価格下落、景気減速を示唆したISM製造業指数
経済情報
7月の米製造業景況感指数が発表になった。市場が注目したのは価格指数の大幅下落。
これが市場の見方(利上げ⇒景気減速&物価沈静⇒利下げ)をサポートした。
米国金利は低下し、円高になった。円キャリーの巻き戻しも出ていよう。
一方で、雇用指数は「引き続き好調で、採用凍結や人員削減の兆候はほとんど見られない」。
これは、FRBのスタンス(強い労働市場の継続は総需要が底堅いことを意味し、賃金コスト上昇圧力がかかる)をサポートする。
市場と、FRBの見方(スタンス)にギャップがあるが、ここ数十年の経験からは市場の見方が支持されるし、70年代の悪夢の時代を考えると、FRBの見方は捨てられない。
とにかく、相場は市場が決める。
ISM製造業指数は景気減速、物価上昇率低下を示唆している。
確かに、1997年以降を見ると、物価の上昇率とISM製造業価格指数の連動性は高い。
しかし、FRBはwage-pushu inflationが起きた70年代の再現を恐れている。
しかし、FRBはwage-pushu inflationが起きた70年代の再現を恐れている。
なお、市場が自分たちの見方の援護にしたのは在庫の増加である。1984年以来の高さになった。
なお、価格指数下落の背景は、1)エネルギー市場の大きな価格変動、2)銅や鉄鋼、アルミニウム、段ボール市場などの軟化、3)化学品需要の大幅な減少などである。
物価を決めるもう一つの要素、賃金コストの問題は残ったままである。
物価を決めるもう一つの要素、賃金コストの問題は残ったままである。
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