MT4のEA対決!逆張り vs 順張り 勝つのはどっち?【EA開発者回答】
FX
FXトレーダーにとって気になるテーマに「逆張り」と「順張り」どっちが優れているのか?という問題があります。
EA開発者の目線からそれぞれのメリット・デメリットを解説し、どちらが有利か結論を出します。
まず初めに、東京時間、欧州ロンドン時間、NY時間における順張り逆張りの傾向について書きます。
東京時間はレンジ相場になりやすく、逆張りが有利です。
日本人に逆張りトレーダーが多いのは偶然でしょうか?
あるいは国民性でしょうか?
理由はさておき、日本時間の早朝から欧州勢が参加し始める日本時間の午後2時くらいまでは逆張り有利な時間帯となります。
次に、欧州が参加し始める時間帯から、ロンドン市場のオープン、それからNY市場のオープンの時間について考察します。
日本時間の夕方くらいから欧州勢が参加し始めるとボラティリティが拡大し、NYがオープンする日本時間の夜9時~10時前後に値動きがMAXとなります。
その後、米国の経済指標の発表が相次ぎ、ロンドンフィキシングまで値動きの激しい時間が続きます。
ロンドンフィキシングとはロンドン市場が閉まる時間で東京仲値の英国版です。
ロンドン時間の午後4時に決定される為替レートを指します。日本時間(夏時間)24:00、(冬時間)1:00になります。
ロンドンフィキシング後はNYが単独でマーケットを引っ張る関係上、値動きは緩やかになります。
つまり、欧州勢が参加し始める日本時間の午後2時くらいからロンドン市場が閉まる日本時間の深夜1時くらいまでが順張り有利な時間帯になります。
以下の理由から、順張り有利と推察されます。
欧州勢がマーケットに参加し始めたタイミングで、相場が勢いよくトレンドを形成するときがある。つまり、トレンドに逆らう逆張りトレーダーは不利で、順張りトレーダーが有利になる。
日本人トレーダーは逆張り派が多いのに対し、海外のトレーダーは順張り派が多いと言われるのはこの為です。
つまり、欧州ロンドンNYのマーケットが開いている時間帯は、相場が勢いよくトレンドを形成する時間とされ、必然的にトレンドフォローが勝ちやすくなると思われます。
日本市場は逆張り有利、欧州ロンドンNY市場は順張り有利と言われる理由ですが、確固たる裏付けがあっての事でしょうか?
また、ボラティリティが高い年と低い年とで何か違いはあるのでしょうか?
この答えを探るべく、MT4のEAのバックテスト、フォワードテストの結果から導き出された逆張り・順張り戦略の傾向を徹底比較します。
逆張り vs 順張り:それぞれのロジック解説
逆張り戦略について
トレンド方向とは逆方向にエントリーし、トレンド反転で利益を狙う戦略です。
■エントリーポイント
・水平線やサポート・レジスタンスラインにタッチしてからの反転狙い。
・RSIなどのオシレーター指標で、売られ過ぎ買われ過ぎなどで反転するタイミングを計る。
・ボリンジャーバンドのシグマタッチでの逆のポジションを取る。
この様な逆張り手法をEAのプログラムに落とし込み、何十何百とバックテストを取った結果、完成したEAが「Reversal Seven」です。
Reversal Seven商品ページ
Reversal Sevenのロジックのうち、下記の2つはこうしたテクニカル指標を用いた逆張り手法になります。
No.3.IchimokuSignalTrade(一目シグナルトレード)
MT4サーバー時間の18:00から翌5:59にかけて動きます。
一目均衡表の転換線と基準線とローソク足を元に売買判断を行います。
転換線が基準線の下から上へ抜けたタイミング(ゴールデンクロス達成)で逆張りショート、
転換線が基準線の上から下へ抜けた時(デッドクロス達成)で逆張りロングします。
No.4.BollingerBand(ボリンジャーバンド)
MT4サーバー時間の22:00から翌0:59に動きます。
日本時間の早朝に動きます。
ボリンジャーバンドの±2σとローソク足から反転を検知して売買を行います。
上の2つの他に、朝スキャEAのロジックも組み込んでいます。
No.6.MorningReversal(モーニングリバーサル)
