高水準の騰落レシオの後では、高値は1か月程度先という経験則 荒野浩の『テクニカル・ルームから』
配信日:2016/10/28 07:22
ドル・円相場が105円を超え、海外勢の買い
越しが継続しているという状況下では4月高値
の更新も見えてきたことになります。
(4月高値)
ザラバ 4/25 17,613円
終値 4/22 17,572円
140%台の騰落レシオ
足元では「銘柄の広がり」を伴った相場が
続き、騰落レシオは高水準を維持しています。
1か月移動平均(MA)の騰落レシオは先週
から今週にかけて今年初めて下記のように
140%台を記録しています。
騰落レシオ 株価
10/18 140.6% 16,963円
10/20 145.4% 17,235円
10/25 140.0% 17,365円
10/27 141.0% 17,336円
1か月MAの騰落レシオが140%を超えるこ
とはいつでも起こることではなく、年に2~3回
程度に限定されます。昨年も2月と10月の2場面
のみでした。昨年の例をチェックしてみますと、
2/19 141.7% 18,264円
2/20 146.2% 18,332円
この局面での安値・高値は
安値 1/14 16,795円
高値 3/23 19,754円
でした。時間関係に注目すると、安値から騰落
レシオのピークまでは27営業日、騰落レシオ
のピークから高値までは21日となっています。
同様に10月の例も見てみます。
10/23 145.6% 18,825円
10/26 140.8% 18,947円
10/28 149.5% 18,903円
安値 9/29 16,930円
高値 12/01 20,012円
同様に時間関係は安値から騰落レシオのピー
クまで20営業日、騰落レシオのピークから新
高値までは22日となっています。安値から騰落
レシオのピークまでほぼ1か月、騰落レシオの
ピークから高値までは21~22日となっています。
2回とも騰落レシオのピークから高値まで1か月
程度経過しています。
データ通りなら、今回も1か月後の11/20前
後まで高値模索が続くことになります。
海外勢の買い越しが続くようなら
海外勢は10月第3週も先物(ミニ取引を含む)
で436,431百万円、現物で73,088百万円、あわ
せて5,095億円と今年5番目の大幅な買い越しと
なりました。10月に入ってからは先物と現物の
合計で1,000億円を超える買い越しが3週連続で
続いており、これも4月以来、今年2回目です。
海外勢の買い越しは今週も続いていると推定
され、今までとは対日観が変化してきているの
かもしれません。海外勢の買い越しが11月にも
持続するようなら、上記した騰落レシオの法則
性が活きてくると思われ、堅調な相場展開が続
くことになります。
今年に入ってから、海外勢の買い越しは4月、
7月、10月となぜか3か月に一度という間隔に
なっており、もし11月も買い越しということに
なれば相場の景色は明らかに変化したことにな
ります。
よろしいですか?