トルコリラ暴落! 2018年8月10日トルコショック⁉まとめ
昨日は久しぶりの外出で、久々の大相場を見逃しました。
やっぱりジブリの金曜日は、家でおとなしくトレードでしたね!
(ジブリの法則・ジブリの呪い)
Xデーは来週の水曜日だと思っていたトルコリラ。
20%の大暴落、、、色々なところから悲鳴が聞こえてきそうでした。
外出先からスマホで見ていたものの、リアルタイムで見れなかったで、トルコショックまとめてみました。
左上:エルドアン大統領 左下:アルバイラク財務相 右:トランプ大統領
なぜトルコショックが起きたのか⁉
一言で言うと、ポジションがLongに偏りすぎていて、ストップを巻き込みながら投げ売りされたことです。
いくつか要因が重なったようです。
ちょっと長くなりますが、”10”の時系列にまとめてみました。
1)高金利通貨ブーム
トルコリラ・南アランド・ブラジルレアルなど高金利通貨がブームになりました。
証券会社も、キャンペーンを組んで顧客獲得していました。
多くの日本人が、スワップ金利目的にトルコリラLongを持ちました。
※残念ながら、このブログをまとめているときにもトルコリラ、スワップ金利キャンペーンのアフィリエイトが出てきました。
「始めるなら今!」と書いてあるのが痛々しいです。
2)いくつもの節目を抜けながら下落
下落を続けるも、値ごろ感や損切りできないなどでLongポジションが増え続けていきました。
3)米国の金利正常化とトランプ政策
米国が利上げを続け、主要8通貨の中でも一番の高金利通貨になったこと。
今後の継続利上げが織り込まれていること。
トランプ大統領の保護主義政策や貿易・関税政策や減税政策。
以上のことからドル高が進み、新興国から資金流出。
米国に資金が集まる結果になってしまいました。
(トランプ大統領はドル高懸念発言を続けていましたが、、、)
4)新興国の資金流出による通貨安危機
新興国では通貨安が止まらず、通貨安によるハイパーインフレが起きていました。
アルゼンチンは政策金利を1日で2回利上げをして、政策金利40%という対応をしたりしました。
※通貨安を止めるためには、通貨を買ってもらうために金利を上げることが一般的です。
5)エルドアン大統領の独自理論と中央銀行への圧力
通貨安を止めるために政策金利を上げてきたトルコ中央銀行(TCMB)。
ただ、金利が上がると経済活動が冷え込む。
(銀行でお金を借りるときの利子が高くなるので、借りにくくなるので購買力が落ちるなど、、、)
なので、金利を下げて経済活動を活発にして景気を良くしたいエルドアン大統領は、金利を上げて通貨安に歯止めをかけてハイパーインフレを避けたい中央銀行に圧力をかけ始めました。
TRY/JPY 日足チャート
6)大統領制への移行と大統領選挙
以前のトルコは大統領と首相がいましたが、大統領が全権を握れるように首相職をなくして、大統領制に移行することが決まりました。
また、今年の6月末に大統領選挙が実施され、エルドアン大統領が再選されました。
これにより、実質的にエルドアン大統領の独裁が始まりました。
7)緊急利上げと独裁者の理解不能な持論
5月末から6月始めにかけてトルコ中央銀行は、トルコリラ安に歯止めをかけるため緊急利上げを実施しました。
また、6月7日の金融政策決定会合では、主要政策金利(1週間物レポレート)を市場予想よりも1.0%上乗せの17.50%に利上げをしました。
それでもリラ安は止まらず、ジリジリと下落していきました。
その後、利下げ圧力を掲げるエルドアン大統領が選挙で再選しました。
エルドアン大統領は、利下げ発言だけではなく、中央銀行を大統領管轄下に置くと発言したり、娘婿のアルバイラク氏を新財務相に任命したりと、独裁政権を進んでいました。
エルドアン大統領の独裁っぷりと、「利下げをすればインフレは止まる、トルコリラは買われる」と理解不能な持論を掲げました。
これを市場はマイナス材料と受け止め、トルコリラ安は加速していきました。
8)独裁者に負けた中央銀行とサプライズ据え置き
リラ安が止まらないなか迎えた7月24日の金融政策決定会合。
市場は主要政策金利(1週間物レポレート)の1.0%利上げを予想していました。
ただ、もしかすると大統領の圧力に負けて、利上げできないのでは、、、とも思っていました。
結果、サプライズ政策金利は据え置き!
