9/28(水)08:34 本日の日経平均の値動きを的確に予測 井上 哲男『相場の潮流』
9/28(水)08:34 の記事で、井上 哲男先生が、以下の通り本日の日経平均の値動きを的確に予測されています。
潮流127 サブプライムローン問題はまだ終わっていないのか
配信日:2016/09/28 08:34
昨日、「7.5%超の下落」と書いたドイツ銀行であるが、昨日の欧州市場での引け値は10.550ユーロと前日比変わらずとなったことが報じられているが、高値:10.760ユーロ、安値:10.180ユーロと、一時は10ユーロ割れが懸念された。この水準を切ってくると、「信用不安説が台頭するのではないか」、「ファンドの売りが加速するのではないか」などの思惑をよび易くなることが懸念され、依然“綱渡り”の状態である。
気になるのが、サブプライムローン問題、欧州財政不安台頭時と同じく、一行だけの問題ではなく、他行の株価も直撃していることである。
昨夜の欧州主要行で前日比マイナスとならなかったのは、結局ドイツ銀行だけで、何も問題はないと考えられているクレディ・スイスは3.28%の大きな続落となった。3営業日で5.8%も下落していることになる。この「1行だけでなく銀行株全体のポーションを下げる」という行為は、そのまま“不安の連鎖”を想像させる市場にとっては厳しいものだ。昨夜の海外市場については、米国市場の3営業日ぶりの反発ではなく、欧州市場の3営業日続落を意識すべきと考える。そのため、現在は、配当落ちを考慮すると、変わらない水準で戻ってきた印象のある日経平均先物であるが、本日のザラ場で昨日のような底堅い推移は期待しづらい、期待すべきではないと考えている。
Signに書いてきたたように、本日、RSI14日は引け値が1万6370円であれば31.98%と、32%割れとなる。(1万6500円であれば34.24%。いずれにせよ、BREXIT直後である6/28以来の低水準)この32%割れが3営業日中、2日示現すれば、打診のプット売り(定性)を通常は考えるが、今回は、25日移動平均乖離率と上記欧州銀行の株価推移を見て判断する。
米国司法省がMBS(住宅ローン担保証券)の不正販売を巡り、ドイツ銀行に対して求めた和解金の額は140億ドル。いくら、同行幹部が「資本の調達を求めない」と語っても、その裏にある事情(ひょっとして簿外で見られたくないものがあるのではないか)が噂され、メルケル首相が「資金を注入する必要も、気もない」と言っても問題の先送りと他銀行への伝播が懸念されている状態が劇的に改善することは期待できない。まだまだずっと続く嫌な材料である。
ますます、ドイツ銀白鳥の羽が黒くなっている。そして、今回問題となっているMBSとは、明らかに、米国のサブプライムローンのものであろう。サブプライムローン問題は、このような形となって残り、まだ終わっていないのだ。
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