米国6月小売売上高 しっかりとも弱いとも
経済情報
6月の米小売売上高は前月比1.0%増の6806億ドル。5月の0.1%減から再び増加に転じた。インターネット通販は2.2%増えた。インフレ下で店舗よりも価格比較のしやすい通販の利用が増えているとの調査もある。前年同月比の全体の売上高は8.4%増えた。
ただ、これらの数値はインフレ調整されておらず、足元の物価上昇により金額が押し上げられている面もある。インフレの影響を除くと、6月の小売売上高の伸び率は前月比▲0.3%に縮小する。
参考まで、日本では、小売販売額*は4月、5月と伸びてきている。
*小売販売額には家賃、教養娯楽、教育、保健医療といったサービス関係の費目はほとんど含まれていない。
次に、NY連銀製造業景況指数は、かなり持ち直したが、単月の数値はあてにならない。7月21日発表予定のPhilly Fed Index(フィラデルフィア連銀製造業景気指数)を見たい。
なお、25日には、 ドイツの7月IFO企業景況感指数 が発表になる。
NY連銀製造業景況指数の6カ月先見通し指数は、ITバブル崩壊、リーマンショック時並みに低下している。(新コロショックの時はゼロは割らなかった。)
以上を見ても、米国の今の経済状況は捉えにくい。減速しつつあるのは間違いないが、「米景気は思ったより底堅い」とか、「米景気に減速感があるのでFRBは急激な利上げに動くとの観測がやや後退」とか、何とでも言える。
なお、NY連銀製造業調査の販売価格指数は、最近の原油や工業原材料価格の下落を受けて、低下している。
しかし、たぶん無理だろう。雇用市場がタイトで賃金上昇が物価を押し上げているからだ。
しかし、たぶん無理だろう。雇用市場がタイトで賃金上昇が物価を押し上げているからだ。
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