34)<+0.5%>
ニッケル:15215(-25)<-0.16%>
亜鉛:2525.5(+23)<+0.92%>
鉛:1892(-17.5)<-0.92%>
COMEX銅:3.058(-0.005)<-0.16%>
<LME在庫(前日比)>
アルミ:1510400トン(-3525トン)
銅:78900トン(+350トン)
ニッケル:237276トン(+96トン)
亜鉛:219625トン(-75トン)
鉛:136675トン(+6325トン)
ロンドン非鉄市場は銅相場が堅調。最大の非鉄消費国である中国での製造業の活動や鉄鋼の生産、インフラ建設などの加速が背景にある。中国の需要が持ち直しているとみられている。また、この日は亜鉛が急伸。LME在庫が低下していることなどが材料視され、さらに中国の需要回復と人民元高を背景に約1年4カ月ぶりの高値に迫っている。9月1日には約1年4カ月ぶりの高値となる2583ドルをつけている。亜鉛は3月の安値から34%反発している。
【非鉄のトレード戦略】
非鉄相場は高値圏を維持している。世界的な経済の回復に加え、中国の需要拡大への期待を背景に買いの勢いは衰えていないといえる。株価が堅調に推移していれば、非鉄相場も堅調さを維持できるだろう。どの銘柄もいずれ直近高値の更新が視野に入ってきそうである。
<非鉄金属市場の短期トレード戦略>
アルミ:ロング
銅:ロング
ニッケル:ロング
亜鉛:ロング
鉛:ショート
COMEX銅:ロング
【エネルギー市場の市況解説・分析】
WTI原油:40.18(+1.9)<+4.96%>
ブレント原油:42.22(+1.69)<+4.17%>
RBOBガソリン:1.1965(+0.0584)<+5.13%>
ヒーティングオイル:1.1163(+0.017)<+1.55%>
天然ガス:2.253(-0.109)<-4.61%>
OVX:41.13(-4.06)<-8.98%>
<米エネルギー情報局(EIA)週間石油在庫統計>
原油在庫:-439万バレル(496百万バレル)
クッシング在庫:-7万バレル(54.28百万バレル)
原油生産量:+90万バレル(日量1090万バレル)
原油輸入:-41万バレル(日量501万バレル)
原油輸出:-35万バレル(日量260万バレル)
ガソリン在庫:-38万バレル(232百万バレル)
ガソリン需要:+9万バレル(日量848万バレル)
ディスティレート在庫:+346万バレル(179百万バレル)
ディスティレート需要:-90万バレル(日量281万バレル)
石油製品需要:-165万バレル(日量1703万バレル)
製油所稼働率:+4%(75.8%)
原油相場は続伸し、4%超上昇。米国の原油とガソリン在庫が減少し、ハリケーン「サリー」の影響で、米国の海底油田が生産を停止したことが相場を押し上げた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した前週の米国内の原油在庫は440万バレル減の4億9600万バレルと、4月以来の低水準となった。市場予想は130万バレル増だった。また、ガソリン在庫は40万バレル減で、減少幅は市場予想の2倍超。製油所稼働率は4%ポイント上昇した。
米内務省によると、米メキシコ湾では「サリー」の影響で、おおよそ日量50万バレルの原油生産が停止した。これは8月のハリケーン「ローラ」接近時の約3分の1に相当する。一方、OPECと非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は、17日に共同閣僚監視委員会(JMMC)を開催し、協調減産の状況を点検する。原油相場は低迷しているが、追加減産を発表する可能性は低い見通し。
国際エネルギー機関(IEA)は15日公表の月報で、新型コロナウイルスのパンデミックに伴う経済低迷からの回復ペースについての慎重な見方を背景に、20年の世界石油需要予想を8月予想から日量20万バレル引き下げ、9170万バレルに下向き改定した。IEAは月報で、「20年下半期には石油需要の回復ペースが著しく減速する見通しだ」とし、「経済が本格回復するには数カ月を要するだろう。さらに、新型コロナ第2波により人の移動が再び抑制される可能性もある」との見解を示した。
月報は、新型コロナ禍が再拡大している国も多く、1)ロックダウン措置、2)リモートワークの継続、3)航空需要の減退といった全ての要因が石油需要を抑えているとしている。20年下半期の原油在庫は日量約340万バレル減と、先月見通しを約100万バレル下回る水準に改定。先進国での在庫水準は7月に過去最高を更新している。
一方、8月の世界の石油供給量は、OPECプラスの協調減産が緩和されたため、日量110万バレル増加した。OPECプラス以外の産油国では2カ月連続で生産が増加した後、減少に転じた。米国の生産量はハリケーン「ローラ」による石油関連施設の閉鎖で同40万バレル減少した。
【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油とブレント原油はロングにする。トレンドから判断する戦略ではまだショートが有利と判断できるが、目先は底打ちの家のせいがありそうである。すでに底値で買い戻せており、余裕もあるため、いったんロングにして様子を見る。状況は決して改善しているわけではないのだが、戻りを試しそうな雰囲気がある。まずポジションをとってみて、間違っていればロスカットすればよい。ポジションをとってから、市場の背景を分析する。これは私がもっとも尊敬する著名投資家のジョージ・ソロス氏のやり方である。
OPECはこれ以上の減産ができない状況に追い込まれており、これが原油相場を押し上げると期待するのは難しい。したがって、米国内の石油需給の改善に加え、株価の上昇などの外部要因のサポートが不可欠になるだろう。OPECにはもはや価格決定権はないと考えたほうがよさそうである。一方で、米国ではガソリン需要期が終わり、製油所の保守点検のシーズンに入る。原油在庫が積み上がりやすい時期に入る。ハリケーンが来れば、産油量が減少し、原油相場が上がる可能性はあるが、それは一過性のものにとどまるだろう。むしろ、被害が甚大になれば、需要減少のリスクが高まることになる。
相場反転の兆しが見えないが、意外なところに相場環境の変化の芽があることもある。上記の材料を注視しながら、市場動向をじっくりとみていくことが肝要である。
<石油市場の短期トレード戦略>
WTI原油:ショート
ブレント原油:ショート
RBOBガソリン:ショート
ヒーティングオイル:ショート
天然ガス:ロング
OVX:ロング
(ただし、裁量的にロングにする)
◇グローバルマクロ戦略について
本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。
世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。
このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。
「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。
本日もよろしくお願いいたします。
新刊「金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり」(プレジデント社)を出版しました。
金投資の重要性、ドルの行方、米中新冷戦の結末や覇権国家の移行、などについて解説しています。
ぜひご購読いただければと思います。
〔GLOBAL EQUITY & BOND MARKET〕
【米国株式・債券市場の市況解説・分析】
ダウ平均:28032.38(+36.78)<+0.13%>
S&P500:3385.49(-15.71)<-0.46%>
ナスダック総合指数:11050.469(-139.86)<-1.25%>
ナスダック100:11247.599(-191.28)<-1.67%>
