発信者による情報の加工
株式
情報とは何か──私が常に考えているテーマです。
トレードにおいて“最も大切なこと”だと確信しているからです。
情報は、発信者によって加工されます。極端にゆがめられたり、必要なことが完全に隠されたりする例もありますが、そういった特別な細工がない場合でも、必ず発信者の意図が盛り込まれます。
例えば、会社の面接試験を受けるとき、面接官に対して、どんな情報を発信するでしょうか。
入社したいと思って受けるのですから、たとえ不安があっても「しっかりやります。頑張ります」くらいのことを言うでしょう。世間知らずの学生でも、「自信なくて、マジやばいっす……」なんて口にしないはずです。
私が通勤中、トイレが間に合わずに電車の中で粗相してしまったとします。
たぶん、ここには書かないでしょう。隠します。
いや、もしかすると、何かを狙って、あえて書くかもしれません(笑)。いずれにしても、私の意図、私の意思で発信する情報が決まります。
テレビショッピングで、最後に価格を問われて「1万……9800円……」と照れながら言う人がいましたが、全く必要のないアクションだから、それが新鮮で面白いわけです。
本題に戻りましょう。
株式市場の動向を解説する読みものにおいて、たとえ同じ事実を並べたとしても、相場の先行きについて、読者に「強い」と感じてほしいか「弱い」と感じてほしいかで言い回しが異なります。当然、書き手の意図した通りに情報が伝わります。
例えばニュースの見出しが、「〇〇社 30%増益」か「30%増益にとどまる」かで、ずいぶんと印象が違いますよね。
短い記事であっても、情報の盛り込み方で、受信者の認識を操作できます。
「情報は必ず加工されている」というのが原則であり、うがった見方をすれば、「情報は発信者に有利で、受信者に不利」ということです。注意が必要なのです。
さて、情報は加工されているといっても、「一般人は常に操られるだけ」と悲観しなさい、ということではありません。情報の評価、その結果の行動は、すべて自らの自由意思で決めるのですから。
「〇〇社 30%増益」というニュースによって、買うのか売るのか、どれだけの数量を動かすのか、すべて自由に決めることができます。
「何もしない」という選択肢だってあります。
ネコの写真のカレンダーは、ネコの“かわいらしさ”を強調しています。でも、「かわいい」と思わなくたっていいのです。
証券マンに「この投信を買ってください」と泣かれたって、買う買わないを決めるのは、あなたの自由意思です。
海外の大きなイベントを取り上げて「暴落必至」と言われたって、売らなければいけない理由なんてありません。
実際、どのような材料があるときでも値段がついている、つまり、市場には売る投資家と買う投資家、両方がいるのです。
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株式投資【虎の穴】
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