FXトレーダーのための「大人の経済」基礎講座|第2回 金利のきほん~前編[雨夜恒一郎]
ファンダメンタルズ(分析)を体系的に学習できる当企画。前回は、ファンダメンタルズのきほんについて学びました。第2回となる今回のテーマは、「金利のきほん」です。為替相場と密接な関係にある金利について、分かっているつもりになっているトレーダーも多いのではないでしょうか。雨夜恒一郎さんに分かりやすく解説してもらいますので、ここでしっかりと知識を身につけておきましょう。
第2回目次
1. そもそも金利とは?
2. なぜ金利があるの?
3. 金利はなぜ上がったり下がったりするのか
4. 金利の決定要因
5. 経済指標に注目
6. 高金利通貨と低金利通貨
7. 名目金利と実質金利
8. 第2回まとめ
雨夜恒一郎(あまや・こういちろう)プロフィール
20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴をもつ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。
twitter:https://twitter.com/geh02066
そもそも金利とは?
ファンダメンタルズ基礎講座第2回、今回のお題は「金利のきほん」です。今年(2017年)の為替市場の最大の関心事は、トランプ政権のもとで米国の金利はどう動くのか、ということに尽きるでしょう。金利と為替相場は切っても切れないほど密接なつながりがあり、為替相場を読むにはまず金利動向を読むことから始まるといっても過言はありません。
そこで本稿では、FXの初心者の方向けに「そもそも金利って何?」「金利はどうやって決まるの?」「金利は為替市場にどう影響するの?」といったポイントについて分かりやすく解説していきたいと思います。
「金利とは何か?」といわれても答えに詰まりますよね。金利とは、お金の借り手が貸し手に支払う料金、言い換えれば資金の使用料もしくは賃借料を、一般的には元本に対する年率で表したものです。
金利には利率・利子・利息などさまざまな呼び名があり、混同して使用されることが多いですが、厳密にいうとパーセントなど率で表したものが「金利または利率」、金額で表したものが「利子または利息」です。
投資の世界では「利回り」という言葉がありますが、これは金融商品から得られるトータルの収益(金利だけでなく、元本の増減や手数料など費用も含みます)を年平均に直した数字で、金利や利率とは全く違う概念です。
よろしいですか?