FANG指数:5237.46(-87.14)<-1.64%>
ラッセル2000:1552.329(+14.17)<+0.92%>
VIX:26.04(+0.45)<+1.76%>
VXN:35.48(+1.69)<+5%>
SOX:2195.54(-23.65)<-1.07%>
米国株は金融緩和の長期化期待からダウ平均が小幅続伸。FRBはこの日が最終日となる2日間のFOMCで、市場予想通り、事実上のゼロ金利と量的緩和の維持を決定。併せて公表した会合参加者の経済・金利見通しで、ゼロ金利を少なくとも23年末まで続けるとの想定が示された。金融緩和長期化への期待から、ダウ平均は一時約370ドル高となった。その後のパウエルFRB議長の記者会見を経て、ダウ平均は上げ幅を削った。23年までのゼロ金利継続は織り込み済みで、議長会見も想定通りの内容だったことから、材料の出尽くし感からいったん手仕舞う動きが出た。
原油高を好感し、エネルギー株が全体をけん引。ハリケーンの到来で供給網が混乱するとの見方などから、原油相場が大幅高となった。エクソンモービルが4.3%高、シェブロンが2.9%高と堅調だった。一方、ハイテク大手は売られた。米当局がフェイスブックやグーグル親会社アルファベットを独占禁止法絡みで提訴する可能性が報じられたことが売りを誘った。フェイスブックが3.3%安、アップルが3.0%安、マイクロソフトが1.8%安、アルファベット(A株)が1.5%安と軟調だった。
フェデックスは5.8%高。四半期決算で利益が予想を上回ったことを好感した。スポティファイ・テクノロジーは1.3%安。アップルが前日、動画・音楽配信などのサブスクリプションサービスを合わせた「APPLE ONE(アップルワン)」を発表したことが重石となった。また、バンク・オブ・アメリカが1.3%高、ウォルト・ディズニーが0.7%高。
米商務省が16日発表した8月の小売売上高は5375億2600万ドルと、前月比0.6%増加した。4カ月連続のプラスとなった。変動の激しい自動車・同部品ディーラーを除くと0.7%増、ガソリンを除くと0.6%増、自動車・同部品とガソリンを除くと0.7%増だった。7月のコア小売売上高は当初発表の1.4%増から0.9%増へ下方改定された。全体の小売売上高も当初発表の1.2%増から0.9%増へ下方改定された。8月の小売売上高は、ガソリンの値上がりを受けガソリンスタンドの売上高が増えたことが一因でコア指数を上回った。
米抵当銀行協会(MBA)が16日発表した週間の住宅ローン申請は、前週比2.5%減となった。
全米住宅建設業者協会(NAHB)が16日に発表した9月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は83と、前月から5ポイント上昇し、過去最高を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリセッション下でも、過去最低水準の住宅ローン金利が引き続き住宅市場の追い風となっている。ただし、建設業者は木材など建材の価格上昇や配送遅延などを依然として懸念している。木材価格は4月中旬以降で170%を超える上昇となっており、代表的な新築一戸建て住宅の価格に1万6000ドル以上上乗せされている。
一方、低金利に支えられ、住宅建設は郊外に広がっており、建設業者は繁忙状態にある。他地域の建設業者が高密度住宅地区の顧客から移転について問い合わせを受けていることも、拡大傾向を示すもう一つの兆候とされている。9月は、現況販売指数が4ポイント上昇の88歩イント。向こう6カ月間の住宅販売予測指数も6ポイント上昇の84ポイント。潜在的な住宅購入者の見方を示す指数は9ポイント上昇の73ポイントだった。
FRBは15・16日に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0-0.25%に据え置くことを8対2で決定した。また、インフレ率が「当面、2%目標を緩やかに超える」軌道にあると判断するまで、低金利を維持する方針を示した。
FRBは先月公表した新戦略で2%を超えるインフレ率を容認。これを受け、今回のガイダンスは変更された。
パウエル議長はFOMC後の記者会見で、「米経済の回復が進むまで、政策金利を非常に緩和的な状態を維持するのがFRBの意図だ」と指摘。声明については、「経済活動を支え、インフレ率をより迅速に2%目標に回帰させる上で非常に力強い内容だ」とし、「フォワードガイダンスは持続性のあるものになる」とした。また、「米経済の回復は進行中だが、そのペースは鈍化することが予想され、FRBのほか、追加の財政支出による継続的な支援が必要」とした。
FRBは声明で、金融市場の安定化から経済の活性化に軸足をシフト。現行の少なくとも月額1200億ドルの国債買い入れを継続するが、それは将来の緩和的な金融情勢を確保するための一環と説明した。FRBは当面の米経済見通しを引き上げたものの、新型コロナウイルスの感染拡大が引き続き米経済の重石になると指摘「。新型コロナは甚大な人的・経済的困難を引き起こしている」とし、「FRBはこの困難な時期に米経済を支援するため、あらゆる措置を講じることを確約している」とした。
新たな金利・経済見通しでは、大半の当局者が、少なくとも23年まで政策金利を維持すると想定。インフレ率が同期間で2%を上回ることはないとした。パウエル議長は、「FRBはインフレ率が2%を緩やかにオーバーシュートすることに自信を持っており、コミットし、かつ決心している」と表明。ただし、「それには時間がかかる」とした。
今年の経済成長率見通しについては、マイナス3.7%と、6月予想のマイナス6.5%から落ち込み幅を大幅に縮小した。21年は4.0%、22年は3.0%とし、6月見通しのそれぞれ5.0%、3.5%から下方修正した。また、23年は2.5%とした。失業率は年末で7.6%と8月の8.4%から低下する見通し。21年は5.5%、22年は4.6%とし、6月見通しのそれぞれ6.5%、5.5%から上方修正した。23年の失業率は4%とした。FRB当局者のドットチャートによると、1人を除く全員が22年までの金利据え置きを想定。4人が23年の利上げを予想した。
声明では、「労働市場が最大雇用と一致する水準に到達し、インフレ率が2%に上昇し、当面それを超える軌道にあると判断されるまで」現在の政策金利を維持すると想定。ただ、ダラス連銀のカプラン総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がこれに反論した。カプラン総裁は、「インフレ率と雇用がFRBの目標達成に向けて軌道に乗れば、柔軟性を高めることが好ましい」と指摘。一方、カシュカリ総裁は、「全体的なインフレ率より冷え込む傾向があるコアインフレ率が持続的に2%を達するまで金利を維持すべき」とした。
経済協力開発機構(OECD)は16日、20年の世界経済の成長率見通しをマイナス4.5%に上方修正した。中国と米国の回復が堅調で、世界経済は新型コロナウイルスの感染拡大による影響から予想よりも早期に脱却できる見通し。21年の成長率見通しはプラス5%に下方修正した。6月時点では20年がマイナス6.0%、21年がプラス5.2%としていた。ただし、新型コロナの感染拡大が一段と深刻化した場合や、より厳格な感染抑制策が取られた場合、21年の成長率は2-3%ポイント低下する可能性もあるとしている。
この予想は、コロナの感染拡大が局地的なものにとどまり、抑制策も地域を限定したものになることが前提。ワクチンは来年後半まで容易に入手できないとの想定に立っている。各国政府や中銀による景気支援策により最悪の事態は回避できたが、各地で新型コロナの感染拡大は継続しているため、支援策はしばらく維持すべきとした。欧米や中国経済回復が想定よりも堅調な一方で、インドやメキシコ、南アフリカは新型コロナの封じ込めに苦戦するなど、地域間で大きな格差がみられる。
