【第1回】トレーダーの経験を形にすることの重要性 - エッジとパターン認識 -
「トップインテリジェントのためのシステムトレード」の第1回目は、トレーダーの経験を形にすることの重要性を説きます。トップインテリジェントはトップアスリートから派生した用語で、いわゆる脳を使ったアスリートという意味で使っています。トレーディングは、アスリートのように練習も必要ですしイメージトレーニングも必要です。実戦では何が起こるかわからないですが、結果が求められるのはアスリートと同じ。そしてそのために訓練を継続します。うまく行かない時も当然ありますが、だからと言ってあきらめない不屈の精神(=レジリエンス)で頂点を目指していきます。
これまでエリートやインテリジェンスといえばガラスのようなもろさや繊細さが強調されていましたが、そうではなくいわゆる雑種力を開花させて体当りしていくことを目指します。めたんこに打たれ強い、そんなトップアスリートならぬトップインテリジェントを理想像として読者の方々と共に歩んでいきましょう。
ストラテジーについてはなるべく公開していわゆるオープンソースの考えを取り入れています。アウトプットとアイデアのブラッシュアップでお互いの投資技術を進化させていきましょう。
本編サイトはイニシアチブ-未来思考システムトレーダーです。こちらはもっと幅広い事象を取り扱っていますが、「トップインテリジェントのためのシステムトレード」では、より深くテーマを掘り下げていきますのでどうかよろしくお願いします。
【あまり人に教えたくない非公開の部分=エッジ】
エッジというのはほんの隠し味程度という理解でいいかと思います。こういうのは人それぞれお持ちでしょうし、個人の性格によるものもありますので、他の人が知ったところで大した意味はありません。自分が使えるとは限らないのです。むしろ拒否反応が起こるようなものもあります。なので、ベースの基本ロジックが重要です。エッジは売買が繰り返される段階で徐々に効いてきますので、持っているべきですが、誰もがすぐに見つけられるというものではありません。マーケットの観察や実売買の反省を通して得られるものです。焦ることなく常にアンテナを張って見つけていきましょう。
【パターン認識は思ったよりもうまくワークしない。】
時間によるパターンは将来もアノマリー(癖)として残ると考えているのですが、成績はよくない傾向にあります。バックテスト成績がよくても、フォワードテスト(リアルタイムデータを使ってつもり売買をすること)ではほぼランダムに近い成績になりがちです。読みが簡単だからなのか、もっと大きなノイズがあるからマスキングされているのか、ということだと思うのですが、正確な理由はわかりません。
AI要素を取り入れてもいいのかなとも思いますが、元のロジックが大したものではないと、いくらAIを入れてもよくならないものなので、パターン認識を外すという戦略がいいのかなとも思っています。人間は、過去のパターンが繰り返されると考えがちですが、現実はそうでもないということなのかもしれません。また、パターンを探す上ではデータマイニングに頼っていることが多く、だからうまく機能しないのであって、マーケットの観察による目視でのパターン認識はうまくいくのかもしれません。こちらは今後の課題となります。
逆に、トレンド追従やブレイクアウト型はけっこう信頼できます。やはり点よりも線形要素を取り入れたほうが堅牢であるというところでしょうか。そうなると面(3次元)は更に再現性高いのかもしれませんね。研究する価値はありそうです。
【トレーディングシステムの形として完成させておくこと。】
フォワードテストが何よりも肝心です。フォワードテストとは、今この時点から将来にうまく機能するかどうかのテストです。トレーディングシステムの形として残しておかなければ、そのテストすらできません。そして、その成績がプラスになっているかどうかが重要です。意図したロジックできちんと動いているかどうかも重要です。これこそがシステムトレーダーの蓄積であり、財産であると思っています。
フォワードテストはバックテストと比較して成績がよくない傾向にあります。汚い損益曲線になりがちですが、それが事実ということで受け入れて改善を目指す。その積み重ねでしかないのかなとも思っています。
よろしいですか?