EA運用における通貨分散の重要性と効果的な方法
FX
EA(自動売買)運用において、通貨分散はリスク分散という点において非常に重要な要素です。
ここでは、日本と海外における人気通貨ペアとEA数の状況を踏まえ、有効な通貨分散方法について考察します。
1. 日本と海外における人気通貨ペアとEA数の状況
日本:
- 人気通貨ペア: USD/JPY、GBP/JPY、EUR/JPY、EUR/USD
- EA数: USD/JPY、GBP/JPY、EUR/JPY、EUR/USD
海外:
- 人気通貨ペア: EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD
- EA数: EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD
上記の通り、日本と海外では人気通貨ペアとEA数の傾向に違いが見られます。
これは、日本人はクロス円通貨を主に見ているからと考えられます。
2. ナンピン系EAにおける通貨ペアの組み合わせ
ナンピン系のEAは、価格変動リスクを分散させるために、似たような動きをする通貨ペアを組み合わせることが一般的です。
以下の通貨ペアの組み合わせが多く見られます。
- EUR/GBP
- AUD/CAD
- AUD/NZD
これらの通貨ペアは、似たような値動きをする傾向があるため、レンジ相場になりやすく逆張りロジックと相性が良いとされます。
3. リスクヘッジの考え方
従来のリスクヘッジでは、通貨ペアを分散させることよりも、EAを分散させる方が有効とされています。
通貨ペアを分散させても、ロジックが同じなら勝つ時と負ける時が同じタイミングになるからです。
EA分散のメリット:
- 異なるロジックのEAを組み合わせることで、あらゆる相場で安定収支が狙える。
- 個々のEAの成績に左右されにくくなり、安定的な運用が可能になる。
一方、通貨ペア分散には以下のようなメリットがあります。
- 米ドルの経済指標などのイベント時のリスクを軽減できる
- 同じEAを多くの通貨ペアで運用すると、個々の通貨ペアの値動きが平均化される
4. まとめ
EA運用における通貨分散は、リスク管理と収益性向上のために重要な要素です。
しかしながら、通貨ペアを限定したEAがほとんどとなることから、ひとつのEAで様々な通貨ペアで自動売買することは成績悪化の原因になります。
複数通貨ペアに対応したEAに関しては、通貨分散させる意味はあると思います。
様々なロジックのEA「ナンピン系EAや、単ポジ、複数ポジのEA」を組み合わせることこそ、リスク分散に繋がるとわたしは考えます。
通貨分散のポイント
- 複数通貨に対応したEAなら、通貨分散は有効
- ドルストレートとクロス円でEAポートフォリオを組むことで突発的なイベント時のリスク分散に繋がる(米国経済指標や日銀為替介入など)
- ナンピン系・トラリピ系EAと単ポジ・複数ポジのEAでポートフォリオを組むことはリスク分散に繋がる
EA分散のメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った通貨分散方法を検討することが重要です。
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