手仕舞いは難しい(1)
株式
相場の世界で古来より難事とされるのが、「手仕舞い」です。
損の玉は切るしかない──でも、損を確定するのはつらい……。
利の乗った玉は維持したい──でも、「利食い千人力」というし……。
トレードにおける手仕舞いは、とにかく悩みのタネ。
多くの人が、対応を工夫しながら苦しんでいるはずです。
まずは、手仕舞いを難しいと感じてしまう図式を確認します。
ポジションを持っている間は、将来の可能性が残っています。
「悪くなる可能性」に不安を感じる一方で、希望的観測によって「良くなる可能性」を感じて混乱します。それが、手仕舞いを迷うときの心理状態です。
とにかく、手仕舞いによって、ひとつの区切りが生まれます。
トレードでは、スポーツのように時間で試合終了ということはありません。審判もいません。自分でケリをつけるしかありません。
自由すぎて、迷ってしまうのです。
悪い玉については、「悪い」とわかっています。
「だったら切るしかないじゃん!」ということなのですが、負けを確定させるつらさがあります。
良い玉は、いつ手仕舞いしても利益ですが、逆行して利が減ってしまう不安がある一方、さらに利が伸びる可能性もあるので、これまた迷います。
理想的な利食いは、いわば、「サイコーに仲良しの恋人と、クリスマス前の絶頂期に別れる」ようなものですから、心理的に抵抗を感じるのも当然です。
手仕舞いを単独で考えるから、つらい気持ちばかりが強くなるのです。
売買という行為を、もっと大きな目で見るといいかもしれません。
売りでも買いでも、確固たる考えがあって仕掛けます。
しかし、「反対売買して現金化する」ことが「元の状態に戻る」「ニュートラルポジションに帰る」行為だとして、「さらに次の売買もあるんだ」と考えれば、たった1回の手仕舞いに固執する気持ちが軽減し、思考がラクになるのではないでしょうか。
「仕掛け→手仕舞い」で1サイクル、それを何度も繰り返しながら、ずっと続けるのがトレードです。
カネが絡むので、つい力が入りますが、「手仕舞いするかどうか」の判断について、あらためて考えてみれば、日常生活でのちょっとした決断、「カツ丼にするか天丼にするか」「もう一杯ビールか、レモンサワーにするか」といったことと同じです。
今までも、これから先も、同じような決断の場面が繰り返しあるのですから……。
―つづく―
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