日本企業の収益予想は2分
株価 =EPS × PER なので、
TOPIXの予想は、EPS と PER に分けてアプローチするのが一般的である。
PERは基本的には、EPSの成長のスピードと金融状況によって決まる。
TOPIXのような大規模指数の場合、成長のスピードが恒常的に高いということはなく、EPSは経済状況を反映するので、PERは主に金融状況で決まる。日本の金融状況は極めて硬直的(不変)である。なので、TOPIXのPERは大きく変動せず、ほぼ一定である。過去12カ月EPSの16倍。向こう12カ月予想EPSの14倍である。
ということになると、TOPIX株価予想は専ら企業収益動向による。
企業収益動向は、実務的には、向こう12か月予想EPSか、過去12カ月EPSが使われる。
過去12カ月EPSといっても、例えば、2023年3月時点の過去12カ月のEPSは、決算発表される5月末くらいまではわからない。なので、過去12カ月といっても、予想することになる。
その企業収益予想はどうするか?
(1)アナリストに個別企業の企業収益予想を集計する。=ボトムアップ予想。 と、
(2)マクロ経済予想からアプローチするトップダウン予想がある。
(1) (2)のデータの入手は個人投資家には難しい。
(1)は、IBES(ロイター)、FactSet 、BloombergPro の有料サービスになる。
あるいは、証券会社が独自に集計したり、予想したりしている。
私は、日経新聞、東証が発表するデータをもとに、自分で推量している。東証の発表は遅い。日経は、向こう12カ月ということではなく、発表ベースの集計である。前回発表を過去12カ月、次回発表を向こう12カ月としている感じである。
前置きが長くなったが、今後のTOPIXのEPSの予想であるが、2分している。一般的な市場予想は楽観的である。しかし、一部ストラテジストには、10‐12月期に米国でリセッションが起き、それに伴い、日本企業の収益も悪化すると考えている。
次のグラフで、薄い赤点線が市場の予想。濃い赤点線が私の予想である。ただし、私の予想も甘いと感じている。ホンネは濃い赤点線は下落すると考えている。
では、ストラテジストは、どのように、マクロデータからアプローチするのだろうか?
よろしいですか?