新型コロナの発生源とされる中国の20年の成長率見通しはプラス1.8%と、6月時点のマイナス2.6%から上方修正し、G20で唯一プラス成長となるとした。21年は8.0%としている。米国経済の成長率予想はマイナス3.8%。依然としてマイナス成長ではあるものの、6月時点のマイナス7.3%からは大幅に改善している。21年は4.0%とした。ユーロ圏は20年がマイナス7.9%、21年は5.1%とした。日本は20年がマイナス5.8%、21年が1.5%の予想。
米2年債利回り:0.139%(±0)
米5年債利回り:0.283%(+0.0144)
米10年債利回り:0.699%(+0.0195)
米30年債利回り:1.462%(+0.0323)
米2-10年債利回りスプレッド:-0.56%(-0.0199)
米10年債先物:139.641(-0.03)<-0.02%>
米ハイイールド債:84.59(±0)<±0%>
米10年物TIPS利回り債:-0.976(+0.01)<-1.01%>
MOVE指数:42.43(-0.63)<-1.46%>
米国債は、FRBが金利を当面はゼロ%近辺にとどめる姿勢を示したことを受け、長期債を中心に利回りが上昇し、イールドカーブがスティープ化した。FOMCを受け、インフレ期待の影響を受けやすい長期債を中心に利回りが上昇した。2年債と10年債の利回りスプレッドは56BPと、7月24日につけた33BPから大きく拡大した水準にある。
【米国株のトレード戦略】
米国株はまちまちだったが、ハイテク株が売られ、VXNが上昇している。株価下落とボラティリティ指数の上昇は、通常のリスク回避的な動きといえる。高値圏にあることや、最近の株価の不安定さを嫌気して下落に備える動きがやや活発になっている可能性がある。いつものように、1日の動きだけで判断するのは難しいが、トレンドが明確に崩れるまでは方針を維持することになろう。FANG指数やナスダック100を中心に運用するスタンスは変える必要ないだろう。
FOMCは予想通りの内容で、全くのサプライズはない。長期的な金利見通しは当たらないため、ほとんど参考にする意味はない。ただし、市場がこれを重視しているため、「仕方なく」見ているというのは本音である。いまの市場構造は複雑であり、さらにこれにコロナウイルスの影響が絡んでくる。簡単に将来を見通せるはずもない。したがって、FRB関係者の見通しを参考にするのはいいが、それ以上のものではないことを再確認しておきたい。最後は市場に聞くしかない。市場の動きを重視し、それに沿って運用していくのが賢明な対処である。
BOFAセキュリティーズが15日公表した最新の機関投資家調査によると、米ハイテクセクターにあまりにも多くの投資家が殺到し、同セクターがこれまでで最も「混み合った(CROWDED)」取引になったことが判明した。新型コロナウイルスの感染第2波が見込まれることで、ハイテクバブルが今後最大のリスクとされている。今月3日から10日まで実施された調査では、3月の底値からの値上がり局面で機関投資家は景気敏感株を「循環物色」しており、モメンタムを「追いかけて」はいないことが判明。一方、新たな強気相場にあると答えた割合は、5月時点の25%から半数超に増加した。
全体の41%は債券利回り上昇の引き金になる要素として、信頼できる新型コロナワクチンの登場が最もあり得ると回答した。また、37%はワクチン発表時期を来年第1四半期中と予想した。
短期トレード戦略は、主要株価指数のロングを維持する。中心はFANG指数である。ダウ平均もロングでよいだろう。S&P500やナスダック100などの指数もロングでも良いと考えているが、数多くの指数をロングしなくても、1つあるいは2つの指数をロングすれば実際には十分であろう。ロングの中心はやはりFANG指数である。また、短期的な見通しにだが、米大統領選も控える中、あと2カ月程度は堅調さを維持するとの見方は変わらない。もっとも、予測は当たらない。このことも十分に理解してうえで、最後は市場の動きに追随するのが賢明であることは言うまでもない。
長期的なポートフォリオ戦略では、引き続き長期的なポジションを保有する。今回はナスダック指数を買い下がったが、結果的に3回、つまり高値から5%下、7.5%下、10%下の水準までの買いにとどまった。今後もこのようにして、ポジションを増やしていく。よほどのことがない限り、保有しているポジションは利益を確定させず、維持して利を伸ばしていくつもりである。いまはまだロングの対象をナスダック100あるいはFANG指数を中心とし、これにS&P500などを加えるとよいだろう。
今後も直近高値の5%下げの水準から2.5%ずつの下落で、20回に分けて最大で50%下げても買えるように資金を調整して買い下がっていく。すでに5%、7.5%、10%下落までの買いは終わっている。今後も12.5%以下の水準を買い下がっていく。無論、高値を更新すれば、再びそこから5%下の水準で買いなおしていく。そのうえで、高値から最大で50%安つまり半値の水準まで買い下がれるように資金管理を行う。無論、この投資はETFなどで行う。レバレッジをかけないことが重要である。
繰り返すように、下げ相場では一度に買わず、10回程度に分けて買うくらいでちょうどよい。しかし、今回は20回に分けることにする。買い損なう可能性を回避するためである。これまで通り、現金を用意して急落場面を待っていれば、その機会が来るだろう。いまがその機会になる可能性もある。まずは現金の5%を投じて買い下がり始めたい。個人的には毎日バランス型およびハイテク株中心の投信を積立型で毎日買うようにセットしている。また、ナスダック100(ETFではQQQ)などを対象に買い始めたい。もちろん「金(ゴールド)」も同額を同時に買い、自動的にリスクヘッジを行うことも忘れてはならない。
米国株と金を同時に買っておくと、長期的には米国株に投資するのと同じリターンを確保しながらも、ボラティリティを抑制できる。心理的な負担がなくなるのが非常に大きい。この点はなかなか理解されないのだが、実際にそうしてみるとよいだろう。そうすれば、私がなぜ株式と金を同時に買ったほうが良いかがわかるはずである。金を買う必要性に関しては、新刊「金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり」に詳しく解説している。ぜひお読みいただければと思う。
ちなみに、投資対象だが、短期トレード戦略では先物やCFDを使い、長期ポートフォリオ戦略ではETFなどの現物を使うのがよい。長期ポートフォリオ戦略ではレバレッジをかけないのが基本である。また、いつもの繰り返しだが、すべてを株式に突っ込むことだけは避けるべきである。下げ相場で身動きが取れなくなってしまうだけでなく、せっかくの安値を買う機会を逃すことになる。下げ相場は高値から5割から最大で75%の下げまで考慮しておけば、リーマン・ショック級の下げになっても買い下がることができる。
基本的には5割下げでも買える余力を残しておけば、ほとんどのケースで報われる。資金分散・時間分散を行えば、大きな下落を利用して押し目を買い、将来に収益化することができる。常に現金を残し、下げ相場で買うことができるようにしておくことが、長期投資で資産を増やす重要なポイントである。個人的には、「株式・金・現金3分割法」が良いと考えているが、最終的にはインフレが強まっていくにつれて、現金の多くを株式と金に振り向けることになるだろう。
<米国株式市場の短期トレード戦略>
ダウ平均:ロング
S&P500:ショート
ナスダック総合指数:ショート
ナスダック100:ショート
FANG指数:ロング
ラッセル2000:ショート
VIX:ロング
VXN:ロング
SOX:ショート
【米債券トレード戦略】
米10年債先物はロングを維持し、ハイイールド債はショートの指示になっているが、物理的にできないため、少なくともロングは解消しておきたい。これらは現在の市場が「リスクオフ」の状態にあることを示している。要注意である。また、金利動向には引き続き要注目である。ハイイールド債のETFであるHYGの動きをみることで、投資家のリスク許容度が図ることができる。HYGが下げ始めたときには要注意である。
