【第2回】トレーダーの原理原則とシステムトレーダーの優位性
「トップインテリジェントのためのシステムトレード」の第2回目は、トレーダーの原理原則とシステムトレーダーの優位性を解説します。
本編サイトはイニシアチブ-未来思考システムトレーダーです。こちらはもっと幅広い事象を取り扱っていますが、「トップインテリジェントのためのシステムトレード」では、より深くテーマを掘り下げていきますのでどうかよろしくお願いします。
【伝統的なトレーダーとシステムトレーダーとの違い】
伝統的なトレーダーと話が合わないことがよくあります。システムトレーダーは、相場観を語ったり、自分のポジションの話をするのがそれほど得意ではないのです。そもそも上がったほうが儲かるのか、下がったほうが儲かるのか、本人でもわからないことがあるからです。これは、マーケットに適用してエントリーとエグジットを繰り返すという特殊なトレードスタイルを採用しているからというのが理由の一つです。自動売買=システムトレードと同じ意味と捉えてもらって結構です。
【トレード回数 – 取引1回の意味】
取引1回の結果に一喜一憂する必要はありません。これはすごく重要な考え方です。一回で大当たりを引いて金輪際トレードをやめてしまうのであれば話は別ですが、一回のトレーディングに賭けて勝負をするというのは博打そのものです。トレードはそんなものではないはずです。トレーディング行動はそれ以降も続くでしょうし、マーケットは常に存在します。トレーディングというのは連続した行動の束ですからその行動の総勘定が大事なのです。
これは、野球のバッティングとほぼ同じ考え方で、ホームランを打って終わりというものではなく、練習を繰り返して打率、打点の底上げを狙うのと似ています。システムトレードというのはまさにその考え方の上に成り立つものなのです。
【取引のプロセスに対する深い考察】
取引の結果が重要でないという考えが全くもって正しいということでもありません。一回のトレーディングについて深く考えないことで、改良するアイデアも生まれなければストラテジーそのものの陳腐化が始まります。一回一回のトレーディングについて頭をひねって反省する中でのアイデアで、ストラテジー陳腐化を防ぐことができます。システムトレーダーにとって、そのプロセスがなければ長期で生き残ることもまた難しいのです。
通常のトレーダーが8~9割いるとして、少数派であるシステムトレーダーの「トレーディングを連続した行動とみなす」という考え方ははっきりとした優位性でもあります。一貫性という特性はピカイチでしょう。しかし、それに甘んじて「トレーディングの詳細を見直さない」のは害であり、収益力が落ちます。一流を目指すためには、実戦トレーディングで経験を積み、ストラテジーを組んで改良プラス新しいストラテジーの着手というのを延々と繰り返さなければなりません。取引1回の結果を見るのではなくそのプロセスを見るべきだということです。
【成功するシステムトレーダーになるために】
「トレーダー」というのは大変な職業です。成功するトレーダーは一回一回のトレーディングで頭をひねって苦しみながら勝ちを重ねていきます。「システムトレーダー」はトレーディングそのものをシステム化あるいは自動化をしてオペレーションを楽にすることはできますが、トレードの原理原則はどのトレーダーも同じです。「システムトレーダー」が伝統的なトレーダーよりも優位性があるのは、トレーディングそのものをシステム化あるいは自動化をしてオペレーションを楽にすることです。決して寝ている間に儲かることではありません。「システムトレーダー」が成功するトレーダー並みの労力をストラテジー開発に注げば絶対に成功すると思いませんか?
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トップインテリジェントはトップアスリートから派生した用語で、いわゆる脳を使ったアスリートという意味で使っています。トレーディングは、アスリートのように練習も必要ですしイメージトレーニングも必要です。実戦では何が起こるかわからないですが、結果が求められるのはアスリートと同じ。そしてそのために訓練を継続します。うまく行かない時も当然ありますが、だからと言ってあきらめない不屈の精神(=レジリエンス)で頂点を目指していきます。
これまでエリートやインテリジェンスといえばガラスのようなもろさや繊細さが強調されていましたが、そうではなくいわゆる雑種力を開花させて体当りしていくことを目指します。めたんこに打たれ強い、そんなトップアスリートならぬトップインテリジェントを理想像として読者の方々と共に歩んでいきましょう。
ストラテジーについてはなるべく公開していわゆるオープンソースの考えを取り入れています。アウトプットとアイデアのブラッシュアップでお互いの投資技術を進化させていきましょう。
よろしいですか?