DAY 58:トレードシステム完成例 – 実装事例の紹介
FX
DAY 57では、リスク管理の最終調整を中心に、これまで学んだ要素を一体化させるための具体的なルール設定と、守りやすい仕組みづくりの重要性を確認しました。
今日のDAY 58では、それらをさらに深めるために、実際のトレードシステム完成例をいくつか紹介します。
これらの事例はあくまで一例であり、人によって得意・不得意やライフスタイルが違うため、完全にマネする必要はありません。ただし、「こういう形で組み合わせているんだ」「ここまでルール化しているのか」という参考になれば嬉しいです。
1. 事例1:EA×裁量ハイブリッド – Aさんの場合
(1) システムの構成
-
EA(トレンドフォロー)
- 通貨ペア:USD/JPY、EUR/USD
- 稼働時間:基本24時間だが、重要指標(雇用統計、FOMC)前1時間は自動停止
- 損切り・利確:固定pips+トレール機能
- ロット:口座資金の1.5%リスク(1回の負けで1.5%減るイメージ)
-
裁量(レンジ逆張り)
- 通貨ペア:GBP/USDメイン(ボラが高い)
- 稼働時間:ロンドン時間(日本時間16:00~20:00頃)
- エントリー根拠:ボリンジャーバンド±2σ反発+RSI(70/30)
- 1トレードの損失は口座資金の1%以内
(2) リスク管理のまとめ
- 合計ロット上限
- EAがポジションを3つ持っているなら、裁量のロットを半分に削減するなど調整
- 合計リスク:資金の3%上限をめどに運用
- 相場環境対応
- レンジが続くとEAは連敗が増える → EAロットを0.75%に半分落とす or 一時停止
- 一方、レンジなら裁量逆張りが伸びる → ここで裁量ロットを少し増やす
- 指標前停止
- 主要指標時、EAは自動停止・再稼働機能を設定。裁量は指標20分前にはポジションを閉じる or 損切り/建値に移動。
(3) 成功ポイント
- トレンド相場でEAがコツコツ稼ぐ
- レンジで連敗したら停止し、レンジ時は裁量がカバー
- 定期モニタリング(毎週末)
- EA勝率、裁量勝率、それぞれのドローダウンを確認。
- 合計DDが10%超えたらロット削減や戦略再考。
2. 事例2:短期スキャル+スイング – Bさんの場合
(1) システムの構成
-
スキャル(超短期)
- 通貨ペア:EUR/USD or USD/JPY(スプレッド狭い)
- 時間帯:ロンドン~NY序盤(日本時間17:00~22:00)で集中
- 損切り:10pips固定、利確も10pips目安+プライスアクションで調整
- ロット:1回負けで資金の0.5%ダウン(リスク低めだが回数多い)
-
スイング(中期)
- 通貨ペア:AUD/JPY、EUR/GBPなど週単位でチャンスがあれば数日保有
- エントリー根拠:4時間足MAクロス+ファンダ要因(利上げ期待など)
- 損切り・利確幅は広め(50~100pips)、ATRを参照
- ロット:1回負けで資金の1.5%以内
(2) リスク管理のまとめ
- 2口座運用
- スキャル用口座とスイング用口座を分け、金額も 6:4 程度で分割して運用
- 各口座のDDが資金の10%を超えたら一時停止など明確化
- 相場環境別
- トレンド強いときはスキャル連勝しやすいが、スイングが大きな利幅を狙える → スイングロットをやや増やす
- レンジが多いときはスキャルで小さく稼ぎつつ、スイングは回避 or EA停止
- 週に1回まとめ
- スキャル口座とスイング口座の損益&ドローダウンを合算し、全体収支を把握
- アカウントを分けている分、相関リスクは少なめだが、通貨選択が被るときは合計ロットを意識。
(3) 成功ポイント
- 心理的負担を軽減
- スキャルは張り付く時間帯のみで集中 → それ以外の時間はスイングのポジを見守るだけ
- 資金を2つの口座で分散しているので、どちらかが負けても全資金を失うリスクが低い
- 成績安定
- 連勝時のスキャルでコツコツ積み上げ、スイングでドカンと大きく取る → 月単位で安定して利益が出しやすい構造。
3. 事例から見る共通のコツ
- 複数アプローチを明確に区分
- ロジックA、ロジックBを同じ口座で動かしていると混乱しやすい → 口座を分ける or ツールで一元管理するなどの手段が必要。
- 損切り・利確・相場環境対応は各手法で設定
- トレンド型EAの利確幅はトレーリング主体、レンジ型は固定pips etc.
- 大事なのは“その戦略の特徴”に合ったリスク設定にすること。
- 合計リスクの監視
- 最終的に口座全体で何%リスクを取るか、複数手法が同方向ポジションを持たないかを定期的にチェック。
- 定期的な成績評価とON/OFF
- 週次or月次で各手法の勝率・PF・DDを比較 → 成績が落ち込む戦略はロットを下げる or 一時停止。
- 相場環境が合っている手法にはロットをやや増やしてリターンを狙う。
4. 注意点:システム完成後もアップデートは続く
-
相場は変化する
- 今日まではトレンド型EAが最強でも、明日からレンジが半年続く可能性もある。
- 完成したシステムも、定期的に検証・フォワードテスト結果を見直し、微調整を続ける必要がある。
-
自分のライフスタイルやメンタルも変わる
- 仕事が忙しくなったり、家族が増えたりすると、張り付き時間が減りスキャルが難しくなるなどの変化が起こる。
- 手法を一度完成させても、数か月~数年後に再びアップデートするのは当然のプロセス。
-
一気に複雑化しない
- 手法を増やしすぎて追いきれなくなる、検証時間や運用管理が破綻するケースが少なくない。
- まずはシンプルな2–3手法のポートフォリオから運用し、慣れてきたら少しずつ拡張するのが吉。
5. まとめ & 次回予告
まとめ
- トレードシステム完成例を2つ紹介:EA×裁量、短期×スイングなど、複数アプローチをまとめて運用する際のリスク管理ポイントが大事。
- 共通コツ:
- (a) 各手法を明確に区分し、損切り・利確・相場環境対応をそれぞれに最適化。
- (b) 定期的な成績評価でON/OFFを決め、相場に合わない手法のロットを落とす or 停止。
- (c) 合計リスクを常に意識し、相関リスクが高くなりすぎないように管理。
- 最終的にもアップデートは続く:相場&ライフスタイル変化への柔軟対応を忘れない。
今後(DAY 59–60)の予定
- DAY 59:年間計画や継続学習との融合 → 実際に1年通してどう運用し、学びを深めるか詳述。
- DAY 60(最終回):総まとめ&Q&A → 全体の学習を振り返り、長期的に勝ち続けるトレードライフを確立するための最終仕上げ。
自動売買に興味がある方は↓コチラもよろしくお願いします。
https://www.gogojungle.co.jp/users/147322/products
お役に立ちましたら、「続きを読む」を押して頂けると幸いです。
よろしくお願いします。
×![]()
Is it OK?