長期的なポートフォリオ戦略では、常に米国債を保有しておくとよいだろう。ただし、徐々に減らしたほうが良いだろう。これからは金と現金が優位になるとみている。株式4割、金3割、現金3割が理想的である。
<債券市場の短期トレード戦略>
米10年債先物:ロング
米ハイイールド債:ショート
米10年物TIPS利回り債:ロング
MOVE指数:ショートに転換
【欧州&その他の株式・債券市場の市況解説・分析】
FTSE:6078.48(-27.06)<-0.44%>
DAX:13255.37(+37.7)<+0.29%>
ユーロストックス50E:3338.84(+6.58)<+0.2%>
上海株価指数:3283.924(-11.76)<-0.36%>
ハンセン指数:24725.63(-7.13)<-0.03%>
H株:9845.79(+16.72)<+0.17%>
NIFTY:11604.55(+82.75)<+0.72%>
ボベスパ指数:99675.68(-622.23)<-0.62%>
ロシア株:1251.86(-1.82)<-0.15%>
ロンドン株は反落。英国とEUの緊張をはらむ離脱交渉が引き続き注視された。ポンド高により輸出銘柄が売られた。EUの執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、英国がEU離脱協定を修正する法案を推し進める中、貿易の取り決めで合意する可能性が日々薄れているとした。この日新規株式公開(IPO)を果たした電子商取引ザ・ハット・グループは25.0%急騰した。英国企業として13年以来の大規模なIPOとなった。一方、通期利益が減ったことが嫌気された住宅建設のレッドロウは1.8%安だった。
市場はBOEの17日の政策決定会合に注目している。
欧州株は続伸。「ザラ」を傘下に持つスペインのアパレル大手インディテックスが好決算を発表し、小売株が広範に買われた。インディテックスは8.1%上昇。オンライン売り上げが大幅に増えているほか、店舗の売り上げも回復しており、業績の正常化に向けて進展しているとしたことが好感された。STOXX600小売株指数は1.31%上昇した。
イギリス10年債利回り:0.213%(-0.006)
ドイツ10年債利回り:-0.479%(+0.002)
フランス10年債利回り:-0.219%(-0.011)
イタリア10年債利回り:0.973%(-0.026)
スペイン10年債利回り:0.262%(-0.011)
ポルトガル10年債利回り:0.296%(-0.007)
ギリシャ10年債利回り:1.066%(-0.027)
ユーロ圏債券はイタリア10年債利回りが3月上旬以来の水準まで低下。ECBの複数の当局者は、必要に応じてなお追加緩和の余地があるとの認識を示した。この日は南欧諸国の国債が買われた。
ECBのシュナーベル専任理事は、ユーロ圏の物価がECBの目標に向かって上昇しない場合は、政策を調整する用意があると示唆した。シュナーベル氏は、「為替相場はECBの政策目標ではない」と改めて強調。足元のユーロ相場高を踏まえ、「為替相場の動きを含め、発表される情報を注意深く監視し続けている」とした。ECBは新型コロナウイルスの流行を受け、緊急的な金融政策措置による需要の喚起を目指してきた。シュナーベル氏は、「そうした狙いに沿わない場合は、行動に移す用意がある」とした。さらに、「コロナ危機前の水準に素早く戻るようなV字型の経済回復は見られない。時間がかかるが持続的な回復が確認され、それはインフレ見通しについても当てはまる」とした。
英国民統計局が16日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.2%の上昇となった。15年12月以来、4年9カ月ぶりの低水準で、1.0%の上昇を記録した7月から大幅に減速した。エネルギー、食品、アルコール飲料、たばこを除いたコア指数の上昇率も0.9%と、7月の1.8%から大きく落ち込んだ。
EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は16日、「英国との新たな通商協定を結ぶ可能性が日ごとに低下していると」し、「年末までに準備を整えるために残された時間はきわめて少ない」と英国に警告した。委員長は欧州議会で「一般教書演説」を行い、日々が過ぎるにつれて「時宜にかなった合意の可能性が低下している」とし、「EUと英国の双方がブレグジット協定を交渉・批准した」と強調。「協定は一方的に変更・無視したり、非適用としたりすることはできない」と英国に警告した。
また、「これは法、信頼、誠意の問題であり、信頼は強固なパートナシップの基盤だ」とし、EUが離脱協定を撤回することは決してないと付け加えた。演説でブレグジットに触れたのはごくわずかにとどまり、大半は新型コロナウイルス流行からの景気回復のほか、デジタルや気候関連の投資に焦点が当てられた。
EU統計局が16日発表した7月のユーロ圏対外貿易収支の速報値は279億ユーロの黒字となった。前年同月は232億ユーロの黒字。EU全体では、258億ユーロの黒字(前年同月は202億ユーロの黒字)。ユーロ圏の輸出は前年同月比10.4%減の1852億ユーロ、輸入は14.3%減の1573億ユーロ。EU全体は輸出が11.3%減の1685億ユーロ、輸入は16.0%減の1426億ユーロ。ユーロ圏の域内貿易は8.6%減の1537億ユーロ、EU全体は7.4%減の2392億ユーロ。
【主要株式指数トレード戦略】
FTSE、DAX、ハンセン指数、NIFTY、ボベスパ指数、ロシア株の戦略は下記を参考にしてほしい。様々な株式指数にも分散してトレードすると、他の銘柄の収益がポートフォリオ全体を助けてくれるだろう。世界の株式市場全体のトレンドを確認するために利用していただければ幸いである。資金的に余裕があれば、トレード対象に入れておくとよいだろう。
<主要株式市場の短期トレード戦略>
FTSE:ロング
DAX:ロング
ユーロストックス50E:ロング
上海株価指数:ショート
ハンセン指数:ショート
H株:ショート
NIFTY:ロング
ボベスパ指数:ショート
ロシア株:ショート
【日本株式・債券市場の市況解説・分析】
シカゴ日経平均先物:23350(-30)<-0.13%>
日経平均株価:23475.53(+20.64)<+0.09%>
TOPIX:1644.35(+3.51)<+0.21%>
マザーズ指数:1181.23(+28.89)<+2.51%>
日経平均先物(第1限月):23300(-20)<-0.09%>
TOPIX先物(第1限月):1629.5(-0.5)<-0.03%>
マザーズ先物(第1限月):1136(+28)<+2.53%>
国債先物(第1限月):151.99(-0.01)<-0.01%>
日経VI:20.84(+0.18)<+0.87%>
東証リート指数:1739.13(+21.86)<+1.27%>
日本2年債利回り:-0.146%(-0.004)
日本5年債利回り:-0.11%(-0.006)
日本10年債利回り:0.014%(±0)
日本株は小幅反発。FOMCの結果発表を控えて取引が細る中、押し目買いがやや優勢だった。62%の銘柄が値上がりし、値下がりは34%。出来高は11億6886万株、売買代金は2兆1398億円。東京株式市場は相場全体の方向感が定まらなかった。米国の金融政策を決めるFOMCの結果発表を日本時間17日未明に控えて取引は盛り上がらず、日経平均株価の上昇は小幅にとどまった。時間外取引の米国株価指数先物の堅調な動きから、前日に値下がりした銘柄を中心に押し目買いが入った。
しかし、ドル円が105円台前半の円高・ドル安で推移したため、円高が業績悪化につながる輸出関連株を中心に上値は重かった。16日午後の取引時間中、自民党の菅義偉総裁が臨時国会で首相に指名された。市場では、菅首相による追加経済対策への期待から、当面は底堅い相場になるとの声が聞かれた。
