個人投資家は「持つリスク」を意識すべき
株式
最近はあまり聞かなくなりましたが、持ち株の「銘柄診断」というものがありました。
個人投資家が「自分の持ち株について専門家に意見を言ってもらう」のですが、そもそも不安だから「診断」をお願いしているので、その持ち株がダメ玉、死に玉という状況は明らか。少なくとも、相談者にとってはジャマな存在なのです。
だから「とっとと切ってしまえ」が正解なのですが、そこは置いておいて……銘柄を「診断」するって、どう思いますか?
売り(弱気)と買い(強気)がぶつかり合うことで値段がつく──これが市場の構造です。
つまり、真逆の価値観が常に対立しているのです。
例えばここ数年、「米中貿易戦争が長引く」というのが懸念材料とされています。
でも、市場の現在価格は当然、そんな懸念を含んでいる(織り込んでいる)のです。今後、状況が悪化するなかで株価が上昇するかもしれませんし、大きく下げて「やっぱり……」という声が聞こえるかもしれません。
そもそも、都合よく新聞の市況解説で使われていることだけが、株価を動かす要因ではありません。強弱論争は不毛……というか、そもそも成立しないと指摘される理由がここにあるのです。
冒頭の「銘柄診断」に話を戻します。
「診断する」ということは、万人に共通の“正解”を出すということです。しかし、診断という発想で「今後の騰落」「値動きの可能性」を論じることはできません。
ただ、プレーヤー独自の価値観による「判断」はあります。
株価の先行きについては、新聞紙上、テレビ、インターネット上にさまざまな情報があります。それらの共通点として、「投資家の不安を利用している」ことが挙げられます。
資金の流れがグローバル化しているとはいえ、海外の雑多なイベントを材料に、「この先どうなる?」と不安を増幅させる論調ばかり……気にしていたら体がもちません。
相場がグイグイと上昇してきても、同じように不安をかき立てます。
「持たざるリスクが生じている……」
職業がファンドマネージャーならば、上昇相場で買いポジションがないのは明らかにバツです。しかし、個人投資家に「持たざるリスク」なんてありません!
個人投資家は、トレード以外の本業で生活費を稼ぎ、本業や私生活とのバランスを保ちながら資産を安全に運用するのが当然のシゴトです。
くだらない言葉に惑わされてはいけないのです。
個人投資家はむしろ、「保有するリスク」を考えるべきです。
持ち株に見直しが必要な気がする、忙しいのに売買の手数が多すぎるかも、そもそもトレード資金が大きすぎるかな……ちょっとした疑問や違和感を抱えながらも、なんとなく“先送り”で、よろしくないポジションを放置しているケースが圧倒的に多いはずです。
生活費を稼ぐために、のべつ売り買いしている専業トレーダーにとっても、「休むも相場」という格言が重要です。つい、やりすぎてしまうことへの戒めです。
ましてや個人投資家は、例えば「年に2、3回のチャンスがあればいい」というくらいのイメージをもつべきです。そうすれば、刹那的な解説で投資家を振り回す、無責任な投資情報をキッパリと遮断できます。
プロのように高い頻度で売買する場合はなおさら、マーケットとの“距離感”、つまり「どこまで近づいてリスクを取るか」を常に意識しなければなりません。
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