過去に例を見ない異常な上伸幅とスピード(鏑木高明の「相場サイクルとパターン分析」より)
(鏑木高明の「相場サイクルとパターン分析」より)
ドル円相場は109.75まで上伸して、本日は108.55近辺まで下落。さすがにここまで短期間での上伸はやや高値警戒感が広がっています。
押しが浅いのか深いのかで気迷い症状。前回の5年サイクルの上昇期におけるミニ波動(上昇)を観察してみますと、週足チャートの通り3回ありましたが、おおよそ8~9円幅。
今回はトランプショックで付けた安値101.19から8円56銭の上昇。
一つの目標値に到達しました。当初の目途を110円前後としていましたが、このレベルは昨年6月の5年サイクルトップから、今年6月安値99円までの下げ幅に対する38%水準109.22に近いです。
まだ上値が110円台あるかもしれませんが、ロングの一部を利食いして起きたいところでしょうか。
というのも過去3回の調整が比較的値幅を伴っており、1)の上伸後の調整はほぼ全値訂正。2)が半値訂正、3)54%訂正。いずれも深押しとなっています。
今回の上伸幅(昨日つけた高値の段階)の50%訂正が105.46、38%訂正では106.47となります。
もう一段の高値、110円台を付けてから訂正に入るのか、既に訂正に入っているのか―が問題です。
過去の上昇期を時間軸でみますと、いずれも1)~3)は最低でも6週、最長で10週を要しています。今回はここまで5日を要したのみ。
驚異的なスピードです。
過去に5日間棒上げしたのは日銀黒田総裁の第二次異次元緩和時2014年10月31日109円から5日で115円50まで6.5円幅上伸した経緯があります。その時でも今回の上伸幅に追い付いていません。
トランプショック後の反騰がどれほど異常であったかを示すものです。
やはりここは一部利食いを入れて置き、次の38~50%訂正があれば買いなおすのが良いかもしれません。
今回、過去のケースと異なるのはサブサイクルが11月9日からスタートしているなら、まだ天井を付ける時間ではないということです。少なくとも調整が入れば新サブサイクルの中の初押しです。急落は買い向かう用意をしておきます。
よろしいですか?