自民党の菅総裁は16日召集の臨時国会で、第99代首相に指名された。この後、直ちに組閣に着手。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、自民、公明両党連立による菅内閣が発足した。首相交代は7年9カ月ぶり。派閥に属さず、世襲議員でもない首相は自民党政権で事実上初。菅新首相は官房長官として支えた安倍政権の継承を旗印に、新型コロナウイルスの感染収束と日本経済の立て直しに全力を挙げる。安倍前首相が掲げた「戦後外交の総決算」も目指す考えである。
首相指名選挙で菅氏は、衆院で314票、参院で142票と、ともに1回目の投票で過半数を獲得した。この後、公明党の山口代表との党首会談を経て、組閣本部で新内閣の陣容を決定。官房長官に加藤前厚生労働相を起用し、目玉政策の推進役として行政改革担当相に河野前防衛相、デジタル改革担当相に平井元科学技術担当相を充てた。沖縄基地負担軽減担当と拉致問題担当は加藤氏、沖縄・北方担当は河野氏が兼務する。安倍政権との継続性も重視し、麻生副総理兼財務相ら8閣僚は再任した。
菅首相は16日夜、就任後初の記者会見で、「新型コロナウイルスの危機を乗り越え、国民が安心した生活を取り戻すため、安倍政権の取り組みを継承して前に進めることが私の使命だ」とした。また、「経済再生は最重要課題だ」とし、金融緩和、財政投資、成長戦略のアベノミクスを継承し、一層の改革を進めるとした。一方、安倍政権で批判を浴びた「桜を見る会」は来年以降、中止するとした。
自民党内で待望論が出ている早期の衆院解散については、「今国民が求めているのは早期のコロナ収束と経済立て直しの両立で、まず感染拡大防止と経済の両立に全力で取り組む」と強調し、「まずは経済回復に専念したい」とした。「1年以内に解散・総選挙がある。時間の制約も視野に入れて考えていきた」ともした。自民党総裁選の最中から掲げてきた省庁の縦割り打破に関して、「規制改革を政権のど真ん中に置く」とし、行政改革担当相に就任した「河野大臣と取り組む」との方針を示した。規制改革の一環として「縦割り110番」の設置検討を河野担当相に指示したことを明らかにした。
行政のデジタル化について「複数の省庁に分かれている関連政策を取りまとめ、強力に進める体制としてデジタル庁を新設する」と表明した。外交では「戦後外交の総決算を目指し、拉致問題の解決に取り組む」と発言。「拉致問題は安倍政権同様に政権の最重要課題だ」とし、「不退転の決意で自ら先頭に立って対応する」とした。拉致被害者の横田めぐみさんの父・滋さんが死去したことに対して「本当に申し訳ない」と陳謝した。
森友・加計学園問題などに関し、「安倍政権に対してはさまざまな指摘があり、客観的におかしなことは直していく必要がある」としつつ、森友問題に関する文書改ざん事件は財務省の調査、検察の捜査を経て解決済みとの従来の見解を繰り返した。来年以降「桜を見る会」を中止する理由については、「コロナ対策に集中する必要があるためで、桜を見る会の予算要求については、従来から否定的な見解を安倍前首相にも伝えてきた」とした。
財務省が16日発表した8月の貿易統計速報によると、輸出額は前年同月比14.8%減の5兆2327億円だった。減少幅は縮小傾向にあるものの、新型コロナウイルスの影響が強く残り、2桁減が続いている。一方、中国向けの輸出は2カ月連続のプラスだった。輸入は、原油や液化天然ガスなどエネルギー関連が大幅に減少し、20.8%減の4兆9844億円。この結果、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2483億円の黒字となった。黒字は2カ月連続。
輸出の減少は21カ月連続。5月の28.3%減をピークに、6月の26.2%、7月の19.2%、8月とマイナス幅の縮小が続くが、財務省は「本当に需要が戻ってきたのか、今までの反動的かを見ていかないといけない」としている。輸出の内訳を見ると、自動車が19.4%、軽油など鉱物性燃料が68.8%、船舶が57.3%それぞれ減少。仕向け地別では、米国が原動機や医薬品を中心に21.3%減の9369億円、EUは19.2%減の4763億円だった。一方、中国は5.1%増の1兆2616億円。半導体等製造装置が35.6%、非鉄金属が81.4%それぞれ大幅に増えた。
【日本株のトレード戦略】
日経平均先物は夜間取引で小動きだった。ドル円が105円を割り込んだが、それほど影響はしていないようである。AI運用が「円高=株安」と判断しなくなっているのか、今日の東京市場の動きも確認してみたい。そもそも、「円安=株高」を刷り込んだのはアベノミクスである。その発想自体が正しいとは言えない。輸出企業が中心ではなくなってきていることも事実である。ソニーのように、円高の方が良い企業もある。市場はそろそろ円高否定の発想をやめるべきであろう。
最も、菅政権がアベノミクスを継承するとしている。今後も円安志向と日銀によるETF買いは続きそうである。しかし、この政策を継続しているうちは、日本の本物の力を想像するのは難しいだろう。政府・日銀が支えてくれるという発想を持って対処することは、結局は「社会資本主義」に乗っていることになる。投資家は政策には逆らえないが、そろそろ政府・日銀も市場の本質を理解し、大胆な発想の転換=本来の市場機能の回復を志向すべきではないかと考える。そうしたほうが、海外勢が
日本株を買おうという発想になりやすいだろう。
さて、16日に菅政権がスタートした。「安倍政権の継承」を掲げた菅首相が起用した閣僚は前政権からの再任や横滑りが目立ち、新味の乏しい布陣という印象が強い。人事の過程では派閥の意向を受け入れ、安倍前首相が築いた「1強」政治に変化の兆しも見られる。菅政権がどこまで独自色を発揮できるかは未知数である。菅首相は人事について「思い切って私の政策に合う人を登用する」と語っていたが、実際に入れ替えはわずかで、ほぼそのまま引き継いだ格好である。
麻生副総理兼財務相や茂木外相ら8人が再任され、官房長官に就いた加藤氏ら3人が別ポストに移動。閣僚20人の過半数が「続投」である。再入閣の4人も第2次安倍政権以降に菅首相と閣僚として共に仕事をした間柄で、目玉人事は見当たらない。先の自民党総裁選勝利に貢献した二階派からはポストの要求で圧力もあったもよう。同派は今回、「平沢氏の初入閣が最優先」との立場を崩さなかったとされる。菅首相は「入れたくない」としていたが、最終的に復興相に起用に追い込まれた。
細田派とも難しい調整を強いられた。萩生田文部科学相を党政調会長に起用する案も浮上したがうまくいかず、文科相に再任させることで決着した。安倍氏の実弟である同派の岸信夫氏を初入閣させたことは、同派に強い影響力を持つ安倍氏を意識したと見る向きもある。麻生派が求めていた井上氏の初入閣もかなえられた。無派閥で党内基盤が弱い菅氏としては党側との協調を重視せざるを得ない。とりわけ菅首相の後ろ盾として「総裁派閥」を自任する二階派の影響力は強まりそうである。
一方、自らの選択肢が狭まる中、独自色をにじませた配置もある。菅首相は「既得権益やあしき前例主義を打破する」として徹底した規制改革を進める意向を示しており、この分野ではこだわりを見せている。発信力のある河野防衛相を行政改革担当相に据え、IT政策通の平井元科学技術担当相をデジタル改革担当相に据えた。菅首相は周辺に「ぶち壊すのを河野氏と平井氏にやってもらう」ともらしている。IT政策を包括する「デジタル庁」創設を目玉政策に掲げており、各省庁に分散するデジタル関係の権限を集約するために両氏の突破力に期待。政権の成果を打ち出したい考えである。
再入閣した小此木国家公安委員長は、総裁選の選対本部長を務めていたほか、河野氏や小泉環境相は同じ神奈川県選出で関係が近い。そのため、派閥に遠慮したと見せかけ、自分との近さで選んだ人事もあるとみられる。今回の人事では初入閣が5人にとどまった。前政権は、河井元法相や菅原元経済産業相の「政治とカネ」の問題などで揺れた。初入閣組の不祥事や失言が政権に打撃を与えた例は少なくない。しかし、今回の人事に関して、自民党関係者は「慎重な菅氏らしい、手堅い人事だ」と評している。このため、党内では「選挙をやる布陣ではない」との声が上がっている。
