日本株が堅調な理由
堅調といっても、上昇傾向にあるわけではないが、米国株のように下がっていないので、なんとなく強く感じてしまう。
通貨を統一してみると、ここでは円ベースでみると、やっぱり米国株が強い。米国が次々経済対策をうつことも理由の一つだろう。今度はインフレ抑制法だ。インフレ抑制法と銘打たれているが、中身は気候変動対策、薬価引き下げ、一部の法人税引き上げなどだ。そういえば、企業の自社株買いに対して1%を課税することも盛り込まれている。これは日本も導入すべきだろう。日本では内部留保課税などバカげた議論もあったが、自社株買いに課税するのはgood ideaだ。株価には直接的にはチョットネガティブだが、日本経済にはプラス。ひいては日本株にもプラスになろう。
では、何故日本株は堅調なのだろう?
当たり前だが、企業業績拡大(EPSが増加)、PERが大きく低下しないということだ。
TOPIXや日経平均のように多くの銘柄のバスケットの場合、PERは金融政策によって決まる。その金融政策は、米国などと違って、引き締めがなされないからだ。
前者の企業業績については、市場のイメージは
(1)円安で円換算の利益が押し上げられる。ホンダのようにだ。
(2)米国と違って、まだパンデミック前までに回復していない。消費などはリカバーが続きやすい。
ということだろう。
次のグラフで、TOPIXは今のフェアバリュー(経験的に過去12月のEPSの15.5倍)より、下にあって、EPSは拡大が続くと予想されている。理由は上記の通りだ。
やや割安にあるのは、米国のリセッション懸念、中国の経済動向が不安定、ロシア・ウクライナ戦争、最近少し緩和してきたがエネルギー価格上昇の影響(世界的インフレ、日本の貿易収支悪化、欧州経済破たんの懸念)といった日本企業の業績悪化懸念があるからである。
日本株がしっかりしている理由は上記の通り。では、今後どうなるかは、業績がどうなるかということだ。
上記したように、
(1)米国のリセッション懸念、
(2)中国の経済動向が不安定、
(3)ロシア・ウクライナ戦争の展開、
(4)最近少し緩和してきたがエネルギー価格上昇の影響(世界的インフレ、日本の貿易収支悪化、欧州経済破たんの懸念)
をどう考えるかということだろう。特に、(1)が最大の懸念材料だろう。
マクロ指標でいえば、ISM指数が10~12月に47あたりまで低下しないかということになる。
次回は、日本企業の企業収益について取り上げる。
よろしいですか?