欠点を消そうとするな
株式
シェイクスピアは、「私たちを“人間”にするべくなんらかの欠点を与える」と述べました。
また、ヘレンケラーは次のように言いました。
「自分の欠点を直視し認めることです。ただし欠点に振り回されてはいけません。忍耐力、優しさ、人を見抜く目を欠点から学びましょう」
「オレの欠点は、何も欠点がないことだ」
こんなことを言う人がいますが、どうやら最悪・最強の欠点があるようです。
冗談はともかくとして、トレードを考えるうえで、人間そのものの欠点に目を向けてみたいと思います。人柄や性格が良いか悪いかではなく、人間ならではの行動特性と、それによる良い結果と悪い結果を考えてみるのです。
人間の行動特性は、トレードにおいては「手法の特徴」です。
良い結果は「利益」、悪い結果は「損失」です。
口数の少ない人は必然的に失言も少ないので、他人に嫌がられたりする機会が少ないでしょうが、「何を考えているのかわからない」と敬遠されたり、「発言を控えるズルい人」などと評価されてしまう可能性があります。口数の多い人は、この逆です。
思いついたことをサッと行動に移す人は、「フットワークが軽い」と高い評価を受けます。半面、つまらない失敗も多いのではないでしょうか。安易な行動を嫌う人は、「脳みそが筋肉だ」なんて悪口を言うかもしれません。
良い結果も悪い結果も、どちらも起こり得ます。
その時々で自分の特性を変化させることなんてできません。
TPOを考えて行動するのは当然ですし、国や地域、接する相手によって対応を変えることも常識ですが、例えば仕事における特定の範囲では、常に同じ姿勢を取るのが自然でしょう。
結果として、その人の特性によってうまくいくこともあれば、特性によってダメなときもあるものです。ヘタなアレンジを試みてギクシャクするよりも、ありのままの結果を受け入れるほうがいい、ともいえるでしょう。
私生活でも仕事でも、得意なものと不得意なものがあります。できるだけ、得意なケースに絞る工夫をするだけです。
トレード手法と損益の関係も、全く同じです。
つい欠点を気にしてしまうのですが、欠点は、その手法の長所と一体のもので、欠点を消せば長所も消える、というか、消そうとしたら全体が消えてしまうはずです。
欠点が悪い結果を生むケースを減らしたいと思うのが人情ですし、そんなイバラの道を進むために努力することがトレードなのでしょうが、絵に描いたような解決策は存在しないのが大原則です。
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