- プライスアクション研究 -【Part3の後半 通貨強弱指数の種類 】
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Intro
プライスアクション研究記録第3弾です。今回の記事では通貨強弱について考えてみました。
後半記事です。複数個既存の強弱インジケータを見比べたうえで、活用方法を考えてみます。
以前の記事では
USD / JPY(ドル円)の上昇は、ドルが買われ、円が売られている状態(ドルの強さ > 円の強さ)
この状態で、EUR / USDを見てみると、下降している。
ユーロが売られ、ドルが買われている(ドルの強さ > ユーロの強さ)
この状態で、EUR / USDを見てみると、下降している。
ユーロが売られ、ドルが買われている(ドルの強さ > ユーロの強さ)
上記UのSDの動きをAAA / BBBの形に当てはめて考えるのであれば、
USD / BBB (AAAにUSDが当てはまる場合)の上昇 → USDの買い、BBBの売り
AAA / USD (BBBにUSDが当てはまる場合)の下降 → AAAの売り、USDの買い
AAA / USD (BBBにUSDが当てはまる場合)の下降 → AAAの売り、USDの買い
と判断する方法があると考えられるという内容でした。
ただ、これには問題点があるとも考えられます。
一つ目は、短期的(ロウソク足数本)な見方につながりやすいこと。
二つ目は、通貨ごとに順位をつけたい場合にはこんがらがってくること。
Main Topic
今回の記事では既存の通貨指数の種類を列挙し、どう違うのか見てみます。前半記事でも触れた通貨バスケットもここで書いてみます。
ここでは、アメリカドルを基軸とした指数である、DXYの種類(派生ともいえる?)を見ていきます。
ここでは、アメリカドルを基軸とした指数である、DXYの種類(派生ともいえる?)を見ていきます。
通貨強弱指数の種類(DXY)
強弱指数を考える際に、既存の指数として、アメリカドルインデックス(DXY)があります。どこかで聞いたことがあるかもしれません。世界のお金の流れについて言及する際に、アメリカドルとの比較がよく行われますよね。
アメリカドルインデックス(DXY)の種類(派生)は、見つけれた数でも、4種類あり、それぞれ計算式も通貨の組み合わせも違う。
アメリカドルインデックス(DXY)の種類(派生)は、見つけれた数でも、4種類あり、それぞれ計算式も通貨の組み合わせも違う。
まず、アメリカドルインデックスの代表格である、ICEが作成した指数から。
- ICEのドルインデックス -
計算式:
計算式の比重内訳:
50.14348112 = おそらく修正倍率的なもの(指数を整えるための数値)
ユーロ:57.6%
円:13.6%
ポンド:11.9%
カナダドル:9.1%
クローナ:4.2%
見た感じこういう構成ですね。
円:13.6%
ポンド:11.9%
カナダドル:9.1%
クローナ:4.2%
見た感じこういう構成ですね。
ユーロとポンドには、マイナス乗を施していますが、これは、AAA / BBBでいうなれば、AAAにUSDが来るように数値を逆向きに変えている。そうすることで、通貨組み合わせの整合性を保とうとしているということだと思います。
ICEが提供しているドルインデックスは、ユーロが誕生した以来、倍率が変化したことはないそうです。時の試練を経てもなお、アメリカドルの強さを図る指標として活用されている、古参の指数です。
ただ、この固定倍率式の計算式だと、問題点もあるようです。
例えば世界経済の情勢の移り変わりにはたして、この指数は対応しきれているのかといった問題点が考えられます。
ICEが提供しているドルインデックスは、ユーロが誕生した以来、倍率が変化したことはないそうです。時の試練を経てもなお、アメリカドルの強さを図る指標として活用されている、古参の指数です。
ただ、この固定倍率式の計算式だと、問題点もあるようです。
例えば世界経済の情勢の移り変わりにはたして、この指数は対応しきれているのかといった問題点が考えられます。
- FRBのドルインデックス -
固定倍率ではなく、変動倍率を採用した指数として、FRBのドルインデックス(Trade weighted Dollar Index)があります。
これは、貿易の収支の比重から倍率を求めて、指数を計算する方式で、毎年その倍率が公開(Total Trade Weightsの表を参照)されています。
計算式は実効為替レートというものを計算しているようです。
実際の数値は、こちらから
ラインチャート形式であれば、こちらから
※数値は月次で集計され、指数が計算されています。
貿易額に注目したこの指数は、上記のICEが作成したドルインデックスよりも、世界経済の中のアメリカドルの価値を示す基準になるのではないかと考えられているようです。
- Bloombergのドルインデックス -
この記事で紹介する既存のインデックスの3つ目は、2004年に発表された新しいものです。
Bloombergが作成し、FRBのインデックスと同様に年次貿易額を基にした倍率と、外国為替市場の流動性を組み合わせた指数です。
貿易額だけでなく、為替市場の流動性を組み合わせることで、ICEが提供しているドルインデックスよりも、正確な動向を示すために作成されたようです。
Bloombergが作成し、FRBのインデックスと同様に年次貿易額を基にした倍率と、外国為替市場の流動性を組み合わせた指数です。
貿易額だけでなく、為替市場の流動性を組み合わせることで、ICEが提供しているドルインデックスよりも、正確な動向を示すために作成されたようです。
ICEが提供している指数は、ユーロへの比率が50%以上となっていますが、Bloombergのものは、2019年には32.65%となっており、これからの世界経済の動向に沿って指数の構成要素が変わっていくことを保証しています。
- どう活用していくか -
どの指数も一長一短で、これだけを見れば、確実に方向性が分かるといった風な使い方はしないほうが良いのではないかと個人的には考えています。
ひとつひとつ、着目点が違う上で、計算式を考案し、インデックスを考案しているからです。
ただ、これらの指数はアメリカドルの世界経済の立場での強さ・どれほどの価値があるのかを示そうとしているのは否定ができないことだと考えることもできる
なので、例えば、アメリカドルを主軸にしたポートフォリオを形成するうえで、エントリー判断のフィルターとしての役割を持たせることは可能だと思います。
ファンダメンタル分析にも何らかの形で活用方法があるかもしれない。アメリカの国債利回りとの相関があるのかどうか、CPI等の経済指標が発表された際に、どういった動きをするのか。そういった観点で見ていくことで、エントリーだけでなく損切・利確の基準としても成立させることが出来るかも。
最後に
本来であれば、この記事で自分でも指数的なものを作成し、何かいいものが出来れば公開しようと考えていたのですが、かなり奥が深い。
自作してみるには、既存のものがどういった構成になっているのか、なぜとあるコンセプトに辿りついたのかを知ったうえで行わないと、堂々巡りに陥る可能性が高いように感じる。
自作してみるには、既存のものがどういった構成になっているのか、なぜとあるコンセプトに辿りついたのかを知ったうえで行わないと、堂々巡りに陥る可能性が高いように感じる。
ひとつ分かったのは、単純平均では強弱は見れないこと。
そして、自作していくうえで、手元の過去データで作れるものでないといけない。
そして、自作していくうえで、手元の過去データで作れるものでないといけない。
なにかいいものが出来そうであれば、また記事にしてみようと思います。
ひとまず、あまり長くなるとよくないので、ここまで。
ひとまず、あまり長くなるとよくないので、ここまで。
体調等、お気をつけて
D.U.C.Kより
2022/10/05
2022/10/05
参考資料
英語の資料がほとんどです。
FRBのインデックスの実効為替レート(月次): ここをクリック
DNBC Global Marketの記事: ここをクリック
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