カチッといくかユルッといくか
株式
初心者が考えるのは「どの銘柄?」。ベテランは「どこで出動?」。
いずれにしても、予測をピシッと当てたいと思うのが人情です。
しかし、勝率にこだわるのはキケン、勝ちの値幅が限定されてしまうという矛盾が生じやすいのです。
そこで、あえて、感情を満足させる「高い勝率」を意識せず、ゆるく入るようにするべきです。
わざわざ“ゆるめる”なんてヘンな話ですが、「誰も明日の値段さえわからない」というマーケットの基本構造を再認識し、ムリな背伸びをしない姿勢をもつのが重要なのです。
出かける際に「雨が降るかどうか」をビシッと当てるのではなく、降ってもいいように準備しておく、カサを用意して降らなかった場合でもキレない(笑)──こういった“ゆるさ”こそ、オトナが選ぶ現実的な対応です。
ちなみに、トレード手法というものは、3つの要素で成立しています。
「予測」「ポジション操作」「資金管理」です。
予測の確率を100%にはできないので、当たったり外れたりを想定したポジション操作までをセットで考えます。
また、たとえ9勝1敗でもドボン……資金が枯渇しては困るので、効率と同時に安全性を考えた資金配分を設定します。
予測が当たる必要はなく、信念ある行動の「きっかけ」になればいいと考えるのが、実践家の姿勢です。
さて、ちゃんと飛ぶはずの飛行機ですら「落ちる」ことを想定したり、ベテランパイロットが「凡ミスする」ことを前提に運航を考えるのですから、マーケット動向の予測なんて、外れまくることを想定しなければなりません。
当たってうれしい、外れて悔しい……ではなく、次の一手を考えることが求められます。
中源線の場合、終値の折れ線チャートを用いたシンプルなパターン分析で、数カ月単位の上げ下げを判断します。これが、手法の3要素の1つである「予測」です。
2つめの要素である「ポジション操作」については、順行(予測通りの動き)は放置、逆行は対処を考える、というのが中源線の基本です。
買って上がった──このとき、どんなに急激な上げでも、どんなに値幅が取れても、順行の流れがあるうちは放置して利を伸ばそうと努めます。
しかし、逆行(買っている場合は「下げ」)が一定のパターンを示したら、買いポジションを手仕舞うとともにドテン売ります(カラ売りする)。しかし、3分割で慎重に……。
この基本ロジックは、『中源線建玉法 基本と応用』の中で説明しています。私が執筆した自信作なので、ぜひ目を通してみてください。
×
よろしいですか?