雇用統計 22年7月 ちょっと奇妙も、とにかく賃金伸び堅調 (2)
経済情報
今回発表のデータで、非農業部門雇用者の前月比増加数は、事業所調査では52.8万人増加したが、家計調査では11.2万人減少した。
家計調査はブレが大きく、一般的には事業所調査の方が信頼度が高いが、今回は、トレンド的にも差が見られる。これから修正されていく可能性もあるが、一応注意だ。今回の場合は、事業所調査の非農業部門雇用者数が下方に修正される可能性が高い。
それは景気減速の兆候ということになるが、FRBは、賃金上昇率をより重視するだろう。
非農業部門雇用者数前月比増加数
非農業部門雇用者数3か月前比増加数
非農業部門雇用者数
ところで、ADP雇用統計について、
ADP雇用統計は、米給与計算代行サービス会社オートマチック・データ・プロセシング(ADP)が、自社で保有するデータから米労働省の雇用統計(民間雇用者数)を推計して発表している。
ところが、ADP社(ADP Research Institute)は、その推計を7月分は停止した。いままでの推計の方法ではうまくいかないのだろう。「米民間雇用者数に関する月次統計方法の変更に取り組んでおり、7月は統計発表を一時停止する。新手法の下で8月の再開を目指すとしている。」と電子メールで発表した。
私は、ADP社の推計がおかしいのではなく、米労働省の雇用統計がおかしいのではと思っている。思っているが、市場はそのデータで動いているので、そのデータが間違っていると言ってもしようがない。
私は、今回の非農業部門雇用者数前月比増加数は、新規失業保険請求件数が増加してきたことから、30万人以下、20万人以下もあるかもと考えていた。
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