欧州コロナ再建計画案は実現するのか!? 「5月19日の注目点とイベントスケジュール」
昨日はドイツとフランスが驚きのコロナ再建計画案を提案したことで、ユーロは上昇しました。
ユーロ上昇の流れに乗っかったのか、フラン安が一気に進み、クロスフランは異様な上昇がみられました。
SNB(スイス国立銀行)によるユーロ買いフラン売りの介入があったのではないかと思います。
また、昨日は米ベンチャーモデルナの新型コロナワクチンが初の治験で免疫反応の有力な兆候との情報で、ワクチン期待から欧米株価は大きく上昇し、マーケットはリスクオンに傾きました。
◎本日の注目点
1)欧州コロナ再建計画案
昨日驚きの提案をドイツとフランスが発表。
コロナウイルスのによる経済後退を再建するための基金、5000億ユーロ規模のコロナ再建計画案を提案しました。
しかもポイントは、貸付・融資ではなく補助金・支援金として返済の必要がない資金としてある点です。
ドイツやオランダは、共同債やコロナ債といわれるものに反対の姿勢をとってきており、ドイツは先日ECBの緩和策の一部に違憲な内容があったと判決を下していただけに、ドイツが再建計画案を提案したことに驚きでした。
EUはドイツとフランスの提案を歓迎しています。
あとは、本日もEU財務相理事会が開催されるので、残りの加盟国、特にオランダやオーストリアなど北ヨーロッパの財政均衡派の国が賛成するかに注目です。
2)WHO年次総会
昨日のWHO年次総会では台湾がオブザーバーとしての参加は認められず、米国は早速中国などを批判し、トランプ大統領はWHOの批判と拠出金の停止について近く発表すると発言をしています。
対して、中国はここぞとばかりに国際的なウイルス対策として今後2年間で20億ドル(2100億円余り)を拠出を発表。
WHOでの発言権・存在感を拡大させています。
ただ、コロナの発生等に関する調査が必要であるという点については多くの国が賛成し、検証していくとしていますが時期や方法については決まらないままでした。
ここでも、中国に忖度するようなWHOが見え隠れしているように感じます。
この状況がまかり通るのか!?
それとも分断に繋がるのか!?
本日もWHO年次総会での、米中両者の動きに注目です。
3)要人発言
本日、パウエルFRB議長とムニューシン財務長官の米上院議会銀行委員会で証言が予定されています。
米国の経済見通しや、今後の金融政策について、マイナス金利の導入などに注目が集まります。
また、英国でもマイナス金利について前向きな発言が続いています。
上記のように、欧州では再建計画案に関することや、米中関係、WHOでの対中発言など要人発言でマーケットが大きく動く可能性が高いため要注意です。
4)英雇用
本日、英国では4月の雇用が発表されます。
ロックダウンで経済停止状況の雇用なので、どこまで悪い数字が出てくるか注目しています。
4月・5月が経済・雇用悪化の底になるとみられていることから、本日の雇用統計は要注目です。
5)原油価格
欧米でコロナ規制緩和が進み、経済再開が進んできていることから、原油の需要が高まるとみられ価格上昇しています。
久しぶりの30ドル台にのせると、33ドル台まで一気に上昇しました。
この上昇が続くのか、30ドル台を固めることが出来るのか注目です。
◎本日のイベントスケジュール
5月19日(火曜日)
EU財務相理事会
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
15:00 GBP 英雇用者数・失業率・平均賃金
18:00 EUR ドイツZEW景況感指数
18:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
21:30 USD 米建築許可件数
23:00 EUR レーンECB専務理事発言
23:00 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言
23:00 USD パウエルFRB議長・ムニューシン財務長官発言(上院議会証言)
5月20日(水曜日)
03:00 USD ローゼングレン・ボストン連銀総裁発言
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