売買代金を変動率で実質化すると 荒野浩氏
最近の大商いに意味を見出せない 配信日:2020/03/28 11:47
足下の3週間、東証1部の売買代金は3兆円を超える”大商い”が続いています。通常、
売買代金は市場エネルギーとも呼ばれ、株価を上げる原動力と考えられています。
ところが、視点を変えてみると、値動きの大きさに伴う商いの多さであって、
株価を上げる力になっていない売買代金もあることが分かります。
GDPに名目と実質があるように、売買代金を値動きで実質化してみると相場の強弱の
度合いも分かります。
相場が堅調であった昨年10月以降の売買代金と株価の変動率、変動率当たりの売買代金を
下表に示しました。
売買代金 変動率 売買代金/変動率 騰落率
10月 20,829億円 0.60% 34,766億円 +5.38%
11月 22,415 0.81% 27,672 +1.60%
12月 18,724 0.54% 34,674 +1.56%
1月 20,922 0.79% 26,483 ▲1.91%
2月 25,782 1.22% 21,132 ▲8.89%
3月 36,120 4.07% 8,874 ▲8.29%
(注)変動率=(高値―安値)÷終値 騰落率は日経平均の月末比
3月は27日まで。
上表からは騰落率は変動率当たりの売買代金と関連が深いように思われます。
今月の3兆円・4兆円の大商いは株価の騰落に対して意味はないということ
になります。上下に大きく振れる値動きの大きさに伴って、商いができている
だけということになります。
これを見ても、日中変動幅、日中変動率が株価には大きな影響力を持つ
ことになります。値動きの大きい時の大商いは変動幅あたりにすると、中身の薄い
ものになります。
値動きが沈静化することが最重要ポイントということになります。日米ともに
コロナ騒動が鎮まること、値動きが穏やかになることが、株価が堅調さを取り戻す
ポイントになります。
Written by HayakawHayakawa
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