VIX可視化指数65割れ、値幅率75超えの節目近くに達するまではハイ・ボラ状況継続は覚悟 井上哲男氏
昨日「潮目」について書いたが、米国で、カリフィルニア州が前日に非常事態を宣言したこと、中国で今回の新型ウイルスには、感染力が相対的には低い「S型」と極めて高い「L型」が存在し、「L型」は進化することによって、さらに感染力が高くなっている恐れがあることが繰り返し報道され、グラフ3で添付したように、一気に債券に資金が流入し、株式市場は「寄り天状態」で、ザラ場はリスクオフのCTA、アルゴが売り、最後にそのポジションの手仕舞いが少し出るという展開となった。
まだ、天井・底打ちが形成されていない「VIX可視化指数」、「値幅率」のグラフをそれぞれ1、2として添付するのでご覧頂きたいが、「VIX可視化指数」は65割れ(現在はグラフ左掲の68.8)、「値幅率」は75超え(現在はグラフ左掲の65.41)という大きな節目近くに達するまでは、現在のハイ・ボラティリティの状況の継続は覚悟しなくてはならないということであろうか。「MD」の「夜間比率(前日日中取引比)」も121.4%と、再度、100%を超えた。
この不安定な状況はNYSEの出来高に象徴されている。
相場が上昇してきた際に、市場関係者がよく述べる「あとは、売買代金、出来高が膨らみ、市場にボリュームが欲しい」という言葉の“嘘”については、何度か過去のデータを用いて否定してきたが、その根拠ともなった「出来高が膨らむのはロクな時ではない」が、現在のNYSEの状況そのものである。
繰り返し書いたように月末営業日にNYSEの出来高はリバランスによって膨らむので、2/28を除いて2/21以降の出来高の平均値をとると、9営業日で14.1億株と目安の8億株を大きく上回る水準で推移しており、昨夜もちょうど14億株の出来高となった。
テクニカルの4グラフの状況についても説明しておくと、昨日、底練り状態を見せた、と書いた「ダウRSI」はその状態で「そろそろの(数値の)底入れ」を示唆し、日経平均のそれは、46.26%にまで低下したが、来週まではさらに低下する見込みである。また、両指数RSI合計とも、相場の大底時よりも若干(以前書いたが3日から7日程度)早く、その数値が底入れすることがよくある。そのため、RSI合計が底入れしても、実際の指数の底入れがそれに遅行することが、特に大きな下落時には過去に起きたことにも注意が必要である。
ただし、3乖離合計(5日移動平均)については、ダウ、日経平均ともに、昨日はいったん底打ち、底練り入りを示している。来週についてもグラフを多く添付して状況をお伝えする。
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