マーケットの賢人と冒険しよう!常勝ジャングルクルーズ【第7回】Tokyo system trader氏
【第7回】
Tokyo system trader氏
・緻密なロジックでマーケットを制す
『Beatriceシリーズ』や『Rijingシリーズ』など、優良なEAを数多く開発しているTokyo system trader氏(以下:TST氏)。fx-onでもトップクラスのリリース数を誇るなど、常に注目を浴び続けている開発者のひとりだ。
また、TST氏のEAの評判はその販売ページのコミュニティをのぞいてみれば一目瞭然。その評価もさることながら、ユーザーの疑問にも丁寧に対応しているところも、高い信頼性を裏付けている証拠と言っていいだろう。
・流行っているから始めたFX
TST氏がFXを始めたのは10年前。しかし、そのきっかけは意外にも単純な動機だった。
「その当時はFXが流行り始めたころで、TVのCMなんかを見て、やってみようと思ったんです。実は僕が何か新しいことを始める時は、それが“盛り上がってるか”というのを一番の決め手にしているんです。ミーハー気質というか、人生においてもトレンドフォロー型なんですよ」
・独学で挑むも返り討ち
もちろん、最初から勝てるほどマーケットは甘くない。TST氏も他のトレーダー同様に苦労したという。
「まずは独学ではじめてみたんですけど、やっぱりうまくいかなかったですね。これからトレードを始めようとする人にアドバイスをするとしたら、まず独学はお勧めしません。時間も費用も確実に無駄にしますから」と、当初はマーケットの洗礼をもろに浴びたTST氏。そのため1、2年くらいFXからは距離を置いていた時期もあったという。
・システムトレードで再起
そんな挫折を味わったTST氏だったが、再開したきっかけはシステムトレードだった。
「チャートを見るのもイヤになってた時期もあったんですけど、システムトレードのことを知り、やってみることにしたんです。なにより、このままやめるのもシャクでしたし」
実は基本情報技術者の資格を持っているTST氏。プログラムに関しては専門分野だ。ただし、使えるシステムを構築するまでには、ずいぶんと試行錯誤を繰り返したという。
「参考にしようと、まずは既存のプログラムや商材を試してみたんですが、ろくなものがなかったですね。特に当時はひどかったように思います。例えば簡単なロジックも、難しく見せるためにムダなプログラムを組んでいるものもありました」
・仮説と検証を繰り返していた
また、当時はシステムトレードに関する情報も少なく、バックテストの結果と実際のトレードとの乖離にも悩まされたという。
「システムトレードを開発するにあたって、カーブフィッティング(データに対して過剰に最適化すること)の排除は非常に重要なんですが、当時はまともな情報がなくて苦労しました。仕方がないので、とにかく仮説を立てては検証を繰り返していたんですが、ある時イギリスの本でそうしたことが書いている本を見つけたんです。しかもカーブフィッティングの対策がこれまで僕がやってきたことと非常に似てて、その方法が間違っていなかったことを確信できたんです。そこからしっかりとした検証ができるようになって、開発が進むようになってきたんです」
・バージョンアップで完成度も高まる
そのように苦労して作り上げたシステムだけに、当初はまったく売る気はなかったというTST氏。
「そもそも自分と限られた範囲で使うことを前提に作ったプログラムだったので、まったく売る気はなかったんです。それに業者によっても設定や条件がちがうので、特に初期のバージョンではそういう不安もありましたから。ただオファーをいただいたときに、ある意味実験的にやってみようかなと思ったんです。もちろん自信もありましたしね。実際バージョンアップをするたびに完成度は高くなってきていると思います」
・フォワードテストは3カ月から半年は見よう
TST氏にこれからEAを使ってみようと思っている人へアドバイスを求めると。「バックテストだけではなく、フォワードテストを少なくても3カ月から半年は見るようにしたほうがいいですよ」とのこと。
ちなみに、TST氏は相場観に役立つと、大衆心理や人間の認知バイアスを学ぶためにシェアハウスに住んでいた時期もあるとか。EAを開発するためにこれほどストイックになれる開発者がほかにいるだろうか…。
INTERVIEWER
永元辰雄
某自動車雑誌の編集者を経て、2017年11月より株式会社ゴゴジャン(メディア営業部)に入社。『投資家の英知をすべての人に。』の企業理念に共感し、それを実現すべく奔走中。優れた投資家やシステム開発者の方々にインタビューを行うことで経済的自由を勝ち取る野望を抱く。
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