菅首相は新型コロナウイルス感染の収束を優先させる立場を示していることもあり、早期の衆院解散・総選挙は遠のいたとの見方も出ている。来年までの政治日程を見渡すと、解散に余裕がありそうなのは今年10-11月である。そのため、今秋の解散説がくすぶり続けている。新内閣の「鮮度」が高く、野党が十分な準備を整える時間的余裕がないという事情もある。12月に入ると21年度予算編成が本格化する上、冬場は新型コロナとインフルエンザが同時流行する恐れもある。来年は、夏に公明党が国政選挙並みに力を注ぐ東京都議選、東京五輪・パラリンピックと続き、9月末には菅氏の総裁任期が切れる。
衆院任期満了に近づく「追い込まれ解散」を回避するには、1月の通常国会冒頭、遅くとも3月末に見込まれる21年度予算成立直後しかない。解散は首相の専権事項とはいえ、与党の意向は無視できないだろう。自民党の二階幹事長は「首相自身が熟慮してご判断されればいいことだ」とした上で、「党はいつ解散があっても対応できるよう準備を整えている。あしたからでも結構だ」と常在戦場の構えを見せた。公明党は支持母体の準備不足などを理由に、早期解散に慎重な立場を崩していない。しかし、解散は「風」次第である。雰囲気が変われば、あっという間に解散まで進むだろう。
日銀は17日、前日に続き金融政策決定会合を開き、新型コロナウイルス禍を受けて導入した企業の資金繰り支援策の効果を点検する。長短金利操作を柱とする大規模な金融緩和は維持することになる。国内経済については、7月会合で「きわめて厳しい状態にある」とした景気判断の見直しを議論する。午後には黒田総裁が記者会見し、金融政策や景気認識について説明。菅内閣発足を受け、政府との連携に関する発言も注目しておきたい。
4-6月期の実質GDPは年率換算で前期比28.1%減と、戦後最悪の下落を記録している。会合では、「足元の生産や輸出の持ち直しなどを踏まえ、国内経済が政府の経済対策の効果に支えられ、今年後半から徐々に改善していく」との見通しに沿って推移しているかを確認する。日銀は3月以降、コロナの影響に苦しむ企業の資金繰りを支援するため、金融機関への特別な資金供給策や社債・コマーシャルペーパー(CP)の買い入れ枠の拡大を相次いで打ち出している。
短期トレード戦略は、日経平均株価、TOPIX、マザーズ指数をロングしている。マザーズ指数が再び活況になっている。デジタル改革担当を設置したことで、ハイテク関連への期待が高まっているようである。マザーズ指数で収益を伸ばしていきたいところである。その他の指数もトレンドが崩れるまで、ポジションを維持して利を伸ばしていきたい。菅政権が誕生したが、市場がどの程度評価するのか、じっくりとみていきたい。しがらみに縛られず、大胆に政策を推し進めることができれば、歴史的な大相場に発展する可能性もありそうである。また、解散が視野に入れば、一気に株価が吹き上がる可能性もあるだろう。
長期ポートフォリオ戦略の考え方は変わらない。今回の買い下がりは22325円以下をめどに開始したいと考えている。そこから徐々に買い下がっていく方針である。米国株と同様に、2.5%刻みでの買い下がりを考えている。20回に分けて買えるように資金を分散する。買いのターゲットは22325円、21735円、さらに21150円、20560円となろう。PBRが1倍の水準は21000円前後であり、この辺りがかなり固いサポートになりそうである。さらに、0.8倍の水準である16800円以下は考えづらい。ここまで買い下がれる資金を残しておけば十分であろう。
毎回の繰り返しだが、いつ急落するかは誰にもわからない。すぐに買えるように備えだけはしておきたい。相場は何があるかわからない。そのため、常に資産全体の3割は現金で残しながら、安値での買いに備えておきたい。すべての資金を現時点で投資することは避けるべきである。投資機会は必ずやってくる。焦って高値を買わず、深い押し目を待つことが長期投資を行ううえでもっとも重要なことである。BPS以下になれば、徐々に買い下がっていくための資金は、常に手元に残しておく。投資可能な資産の3割を現金にしておけば、大きな下げで買い出動ができる。
<テクニカル指標>
騰落レシオ:25日平均114%/6日平均150%
PER:22.29倍/EPS:1053(参考値)
PBR:1.11倍/BPS:21149円(参考値)
空売り比率:38.0%(低下)
新高値銘柄数:108/新安値銘柄数:0(強気パターンを維持)
日経VI:20.84(上昇)
ドル建て日経平均:222.85ドル(節目の200ドルを維持)
NT倍率:14.28倍(高止まり、日経平均はTOPIXに対して超割高)
信用倍率(9月11日時点):2.41倍(先週の2.55倍から低下、売り残金額減少/買い残金額増加)
信用評価損率(9月11日時点):13.36%(前回13.79%からさらに改善)
投資主体別売買動向(9月4日時点)
海外投資家:125億0500万円の売り越し
個人投資家:501億9700万円の買い越し(現物544億9500万円の売り越し、信用1046億8100万円の買い越し)
投資信託:167億7000万円の買い越し
信託銀行:314億3100万円の買い越し
証券自己:1109億3800万円の売り越し
<日本株の短期トレード戦略>
シカゴ日経平均先物:ロング
日経平均株価:ロング
TOPIX:ロング
マザーズ指数:ロング
日経平均先物(第1限月):ロング
TOPIX先物(第1限月):ロング
マザーズ先物(第1限月):ロング
国債先物(第1限月):ロング
日経VI:ショート
東証リート指数:ロングに転換
日経レバレッジ(1570):ロング
日経ダブルインバース(1357):ショート
TOPIXレバレッジ(1367):ロング
TOPIXダブルインバース(1368):ショート
マザーズETF(2516):ロング
日経VI(2035):ショート
VIX短先物(1552):ショート
リートETF(1343):ロングに転換
NYダブルブル(2040):ロング
NYダブルベア(2041):ショート
ISHARES S&P500(1655)ショート
NASDAQ(1545):ショート
〔CURRENCY MARKET〕
ドル円:104.94(-0.49)<-0.46%>
ユーロドル:1.1814(-0.0031)<-0.26%>
ポンドドル:1.2965(+0.0079)<+0.61%>
豪ドル/米ドル:0.7305(+0.0004)<+0.05%>
NZドル/米ドル:0.6731(+0.001)<+0.15%>
米ドル/カナダドル:1.3176(-0.0005)<-0.04%>
ユーロ円:123.99(-0.92)<-0.74%>
ポンド円:136.07(+0.24)<+0.18%>
豪ドル円:76.64(-0.33)<-0.43%>
NZドル円:70.63(-0.12)<-0.17%>
カナダドル円:79.63(-0.31)<-0.39%>
ユーロポンド:0.911(-0.008)<-0.87%>
ユーロ豪ドル:1.617(-0.0057)<-0.35%>
ポンド豪ドル:1.7747(+0.0101)<+0.57%>
ユーロNZドル:1.7549(+0.1322)<+8.15%>
ポンドNZドル:1.9261(+0.1615)<+9.15%>
ユーロカナダドル:1.5569(-0.0053)<-0.34%>
ポンドカナダドル:1.7086(+0.0095)<+0.56%>
豪ドルNZドル:1.0848(-0.0023)<-0.21%>
豪ドルカナダドル:0.9621(-0.0004)<-0.04%>
NZドルカナダドル:0.8869(+0.0008)<+0.09%>
ドルスイスフラン:0.9092(+0.0012)<+0.13%>
