トルコの抱える問題の現状! いくつか挙げてみました!
トルコショックから、もうすぐ1か月が経ちます。
USD/TRYは一旦戻したものの、ジリジリと下落を続け、ショック時の安値に近づいてきています。
今週はトルコ政策金利が発表されます。 トルコの現状についてまとめてみたいと思います。
↓↓↓トルコショックについては以下の記事を参照ください↓↓↓
トルコリラ暴落! 2018年8月10日トルコショック⁉まとめ
続・トルコショックまとめ。トルコだけの問題では済まないトルコ問題!!
トルコ現状の注目点
1)止まらない物価上昇(インフレ率)
2)今週発表の政策金利!
3)四面楚歌になりつつあるトルコ
4)対外債務問題
1)止まらない物価上昇(インフレ率)
物価上昇が止まらないなか、政策金利を上げたくない大統領。 昨年の首相職の廃止、大統領の権限集中が決まったときから、市場の注目は中央銀行の独立性。 ただ、なかなか利上げが出来ない中央銀行。 大統領の圧力に負けているように見えると、トルコリラは売り圧力に押されてリラ安になっていきました。 リラ安はさらなる物価上昇を招いていくという負のスパイラル。 トルコ中銀は後手後手に回っている状況です。
2)今週発表の政策金利!
今週13日のトルコ政策金利発表に市場は注目しています。 上記の物価上昇を止めるため、大幅な利上げが必要。 また、資金流出のためにも、リラ安を食い止めるためも、大幅な利上げが必要です。 どこまで利上げが出来るか?市場は注目しています。
そんな中、アルバイラク財務相はトルコ中銀の独立性と、リラ安を食い止めるために何でもやると発言。 この発言で今回のトルコ中銀の利上げは、さらにハードルが上がったと思います。 銀行や証券会社のアナリスト予想は大きく分かれています。 据え置き予想から5.0%の利上げ予想まで、バラバラです。 それだけ予想が難しくなっています。 市場がどの程度の利上げを織込んでいるか見極めにくいですが、中途半端な利上げだと再度トルコリラは下落していくと思われます。
3)四面楚歌になりつつあるトルコ
トルコ、エルドアン大統領はトランプ大統領と対立しています。 トルコは以前からEU加盟を交渉してきましたが無理でした。 そこで今回シリア内戦問題でイランやロシアにすり寄っていく形になりましたが、うまくいきませんでした。 結局米国と協議することになりました。 4日ポンペオ国務長官とチャヴシュオールトルコ外相が協議を開始したようです。当然、内戦問題と一緒に牧師解放の問題も協議されています。
あとは、ドイツとも協議はしているようですが、軍事的な内戦問題には消極的なようです。
4)対外債務問題
個人的には、対外債務問題が1番根が深く、影響が大きいと思います。 トルコは経常収支赤字です。 収入と支出のバランスが赤字です。 その分借り入れをしているのですが、海外銀行からも借入しています。 JPモルガンによると、2019年7月までに1790億ドルを返済しなくてはいけない状況。 その内、1460億ドルは民間銀行が借入しているようです。 民間銀行はリラで運用しているため、リラ安になると返済額が増えていくという状況。 ここ1年でトルコリラは約50%の下落。 単純に考えれば、返済額が倍になったようなもの。 民間銀行は大変です。
上記の政策金利は民間銀行にとっても注目です。 これ以上リラ安が進むと、さらに返済額が増えて返済できなくなってしまいます。
この、返済ができない状況を懸念しているのは欧州です。 特にスペイン・イタリアです。 その他の欧州の銀行もトルコ債を持っていますが、スペイン・イタリアは特に多くのトルコ債を抱えています。 なので、トルコの危機は欧州の危機につながってしまいます。 現在トルコリラの下落は、スペイン・イタリアの長期金利と相関しています。
今後、債権問題をどのようにしていくのか、、、
トルコとしては、IMFに頼る事はしたくないと思います。 もともとIMFの援助を受けていたのを、離脱したことで支持を受けたのがエルドアン大統領! なのに、今更IMFに支援を申し出るとは考えにくいと思います。
トルコとしては、ドイツをはじめ欧州に助けてもらうのではないかと思います。 欧州各国は、難民問題をトルコ・イタリア・ギリシャに押し付けているようなもの。 多少なりと負い目があります。 また、トルコからするとEU加盟をちらつかせて受け入れた難民問題なのに、EU加盟はかないませんでした。 なので、難民問題を盾に債権問題を交渉していくのではないかと思います。
長くなりましたが、今回の政策金利の問題はトルコリラの下落だけでなく、トルコ債権や欧州に影響する大事な、注目の発表だということ!!
今後の行方に注目したいと思います。
よろしいですか?