ウクライナ問題 金融市場は驚くほど静か
経済情報
ロシアの主要な銀行をSWIFTから排除することが決まった。
(その昔、私は外国証券事務をしていたことがあり、SWIFTは知っている。しかし、銀行の除外は誰がどのように決めるか知らない。)
ロシアは輸出入を含め、これまで通りの経済活動はできなくなる。
しかし、貿易が全面的に止まるわけではない。
全てのロシアの銀行が除外されたわけではない。
また、エネルギーや食品に関する支払いは例外とするかもしれない(どうやって見分けるかはわからないが)。
仮に、全て除外しても、三菱UFJロシア現法と三菱UFJ 日本の間の送金は、SWIFTを使う必要はない。同様に、ソシエテジェネラルロシア現法とソシエテジェネラル仏の間の送金もSWIFTを使う必要はない。
更に、円もユーロの利用も排除されても、元がある。中国もSWIFTに替わるメールシステム(CIPS)を持っている(ロシアのシステムSPFSとつなぐこともできるのではないか?)。
本当に下手をすれば、元の国際流通が増えて、中国が大喜びということになりかねない。
ただ、今の雰囲気では、中国も許容しないかもしれない。中国は巻き添えになりたくないからだ。
それでも、今回、ドイツがロシアの主要銀行をSWIFTから排除することを決めた裏には、影響を相当和らげられると見たからかもしれない。そうであれば、金融市場もパニックになる必要はない。
ロシアがSWIFTから排除されると、長期契約でロシアから資金調達していたところは、たちどころに困る。しかし、FRBなど各国中央銀行は資金不足緩和措置(流動性供給)をとるだろう。
とともに、各国が採りつつある量的緩和縮小、利上げのスケジュールも変わるだろう。
ロシアにとってより打撃となるのは、各国中央銀行がロシアの外貨準備を凍結することだろう。
外貨準備の多くは、各国中央銀行に預けられている。これが凍結されれば、ロシアの国際金融は自由が利かなくなる。金(Gold)はあるが、確か外貨準備総額の2割程度、しかもロンドンにあるようだ。それに、金では決済に使えないだろう。そんなものをどうやって瞬時に運ぶのか!
金融・商品市場は、全ての動きを消化できていないのは明白だ。
リスクもそう感じていないので、リスク回避の動きも限定的だ。
リスクをそう感じていないのは、世界中がロシアを一方的に非難すること(ロシアの孤立化)で結束しているからだ。
勝負あったということだろう。唯一のリスクはロシアが核兵器を使うことだが、あっても誰も被害を受けない海上でデモするくらいだと考えていると思う。
ただ、私は、これまで私が想定していたことが全て裏切られているので、これ以上ロシアを追い込まないでほしいと思っている。
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