スイスフラン円:115.41(-0.7)<-0.6%>
ユーロスイスフラン:1.0744(-0.0012)<-0.11%>
ポンドスイスフラン:1.1791(+0.0085)<+0.73%>
豪ドルスイスフラン:0.6643(+0.0013)<+0.2%>
NZドルスイスフラン:0.612(+0.0017)<+0.28%>
カナダドルスイスフラン:0.6903(+0.0016)<+0.23%>
メキシコペソ/米ドル:20.929(-0.214)<-1.01%>
メキシコペソ円:5.0069(+0.0277)<+0.56%>
トルコリラ/米ドル:7.5054(+0.02)<+0.27%>
トルコリラ円:13.9745(-0.074)<-0.53%>
南アランド/米ドル:16.2281(-0.2036)<-1.24%>
南アランド円:6.4606(+0.052)<+0.81%>
米ドル/ブラジルレアル:5.2377(-0.0371)<-0.7%>
米ドル/ロシアルーブル:74.5875(-0.3025)<-0.4%>
ロシアルーブル円:1.3964(-0.0062)<-0.44%>
米ドル/オフショア人民元:6.7444(-0.0355)<-0.52%>
オフショア人民元円:15.5559(+0.015)<+0.1%>
ドル円は急落。米国のゼロ金利政策の長期化観測を背景に円買い・ドル売りが優勢となり、105円割れとなった。FRBによる追加緩和策への期待などから朝方に円買い・ドル売りが加速。ドル円は7月末以来、約1カ月半ぶりに104円台後半に下落した。8月の米小売売上高が前月比0.6%増と、市場予想の1.0%増を下回ったこともドル売りを後押しした。ドル円は一時104.81円と、2カ月半ぶりの高値を付けた。
FRBは事実上のゼロ金利政策と量的緩和策の据え置きを発表。ゼロ金利を少なくとも23年末まで維持する方針を示唆した。今年の経済成長率見通しがマイナス6.5%からマイナス3.7%に引き上げられたことなどを受けて、一時ドル買いに傾く場面があったものの、総じて円高・ドル安の流れが継続した。ドル指数は0.07%高の93.19。ユーロドルは下落した。
一方、オフショア人民元は対ドルで6.7426元に上昇し、昨年5月以来の高値を更新。前日発表された8月の中国鉱工業生産が8カ月ぶりの高い伸びを記録し、小売売上高が今年初めてのプラスとなったことを受け、他国が米国より速いペースでコロナ禍からの景気回復を遂げるとの見方が広がり、ドルへの圧迫材料となっている。
ニュージーランド(NZ)統計局が16日発表した4-6月期の経常収支は、4億8200万NZドルの黒字となり、前期の13億8100万NZドルの赤字から転換した。モノの収支が黒字化したことが寄与し、09年以来の経常黒字を計上した。モノとサービスの収支は21億5800万NZドルの黒字(前期は4億4600万NZドルの黒字)だった。
【通貨トレード戦略】
ドル円は急速に円高圧力が強まっている。FOMCは予想通りの内容だったが、そのかなり前の段階から円高が進んでおり、やや仕掛け的な動きにも見える。市場では、菅政権への不透明感から売られたとの解説もあるようだが、いまだに不透明感=円高の発想である。これ自体は正しいとは思えないが、市場がそのように判断しているのだから仕方がない。もっとも、FRBによる緩和余地がかなり狭まっている中、日銀はさらに政策余地がない。両者ともに手詰まりの中、金利を背景に為替が動くのは難しくなっていることだけは確かであろう。
そうなると、頼りは政治的な動きであろう。アベノミクスと継承するとしている菅政権が、今後も「円安=株高政策」を志向するのかどうかを確認する必要がある。円安が株高をもたらしているわけではないのだが、この貧困な発想が日本経済をだめにしていることを、早い段階で理解し、これまでの発想と行動を変革することができれば、よい円高が進むことになるだろう。しかし、それは今回の古い政治が継承される内閣の顔ぶれを見れば、ほとんど期待できないだろう。目先は105円がレジスタンスになってくると、100円を目指す動きが加速してもおかしくないだろう。
ユーロドルは上値を抜け切れずに下げている。あまり良い動きではない。いったんは下値を試しそうな雰囲気である。1.17ドル前後までの調整は視野に入れておきたい。そこで下げ止まれば、再び上昇に転じる可能性は残るだろう。
ポンドドルは反発基調が続いている。英国のEU離脱交渉の難航はひとまず織り込んで、目先は売られすぎの解消が進んでいるようである。1.27ドル割れを回避して上げており、これも買い戻しを誘発しやすい。ただし、1.31ドルで打たれるようだと、再び下げに転じる可能性が残るだろう。
豪ドルは堅調さを維持している。値動きはあまりないが、中国の経済データの改善傾向などを背景に上昇基調は続いている。このトレンドに乗っておくのが賢明である。0.7360ドルを超えてくると、再び上昇圧力が強まりそうである。NZドルも堅調である。ただし、買われすぎになっている点には注意しておきたい。
通貨取引はトレンドフォローで行い、「強い通貨を買い、弱い通貨は売る」ことが重要である。逆張りトレードは避けるべきというのが基本的な考え方である。
主要通貨ペアの戦略をまとめると、現在の主要通貨のポジションは以下の通りになる(前日から変わらず)。
USD(米ドル):-5
JPY(円):+3(+2)
EUR(ユーロ):-1
GBP(ポンド):-7
AUD(豪ドル):+5
NZD(NZドル):+7
CAD(カナダドル):-3
CHF(スイスフラン):+1(-2)
<通貨市場の短期トレード戦略>
ドル円:ショート
ユーロドル:ロング
ポンドドル:ショート
豪ドル/米ドル:ロング
NZドル/米ドル:ロング
米ドル/カナダドル:ショート
ユーロ円:ショート
ポンド円:ショート
豪ドル円:ロング
NZドル円:ロング
カナダドル円:ショート
ユーロポンド:ロング
ユーロ豪ドル:ショート
ポンド豪ドル:ショート
ユーロNZドル:ショート
ポンドNZドル:ショート
ユーロカナダドル:ロング
ポンドカナダドル:ショート
豪ドルNZドル:ショート
豪ドルカナダドル:ロング
NZドルカナダドル:ロング
ドルスイスフラン:ショート
スイスフラン円:ショートに転換
ユーロスイスフラン:ショート
ポンドスイスフラン:ショート
豪ドルスイスフラン:ロング
NZドルスイスフラン:ロング
カナダドルスイスフラン:ショート
メキシコペソ/米ドル:ショート
メキシコペソ円:ロング
トルコリラ/米ドル:ロング
トルコリラ円:ショート
南アランド/米ドル:ショート
南アランド円:ロング
米ドル/ブラジルレアル:ショート
ブラジルレアル円:ロング
米ドル/ロシアルーブル:ロング
ロシアルーブル円:ショート
米ドル/オフショア人民元:ショート
オフショア人民元円:ロング
〔COMMODITY MARKET〕
【貴金属市場の市況解説・分析】
金:1959.318(+3.8)<+0.19%>
銀:27.33(+0.09)<+0.35%>
プラチナ:968.73(-9.47)<-0.97%>
パラジウム:2399.428(-10.61)<-0.44%>
金相場は上昇。FRBは新型コロナウイルス危機からの経済回復を支援するため、ハト派的な金融政策のスタンスを維持するとしたことで、堅調さを維持している。
【貴金属のトレード戦略】
金相場は徐々に下値を切り上げている。テクニカル面では買われすぎ感があるものの、1970ドルを超えると一気に吹き上がる可能性は依然として残っていると考えている。そろそろ大きな動きになってもおかしくないだろう。FOMCの影響はほとんどなかったが、低金利政策の継続が23年までコミットされたことは、金相場には非常に大きいといえる。市場はこの点を全く織り込んでいないだろう。いずれ大きく上昇することを想定しつつ、いまからでも粛々と金のポジションを積み上げておきたい。
