膠着相場では「売り方」優位 荒野浩の『テクニカル・ルームから』7/23
荒野浩の『テクニカル・ルームから』 2017年07月23日 09時46分
配信者:荒野 浩
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高値圏でも売り方の
評価損益率、悪化せず
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5月の連休明け以降、高値圏での保ち合い相
場が続いています。「信用取引」に限って言え
ば、「買い方」は高値で買ってしまう傾向があ
り、「売り方」は高値圏では売り上がる習性が
あります。
買い方の評価損率が売り方の評価損率を上回
った(買い方の評価損率の方が大きい)のは日
経平均が3月高値を付けた翌週(~3/24)のこと
ですが、それ以来買い方の評価損率の方が大き
い状態がずっと続いています。
日経平均が2万円台に乗せた時に一部の市場
関係者が「売り方は窮地に」と誤った情報を流
しましたが、下記データが示すとおり、明らか
に事実誤認です。
5月の連休明け以降、株価は高値圏に張り付
いていますが、この間の「売り方」、「買い方」
の評価損率は
(5/12~7/14) 評価損率
売り方 ▲0%台~▲3%台
買い方 ▲6%台~▲9%台
の範囲で推移しており、売り方優位に変化はあ
りません。
株価が高値を更新し、上値を追うときに相場
上昇を加速させる役割を果たすのはトランプシ
ョック時に見られたように「売り方」の買戻し
ですが、今はそういう状況にはありません。
上値の重い状態が続くことを前提に相場に取
り組みたいと思います。
荒野浩の『テクニカル・ルームから』 2017年07月22日 07時01分
配信者:荒野 浩
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相場用語でよく使われる「陰の極」という言
葉がありますが、今は「不動の極」かもしれま
せん。動かないことの極みという意味です。
日経平均の前日比騰落率を昨年から月次ベー
スでみてみました。
(日経平均、前日比騰落率)
+1%超 ▲1%超
16年01月 4 8
02月 5 7
03月 5 2
04月 6 4
05月 4 2
06月 6 5
07月 4 5
08月 4 5
09月 2 5
10月 1 1
11月 4 3
12月 3 1
年間計 48 48
いいか悪いかはともかくとして、16年の株
価は上下に動いていたことになります。
今年に入ってからの動きを同じく月次ベース
でみてみます。
(日経平均、前日比騰落率)
+!%超 ▲1%兆
17年 1月 3 4
2月 2 2
3月 3 2
4月 4 2
5月 1 1
6月 2 0
7月 0 0
(注)7月は21日まで
月を追って動きは小さくなっています。6/02
に2万円に乗せてからは7週を経過しています
が、前日比騰落率が±1%を超えたことは一度
もありません。34営業日もの間前日比騰落率が
±1%を超えていないという経験もなかったよ
うな気がします。
日本株以上に小動きの米国株、中でもNYダ
ウが年初から±1%以上動いたのはわずかに
5回だけです。
そのNYダウも5/17を最後に前日比騰落率が
±1%を超えていません。日米ともに「動かな
い」ということが常態化しています。
それでも最高値を更新し続けるNYダウと上
下に動けない膠着感の強い相場に陥ってしまっ
ている日経平均の株価の動きには大きな差があ
ります。
上にも下にも大きく動けない日本株、だから
こそ方向性が出ないということになります。こ
の小動き状態はいずれ近い将来、打ち破られま
す。現時点では「下」押す確率が「上」に放れ
るよりもやや勝っていると推定されます。
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