負けに不思議の負けなし
株式
シンプルに考える──そんな姿勢を示す具体的なものとして、「指し値をしない」という行動スタイルがあります。
分、秒の単位で行動を決めるデイトレードでさえも、指し値を活用するケースが多いようですが、私は指し値という行為をズバリ否定します。
一般的な商取引とは異なり、価格交渉は通用しない、そのかわり短期間で価格が大きく変動する、その動きを利用して儲けるのがトレード──こう考えると、「価格はマーケット任せ」「数量とタイミングの調整に全エネルギーを注ぐ」のが正しい、という考え方です。
「買いだ」と判断したら確実に買う、「売りだ」と思ったら必ず売る。
このように、考えた通りの行動を確実なものにするのが絶対で、「わずかな価格を気にして肝心な部分がおろそかになるのはイカン!」ということです。
もちろん、1回あたり1円か2円ずつ不利になれば、積もり積もって大きくなります。
でも、安く買えたら必ず儲かるわけではなく、「上昇期に買えたら儲かる」のです。
「押しがなくて買いにくいときこそ大きく上伸することが多い」
これが相場の現実だったりします。
繊細な工夫が逆効果になりかねないという発想には、ぜひとも耳を傾けてください。
江戸時代後期の藩主、松浦静山の剣術書『剣談』から引用された言葉で、聞いたことがあるかもしれません。
野球の野村克也氏が大切にしていたようで、前半部分には「勝った試合にも“負け”の要素があったはずだ」という深い思考が込められているそうです。
そこまで哲学的なことは別として、売買の区切りで、単純に「勝った理由」「負けた理由」を知る、考えようと努める姿勢は放棄したくありません。
ブラックボックスのトレードシステムを利用して、勝った(うれしい)、負けた(悔しい)なんて、ジャンケンの勝ち負けにも及ばない無意味な評価ですからね。
林投資研究所が提唱する「中源線建玉法」は、シンプルな強弱判断と3回の分割売買を軸とした、うねり取りを機械的判断で実現する手法です。
ルールがシンプルなので、複雑な計算を必要としません。
だから常に、中源線による判断と、チャートを見る自分自身の感覚を、落ち着いて比較して的確に評価できます。
結果として、勝っても負けても、その理由が明確なのです。
シンプルに考え、自分の都合など封印して値動きの流れについていく──この姿勢が重要ですが、決して思考を停止するわけではありません。判断の瞬間には、“自分自身”がど真ん中にいなければいけません。
だから、ツールとして使うものが正体不明のブラックボックスでは困るのです。
中源線は「勝ちにも負けにも不思議なし」、だから自信をもってオススメするのです。
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