私は「株式・金・現金」の3分割法を推奨している。株式を購入するときに同時に金を買う。個人投資家にはシンプルでよいだろう。株式は米国を中心とした株式指数ETFで十分である。金は現物・ETFで保有することができる。現金は株価や金が下げたときに買い増すときに利用する。いまは債券投資には妙味がない。金を利用したほうが良い。賢者は金を推奨している。株式投資の際に同額の金を買うというのは、きわめて理にかなっているのである。
金に関する詳しい解説は、新刊「金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり」に詳しく解説されているため、ぜひご購読いただければと思う。
<貴金属市場の短期トレード戦略>
金:ロング
銀:ロング
プラチナ:ロング
パラジウム:ロング
【非鉄市場の市況解説・分析】
アルミ:1793(-0.5)<-0.03%>
銅:6792(+34)<+0.5%>
ニッケル:15215(-25)<-0.16%>
亜鉛:2525.5(+23)<+0.92%>
鉛:1892(-17.5)<-0.92%>
COMEX銅:3.058(-0.005)<-0.16%>
<LME在庫(前日比)>
アルミ:1510400トン(-3525トン)
銅:78900トン(+350トン)
ニッケル:237276トン(+96トン)
亜鉛:219625トン(-75トン)
鉛:136675トン(+6325トン)
ロンドン非鉄市場は銅相場が堅調。最大の非鉄消費国である中国での製造業の活動や鉄鋼の生産、インフラ建設などの加速が背景にある。中国の需要が持ち直しているとみられている。また、この日は亜鉛が急伸。LME在庫が低下していることなどが材料視され、さらに中国の需要回復と人民元高を背景に約1年4カ月ぶりの高値に迫っている。9月1日には約1年4カ月ぶりの高値となる2583ドルをつけている。亜鉛は3月の安値から34%反発している。
【非鉄のトレード戦略】
非鉄相場は高値圏を維持している。世界的な経済の回復に加え、中国の需要拡大への期待を背景に買いの勢いは衰えていないといえる。株価が堅調に推移していれば、非鉄相場も堅調さを維持できるだろう。どの銘柄もいずれ直近高値の更新が視野に入ってきそうである。
<非鉄金属市場の短期トレード戦略>
アルミ:ロング
銅:ロング
ニッケル:ロング
亜鉛:ロング
鉛:ショート
COMEX銅:ロング
【エネルギー市場の市況解説・分析】
WTI原油:40.18(+1.9)<+4.96%>
ブレント原油:42.22(+1.69)<+4.17%>
RBOBガソリン:1.1965(+0.0584)<+5.13%>
ヒーティングオイル:1.1163(+0.017)<+1.55%>
天然ガス:2.253(-0.109)<-4.61%>
OVX:41.13(-4.06)<-8.98%>
<米エネルギー情報局(EIA)週間石油在庫統計>
原油在庫:-439万バレル(496百万バレル)
クッシング在庫:-7万バレル(54.28百万バレル)
原油生産量:+90万バレル(日量1090万バレル)
原油輸入:-41万バレル(日量501万バレル)
原油輸出:-35万バレル(日量260万バレル)
ガソリン在庫:-38万バレル(232百万バレル)
ガソリン需要:+9万バレル(日量848万バレル)
ディスティレート在庫:+346万バレル(179百万バレル)
ディスティレート需要:-90万バレル(日量281万バレル)
石油製品需要:-165万バレル(日量1703万バレル)
製油所稼働率:+4%(75.8%)
原油相場は続伸し、4%超上昇。米国の原油とガソリン在庫が減少し、ハリケーン「サリー」の影響で、米国の海底油田が生産を停止したことが相場を押し上げた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した前週の米国内の原油在庫は440万バレル減の4億9600万バレルと、4月以来の低水準となった。市場予想は130万バレル増だった。また、ガソリン在庫は40万バレル減で、減少幅は市場予想の2倍超。製油所稼働率は4%ポイント上昇した。
米内務省によると、米メキシコ湾では「サリー」の影響で、おおよそ日量50万バレルの原油生産が停止した。これは8月のハリケーン「ローラ」接近時の約3分の1に相当する。一方、OPECと非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は、17日に共同閣僚監視委員会(JMMC)を開催し、協調減産の状況を点検する。原油相場は低迷しているが、追加減産を発表する可能性は低い見通し。
国際エネルギー機関(IEA)は15日公表の月報で、新型コロナウイルスのパンデミックに伴う経済低迷からの回復ペースについての慎重な見方を背景に、20年の世界石油需要予想を8月予想から日量20万バレル引き下げ、9170万バレルに下向き改定した。IEAは月報で、「20年下半期には石油需要の回復ペースが著しく減速する見通しだ」とし、「経済が本格回復するには数カ月を要するだろう。さらに、新型コロナ第2波により人の移動が再び抑制される可能性もある」との見解を示した。
月報は、新型コロナ禍が再拡大している国も多く、1)ロックダウン措置、2)リモートワークの継続、3)航空需要の減退といった全ての要因が石油需要を抑えているとしている。20年下半期の原油在庫は日量約340万バレル減と、先月見通しを約100万バレル下回る水準に改定。先進国での在庫水準は7月に過去最高を更新している。
一方、8月の世界の石油供給量は、OPECプラスの協調減産が緩和されたため、日量110万バレル増加した。OPECプラス以外の産油国では2カ月連続で生産が増加した後、減少に転じた。米国の生産量はハリケーン「ローラ」による石油関連施設の閉鎖で同40万バレル減少した。
【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油とブレント原油はロングにする。トレンドから判断する戦略ではまだショートが有利と判断できるが、目先は底打ちの家のせいがありそうである。すでに底値で買い戻せており、余裕もあるため、いったんロングにして様子を見る。状況は決して改善しているわけではないのだが、戻りを試しそうな雰囲気がある。まずポジションをとってみて、間違っていればロスカットすればよい。ポジションをとってから、市場の背景を分析する。これは私がもっとも尊敬する著名投資家のジョージ・ソロス氏のやり方である。
OPECはこれ以上の減産ができない状況に追い込まれており、これが原油相場を押し上げると期待するのは難しい。したがって、米国内の石油需給の改善に加え、株価の上昇などの外部要因のサポートが不可欠になるだろう。OPECにはもはや価格決定権はないと考えたほうがよさそうである。一方で、米国ではガソリン需要期が終わり、製油所の保守点検のシーズンに入る。原油在庫が積み上がりやすい時期に入る。ハリケーンが来れば、産油量が減少し、原油相場が上がる可能性はあるが、それは一過性のものにとどまるだろう。むしろ、被害が甚大になれば、需要減少のリスクが高まることになる。
相場反転の兆しが見えないが、意外なところに相場環境の変化の芽があることもある。上記の材料を注視しながら、市場動向をじっくりとみていくことが肝要である。
<石油市場の短期トレード戦略>
WTI原油:ショート
ブレント原油:ショート
RBOBガソリン:ショート
ヒーティングオイル:ショート
天然ガス:ロング
OVX:ロング
(ただし、裁量的にロングにする)
◇グローバルマクロ戦略について
本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。
世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。
このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。
「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。
×
よろしいですか?