FRB金融政策目標
経済情報
FRBは2022年5月4日、FF金利の誘導目標を0.25~0.50%から0.75~1.00%に引き上げた。
保有資産を圧縮する量的引き締め(QT)」は6月から実施する。
利上げ、QTの理由は「現在の状況は、労働市場は極めて逼迫し、インフレは進みすぎている」「インフレの抑制の為」。
政策目標は、「失業率を大きく上げることなく、インフレを抑制し、賃金の上昇ペースをおさえること」。
目標に向けた進展の目安は、米個人消費支出(PCE)の(食品・エネルギーを除いた)コア物価指数の上昇がピークに達し、平たんになる場合など。
証券金融相場が動いたのは、FOMC後の記者会見で、パウエル議長が、
「0.75%の利上げについては、参加者は積極的な議論をしていない。」と述べた時。
今回のFOMCでの市場の最大の注目点はこれだった。
これを受けて、ヘッジファンドのトリガーがひかれた。
<FOMC前後の市場のFF金利予想>
なお、FRBはその責務から、インフレと雇用を注視しているが、
インフレは個人消費支出(PCE)の(食品・エネルギーを除いた)コア物価指数の上昇率、
雇用に関しては、今は、(非農業部門雇用者数ではなくて)
①失業率、
②賃金の上昇ペース、
③求人労働異動調査(JOLTS)の求人倍率(失業者数に対する求人数の割合)
に注目している。
②③は賃金・物価のスパイラルな上昇に注目しているということだろう。
パウエル議長は、「労働市場では失業者1人当たり1.9人の求人がある。求人需要は極めて高水準で、現代でまれに見る状況だ。」と述べている。
求人倍率を見ても分かるように、転職に自信があるのだろう。自発的退職者が多い。仮に非農業部門雇用者数の伸びが低くても、雇用が悪化しているということを意味しないかもしれない。当面は、雇用より、インフレ指標に注目だ。
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