米国 雇用統計
雇用統計(事業所調査)はおよそ65万社への調査による。
参考 米国雇用統計と最近のトレンド
ADP雇用統計は、給与計算サービス等を提供するAutomatic Data Processing社が顧客の40万社以上のデータを利用している。
どちらも似たような結果になるはずだが、最近は大きく違う。
また、雇用の拡大は大きいにもかかわらず、このところ新規の失業保険請求件数は通常の状態より高いままで減少が見られない。雇用の拡大が強いなら、新規の失業者も減ってしかるべきと思われるが。
こうした雇用状況が通常と異なる背景には、失業保険給付上乗せがあるので、求人があっても、長期に失業を続ける人が多いということもあろう。
米国の金融政策の目標(責務)の一つは雇用の最大化(こういう目標はECBにも日銀にも、英国中銀にもない)であり、つまり、米国では雇用状況は金融政策に直結していて非常に重要であるが、雇用状況を予想するのは極めて難しいということだ。
雇用状況を混乱させている失業保険給付上乗せであるが、9月まで続く予定であったが、少なくとも25州で早期終了を決定したようで、これが失業者の就職を促し雇用増につながった可能性も高い。
では、来月も雇用が大幅増加するかというと、今度はデルタ株の感染拡大で、対面サービスを提供する業種などで雇用が減少する可能性もある。
また、新型コロナウイルス経済対策で、昨年3月に1200ドル、同12月には600ドル、そして、今年5月には国民(年収7万5000ドル未満の人が対象)に1.400ドルが支給されたが。こうした効果がなくなるため、消費が減速し、雇用にも影響すると思われる。
雇用状況を予想するのは極めて難しい状態にあり、よって金融政策動向も読みにくい状態が続いている。
念のため、FRBの金融政策のもう一つの目標は物価の安定であり、こちらの方もただならぬ状況になっている。
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