《東洋経済ONLINEでコラム掲載中》「株価が10%下落したら損切りする」コレは間違いです!
おはようございます、松下です。
昨日のメルマガで、先週4冊の株式投資本を買い、
一昨日に2冊読んだと書きました。
昨日、残りの2冊のうち、
1冊半を読み終えました。
その2冊には、
とてもショックなことが書いてありました。
それは、
「株価が10%下がったら損切りしましょう。」
というものでした。
私が投資を始めた15年前にも、
同じような内容の記述を読みましたが、
今でも本当に書いているのですね。
この2冊の著者は、どちらも某証券会社の
アナリストでした。
はっきりと断言します。
「この損切りは間違っています。」
その間違った損切りが、さも投資家の資金を
守るかのように15年前も今も、平気で投資本に書かれています。
なぜこの損切りが間違いかを、
カンタンに説明します。
10%下落して損切りをしておき、
次の売買で株価が10%上昇して利食いすれば、
取り返せる、とどちらの本にも書いてありました。
つまり10%下落の損切りと、
10%上昇の利食いと、50%の勝率を確保すれば勝てる、と。
ここが第一の間違いです。
投資家は、株価10%上昇の利食いで、
50%の勝率を確保できません。
第二の間違いは、売買サイズに
注意を払っていないことです。
仮に300万円の資金を投じたA株が、
10%下落して損切りし、
100万円の資金を投じたB株が、
10%上昇して利食いしても、
損失が20万円多く、資金は減ります。
全く売買サイズのことを論じることなく、
損切りだけを論じるのは暴論なのです。
せっかくですので、
大切な損切りアイディアを否定するだけではなく、
この「10%株価下落の損切り」を有効に
機能させる方法を教えます。
それは、株価が上がりやすい環境を捉えること。
つまり、売買ルールにおいて、
環境認識と呼ばれるもので、
アップトレンドが強く、下落の可能性が
低いことを前提として特定の銘柄を買うことを
続ければ、この損切りは正常に機能するかもしれません。
ここで、「かもしれません」といった曖昧な言葉を
使ったのは、私はこの損切りアイディアを検証したことが
ないので、確たることを言えないのです。
ちなみに私は、利益を上げるようになってから一度も、
この「株価が10%下がったら損切りする」
というアイディアを使ったことがありません。
教え子にも、その使用を基本的に禁じています。
それよりも具体的で、
根拠のある損切りポイントを教えています。
久しぶりに、対象を絞ることなく
株の本を読んでみましたが、
今でもこんな損切りが王道のように
書かれているのを見てある意味で参考になりました。
これらの本を読んで、株価が10%下がったところで
損切りし、「自分は損切りしている投資家だ」と
思っている人が大勢いるとしたら、
損切り貧乏などという不思議な言葉も生まれるはずです。
「株価が10%下がったら損切りする」
この損切りは、このままでは間違いであり、
これを実行しても資金は守れず増えませんので、
注意してください。
よろしいですか?