株式 押し目買いのチャンスか?
中国恒大集団が借金を返済する資金がなく、実物資産で返済するというニュースを受け、香港証券市場は急落。
超大型規模の債務危機であり、中国経済にダメージを与え、世界経済にも波及するという懸念から、世界中の株式市場は下げた。
世界の株式市場の現状は、
・これまでの株式市場の好調は、グローバル経済の回復(企業収益の拡大)を反映していた。グローバル経済は工業原材料価格指数でわかる、
・グローバル経済の拡大が続く限り、株価の上昇は続こう。逆に言えば、拡大が止まれば、株価は調整するだろう。
・グローバル経済は米中に支えられている。足元では米国経済の好調は続いている。ISM指数は60近くある(拡大か縮小かの分岐点は50程度)。かなり高い。
問題は、
・株価上昇が行き過ぎている=相当先の業績拡大まで織り込んでいること。
・もはや、景気刺激策はないこと。米国などで追加金融緩和の余地はない。否、テーパリングが始まりつつある。さらなる財政刺激も期待薄である。むしろ、逆に米国では増税の話も出てきている。
・中国経済は既に減速している。にもかかわらず、市場はそれを過小評価している。
①2060年までの二酸化炭素排出実質ゼロ達成を目標としており、今年は鉄鋼生産の抑制を強化。
②不動産部門に対する引き締め策
③デルタ変異株への対応
・中国には、経済成長よりも優先する目標があるようだ。今回の件があっても、政府は不動産規制を続けるだろう。但し、中小企業への信用供給を拡大するなど経済を壊さないようにはするだろう。
今回、中国恒大集団の債務不履行リスクが高まっているが、政府が意図的に追い込んだのだ。狙いは、のさばり過ぎた民間企業を叩くということ。そして、中国恒大集団が破たんしても、国有不動産企業がとって替わるだけだ、中国恒大集団の負債総額は大きいが、中国恒大集団を救済することで経済安定を維持するのではなく、必要な債権者だけをサポートするだろう。
中国恒大集団は流動性危機から、商品(つまり、不動産)をディスカウントで販売しだしている。不動産価格下落につながろう。そうすると、業界全体が影響を受けよう。破たんする不動産会社が出てこよう。不動産関連融資を行っている銀行、保険も影響を受ける。しかし、国有企業には信用問題は起きない。
今回の株価の下げが中国恒大集団の流動性危機への懸念だけなら、押し目買いしてよかろう。世界の信用不安に陥らないからだ。
しかし、世界経済の減速が背景にあるなら、バリュエーションの調整が終了するまで、買いは待った方が安全だろう。
(まだISM指数が十分に高いので、反騰の可能性は0ではない。売りとは言えない。)
一つ思い出してほしいことがある。
よろしいですか?