中国ゼロコロナ対策がもたらした円安の調整
25日(月)、中国株式市場は大幅下落。上海総合は、なんと5.13%も下げた。
北京でもロックダウンが出始めた。マンション封鎖だ。
中国経済の減速とともに原油需要は減少し、輸入が減少し始めている。
原油価格下落につながっている。
原油価格下落⇒日本の貿易収支改善⇒円安の修正=円高
原油価格下落⇒米国のインフレ緩和⇒米国金利上昇幅縮小⇒円安の修正=円高
といっても、ウクライナ/ロシア問題がある限りは資源の供給サイドの問題から、そう原油安が続くわけがない。
米国でも、賃金と物価のスパイラル上昇がみられるからには、原油価格の下落だけでインフレが沈静化することは難しいだろう。
それでも、原油価格高が止まれば、円安は一服だろう。
円安はどこまで進むか? で示した通り、長期的に見て、今のドル/円水準は,既に円安の限界に達している。
短期的にも、5月4日のFOMCで予想通りの0.5%利上げだと、長期金利、ドル/円相場も大きく動かないだろう。
短期的には(21年7月から)、ドル/円と米日10年金利差は次のグラフような相関になっている。しかし、為替相場と金利差の相関は絶えず形を変える。次のグラフの相関も、間もなく終わるだろう。
それでも、米国10年金利は再来年には3.5%程度までは上昇すると思われ、ドル堅調は続くと思われる。
ドル/円に関して、原油価格の閾値(しきいち)は60ドルである。60ドル以上だと円安傾向になるし、60ドル以下だと円高傾向になる。
結論は、円安継続も、今のドル/円水準は、当面、円安の限界に達している。
さらにドル高になっていくかどうかはについては、以下の3点に注目。
(1)中国経済状況(特に輸入)
(注)中国の輸入状況は豪ドルにも大きな影響を与える。豪ドルも当面やや軟調になるのではないか。
(2)米国の賃金動向 原材料価格高⇒物価高 より、賃金と物価高のスパイラルの方が気になる。
(3)米国の住宅価格 今のところ、あまり話に出てこないが、住宅価格の可処分所得比はかなり高くなっている。無視できないはずだ。
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