株価が上がっている時の背景は 荒野浩の『テクニカル・ルームから』
配信日:2016/10/17 07:26
相場上昇時には二つのパターン
週間ベースで株価が大きく上昇している時に
はどのような背景であったのかをもう一度整理
してみたいと思います。
下表は今年に入ってから週間で日経平均株価
が500円以上値上がりしたすべてです、チェ
ックポイントは三つです。第1には直前に大き
く株価が下落していたかどうか、第2には空売
り比率の相対的な低下があったかどうか、最後
にこれは空売り比率の相対的な低下と連動して
いるのですが、海外投資家が大きく買い越して
いるかどうかです。
(週間上昇幅上位とその背景)
上昇幅:日経平均株価の週末比
空売り比率の変化幅:
空売り比率(5日MA)の前週末比
上昇幅 空売り比率 海外勢の
の変化幅 買い越し額
~7/15 +1,390円 ▲2.9% +10,005億円
前週末(7/08)が安値。4日で668円下落
空売り比率が低下、海外勢が大幅買い越し
~4/15 +1,026円 ▲3.1% + 6,765億円
前週(4/07)が安値。7日で1,419円下落
空売り比率が低下、海外勢が大幅買い越し
~2/19 +1,014円
前週末(2/12)まで8日で2,912円下落
~3/04 + 826円 ▲1.9%
空売り比率の相対的な低下
~7/01 + 730円
前週末(6/24)に1日で1,286円下落
~4/22 + 724円 ▲2.9% +9,032億円
空売り比率の低下。海外勢の大幅買い越し
~8/12 + 665円 ▲3.2%
8/03安値まで2日で552円下落
空売り比率の低下
~9/02 +564円 ▲5.5% + 4,373億円
前週末(8/26)が安値
空売り比率が急低下。海外勢が買い越し
~1/29 + 559円
前週(1/21)まで年初から3,016円と大幅下落
上記の上昇時の背景は二つに集約されます。
一つは前週までに株価が大きく下落しているこ
と。この場合には株価は大幅下落の修正高であ
り、特別に買い材料は必要ありません。二つ目
は空売り比率の5日移動平均の5日前比較が相
対的に大きく低下していること、このケースで
は6回中で4回、海外投資家の大幅な買い越し
が連動しています。
先週末(10/14)の段階では1週前との比較で
3円安で、空売り比率(5日MA)も0.5%上
昇しています。短期的には株価が上昇する条件
を備えていません。頭の重い週になると想定さ
れます。
よろしいですか?