トルコ中央銀行が大統領の圧力に負けた! と、市場関係者は受け止めたと思います。
これにより、トルコリラ安はさらに加速しました。
9)米国vsトルコ、ブランソン牧師を巡り関係悪化
トランプ大統領は、トルコで捕らえられていたブランソン牧師を釈放・解放を要求。
トランプ大統領としては、中間選挙に向けてのアピール。
トルコは、ブランソン牧師を釈放はしたものの、軟禁状態。
トランプ大統領は、これに対しトルコに対し制裁。
エルドアン大統領も報復制裁。
やはり、リラ安で反応!
トルコは代表団を米国に派遣して解決を図りましたが、交渉は決裂。
米国はブランソン牧師を含む15人を解放しなければ追加制裁を科すとのこと。
来週の水曜日まで猶予期間を与えたとの一部情報。
Xデーは来週の水曜日(8月15日)かと思っていました。
TRY/JPY 5分足チャート
10)トルコショック! 一時20%の下落
米国との交渉決裂との報道で、ジリジリと下落を続け、ストップを巻き込みながら19円台に突入していました。(それでもまだ、緊急利上げがあるのかも等、甘い期待があったのかもしれませんね!)
(チャートの注1)欧州時間の少し前に、欧州の銀行(ECB)が、トルコ向け債権に懸念を強めるとの報道で、一気にトルコリラ売り!
ストップを多数巻き込んだことで、フラッシュクラッシュ気味に下落!
(チャートの注2)9月に予定されていた、新経済計画を前倒しで発表。
市場はここで大幅な利上げを発表しないとトルコリラはダメだろうなと思いつつ、経済計画発表を待っていたと思います。
しかし、アルバイラク財務相と一緒に出てきたのは、エルドアン大統領。
トルコ国民に金やドルを売って、リラを買うように発言。
これは経済戦争だなどと、経済計画とは関係ない発言。
この発言でトルコリラは下落開始。
その後アルバイラク財務相は新経済計画を発表するも、実現不可能な内容や的外れな発言!
(チャート注3)トランプ大統領の不意打ちツイート!
トルコで、新経済計画を発表?しているときに、トランプ砲が火を噴きました!
「トルコからの輸入関税アルミニウムを20%、鉄鋼を50%に引き上げることを承認」
まさかのツイートに、再度フラッシュクラッシュのような下落!
15円台に突入!
その後17円台まで戻しはしたものの、来週はどうなるかわかりません。
今後の注目点!
・トルコ債権のデフォルト
・米国との関係改善、悪化
・ブランソン牧師を含む15人の解放
・トルコに対しての制裁、関税
・欧州(EU)、中国、ロシアの対応
・リスクオフ相場と世界の株価
欧州は、難民の受け入れ対応でトルコに負い目があることや、債権など金融のつながりが若干あることから手助けするのではないか⁉
中国・ロシアに対し助けを求めたいところですが、中国も米国と貿易戦争中、ロシアもルーブルが下落していると、助けられる状況にない。
今後トルコは度するのか注目です。
何も手を打たないと、トルコリラ円が10円割れもあるかもしれません。
トルコの下落は、リスクオフ相場を引き起こしそうです。
リーマンショック・チャイナショック・Brexit・トルコショック、、、
ショックから景気後退となることも。
トルコ暴落は、円買い・フラン買い・ドル買いとなり、株価は真っ赤っかです。
来週の反応も気になります。
2018年8月10日 主要8通貨強弱グラフ
世界の株価
注意点
レバレッジ1倍、現物で持っていれば最悪、、、なんてことが言われたりしています。
本当の最悪は、証券会社などがトルコリラの取り扱いをやめることです。
確かに取り扱いが続く限りは、レバ1倍で持っていればスワップ金利は入ってくるかもしれません。
いずれは元金を取り返せるかもしれません。
仮にトルコリラが戻してくれば、利益が出るかもしれません!
ただ、このまま下落を続けていき、含み損を大きく抱えた状況で証券会社が取り扱いをやめれば、その時点で強制決済です。
また、独裁国のようなものなので、リラ自体がなくなることもあるかもしれません。
そこのところを、リスク管理の中に入れておく必要はあると思います。
ちなみに、、、、千葉銀行のリスク管理です。
トルコリラ37.92円で売り、1.92円で買い取り。。。
スプ36円。。。
凄い。。。
よろしいですか?