【無料全文公開】トラッキングトレード入門|第13回 複数のテクニカル分析を組み合わせた相場予想[斉藤学]
斉藤学さんプロフィール
サラリーマンをしつつ、独自の手法を開発したFXで短期間に爆発的な利益を獲得。その経験を基に、書籍やDVD、記事執筆、セミナー講師など、多方面でFX情報を配信中。著書に『マナブ式 FX トラッキングトレード入門』(実業之日本社)など。
公式ブログ:https://fxblog1.com/
※この記事は、FX攻略.com2017年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
テクニカルの複合で利益が大幅アップ!
ドルはなんといっても「世界の基軸通貨」ですから、大きなニュースがあれば価格変動幅も大きくなります。裁量トレードでは様子見するべきそんな場面でも、トラッキングトレードを使えばこのボラティリティを活かして利益を大きく増やすことができます。
今回は、複数のテクニカル分析を組み合わせて相場を予想し、トラッキングトレードを使って1週間ほどで合計776.9pipsの利益を出すことができました。ドルは2円ほど変動したので、本来であれば200pipsほどのところ、実に3倍以上の利益です。
平均足と移動平均線+RSI
今回は、私がよく使うトレンド系の平均足と移動平均線に、オシレーター系のRSIを組み合わせました。
平均足は、一度陽線(または陰線)が出現するとそれが連続して現れる傾向があるため、ローソク足よりもトレンドが把握しやすいのです。
移動平均線は、チャート①のように5日線と13日線の2本のみを表示させます。こうすることで、5日線が13日線を下から上に抜ける「ゴールデンクロス」や、5日線が13日線を上から下へ抜ける「デッドクロス」が見つけやすくなります。
しかし、トレンド系指標はやや反応が遅いため、単独ではトレンドを素早く察知することができません。そこで、RSIを組み合わせてトレンド系指標の弱点を補います。
マナブ式テクニカル分析の手順
まず、チャート下部(チャート①)のRSIを確認し、過熱感を見ます。続いて、チャート上部の移動平均線を確認し、ゴールデンクロスまたはデッドクロスの出現をチェックするのです。
このとき、RSIのサインが出現するのですが、移動平均線がクロスしそうになければ無視します。今回ですと3月9日の部分がこれに当たります。この日、RSIは買われ過ぎ付近の75%まで上昇したものの、移動平均線がデッドクロスせず再び上昇に転じていることが分かります。このように、トレンド系とオシレーター系の方向性が一致しなければダマシなので、トレードは見送りとします。
そして、RSIのサインが出た上でさらに移動平均線がクロスしそうなタイミングを待ちます。この「待つ」というのがポイントで、RSIだけですとサインが頻繁すぎて先ほどのようにダマシにあってしまいますし、逆に移動平均線だけですとサインの発生が遅れ気味なのでチャンスを逃してしまうことになります。
マナブ式テクニカル分析の実践
チャート①の、3月10日のRSIを見てください。買われ過ぎである75%を超え90%近辺まで上昇していますね。過熱感が相当高まっており、さらに買いが入るのは難しいことが分かります。
次に、移動平均線を見ます。RSIが高値をつけたあと、少し遅れて5日移動平均線が下向きに変わりました。このままデッドクロスすれば、下降トレンド入りを示唆することになります。今回は、このタイミングでトラッキングトレードのドル円売り設定を仕掛けました。このとき、平均足の色の連続性も確認し、トレンドの発生と継続を再チェックすれば完璧です。
あとはRSIが売られ過ぎになり、移動平均線もデッドクロスからゴールデンクロスへ変化しそうなタイミングでトラッキングトレードを停止させれば良いだけです。
トレンドが確認できたら平均足の出番です。トレンドが発生していれば平均足の連続性がはっきり出現しますので、その後は途切れそうなタイミングでRSIや移動平均線を見るだけです。このとき、仮にこれまで発生していたトレンドが終了してしまっても、通常はしばらく保ち合いを形成してから相場が反転するので、その間もトラッキングトレードが無駄なく利益を出してくれます。もちろん、トラッキングトレードは自動的に損切りを行ってくれますから、それほど神経質になる必要もありません。
FXブロードネットは、他にも多くのテクニカルチャートが利用できるため、自分なりの得意な組み合わせを探してみても面白いと思います。
よろしいですか?