緊急潮流338 マザーズ先物出来高急増により警鐘を鳴らす【井上哲男 相場の潮流】
緊急潮流338 マザーズ先物出来高急増により警鐘を鳴らす
配信日:2017/08/01 11:15
新興市場が続落。
本日の株式市場で東証マザーズが4日続落、日経ジャスダック平均が3日続落となっている。10:31現在の指数下落率はマザーズが2.05%、ジャスダックが0.56%と、ジャスダックの下落率は小幅で済んでいるが、今回、指数が一旦底を打って反騰に転じることとなった前日(4/14)の終値から、先週木曜日までの日経ジャスダック平均の上昇率は18.6%と、同期間上昇が目立った他国の指数であるNASDAQ(同期間上昇率:9.9%)、香港ハンセン(11.8%)、韓国KOSPI(14.4%)などと比べても大きい。
昨年2月より4回の利食いによる調整を経て上昇を続けてきたジャスダック市場であるが、5回目の調整局面に入った可能性が高く、一旦、警鐘を鳴らしておく。
マザーズ市場はジャスダック市場よりも重症。
前日引け後に、リンパ浮腫の遺伝子治療薬の開発中断と皮膚がん治療薬「アロベクチン」の固形がん治療向けの開発の中止を発表したアンジェス(4563)が下げを主導している感が強いが、指数としても、NASDAQショックの前、6/23から完全に頭が重い状態が続いており、信用買い残の大きい銘柄に、特に不冴えな値動きが目立つ。
そのアンジェスの下落率が10:56現在12%を超えてきたが、信用買い残から信用売り残を引いた、ネット信用残高は、先週末がこの1年間でも最も多く、1477万株にまで積み上がっていたことも狼狽売りの一因となっている。この整理が終わるまで、同銘柄及びマザーズ指数は「上からナイフが落ちてくる状態」でうかつに手を出しづらい。
この状況を如実に表しているのが先物市場。マザーズ指数先物の中心限月は、先週金曜日に1160枚、昨日2196枚と出来高が急増したが、11:07現在、その出来高は2592枚と、昨日1日の出来高を超えている。因みに、その誕生時に「世界で最も危険な株式指数先物」とこの「潮流」に書いた同先物は、産声を上げた昨年7/19の2847枚がこれまでの最大出来高であり、本日はそれを超える可能性が十分にある。
それでは、通常時はどのくらいかというと、先物取引が始まって昨日までの平均出来高は388枚であり、1000枚を超えたのは、先週まで11回しかなかった。いかに市場が騒々しくなっているかが分かる。
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