MT4サーバー時間の22:00から翌2:59に動きます。
日本時間の朝に稼働する朝スキャ型のEAです。
ロジックは日本時間の早朝を狙ったボリンジャーバンドによる逆張り手法です。
上の3つのロジックに共通することは、日本時間の深夜から日本時間のお昼くらいの時間帯に逆張りトレードする点です。
以上の結果からも分かるように、日本市場は逆張り有利と結論付けられます。
順張り戦略について
トレンドの方向に沿ってエントリーし、トレンド継続による利益拡大を狙う戦略です。
■エントリーポイント
・トレンドラインやレンジブレイクなどで、上昇・下落トレンドを判断する。
・移動平均線などの指標で、トレンド方向を判断する。
・ボリンジャーバンドなどのテクニカル指標で、トレンドの強弱を判断する。
順張り手法をメインロジックとしたEAに、「PerfectOrder_GBPJPY」と「GoldenCross_USDJPY」があります。
PerfectOrder_GBPJPY
GoldenCross_USDJPY
上記のEAは移動平均線を用いたロジックとなりますが、他にもレンジブレイクを狙ったEAなどもあります。
Breakout Trading USDJPY
PerfectOrder_GBPJPYとGoldenCross_USDJPYは単純に移動平均線でトレンドを判断し順張り方向にエントリーするEAです。
24時間いつでもエントリーします。
Breakout Trading USDJPYは、ロンドンとニューヨーク時間のブレイクアウトを狙ったEAです。
なぜ、Breakout Trading USDJPYはロンドンとニューヨーク時間に限定してトレードを行うのでしょうか?
理由は、その方が成績が良いからです。
つまり、値動きの一番激しい時間帯のレンジブレイクを狙うトレードとなり、東京時間とかでは利益が出ない事がこのEAのバックテストから分かります。
更に、時間帯別に順張り逆張りロジックを切り替える、マルチロジックのEAも開発しました。
Hybrid EA Trade USDJPY
朝は逆張り、日中と夜はトレンドフォロー型の2つのロジックを採用したハイブリッド型EA。
日中の値動きの激しい時間帯はトレンドフォローで利益を伸ばし、値動きの小さい時間帯は逆張りでコツコツ利益を積み上げます。
サーバー時間の23時から翌日5時まで逆張りトレード、5時以降は順張りモードでの動作となります。
デフォルト設定では、サーバー時間の23:00~翌5:00までが逆張りモードの時間です。
もうお分かりですよね。
EAのバックテスト、それからフォワード結果を見ても、日本市場は逆張り有利、欧州ロンドンNY市場は順張り有利と言われる根拠はこのEAの成績を見れば一目瞭然です。
特に、逆張り有利な時間帯は、日本時間の朝に顕著に現れます。
この特性を生かしたEAが、いわゆる朝スキャEAと呼ばれるEAの正体です。
最後に、ボラティリティが高い年と低い年との違いに関して考察します。
これについては単純に順張り型のEA「PerfectOrder_GBPJPY」と「GoldenCross_USDJPY」で利益が出やすい時期と、逆張り型のEAが利益が出やすい時期を比べると簡単に判断できます。
順張り型のEAは値動きの激しい時期に大きく資産を増やすことができます。
2008年リーマンショックや2020年以降のコロナ相場など。
逆に、値動きの小さい時はトレンドフォロー型のEAは利益を出しにくいという特徴があります。
反対に、逆張り型のEAはボラティリティの大きな相場が苦手で、2020年以降の値動きの激しい時期は勝てません。
わたしがEA開発を始めたのは2020年です。
ゴゴジャンに出品した初期の頃のEAは逆張り型のEAも多く、そのほとんどがマイナスのフォワード結果になっています。
今の相場と相性が悪く、当然リアル口座での運用は止めています。
今後相場が安定してきたら勝ち始めるのかもしれませんが、少なくとも今の様なボラティリティの大きな相場が続く限り勝つことは無いと思います。
逆張り型のEAの中でも、朝スキャEAや逆張りが有利な時間帯だけエントリーするタイプのEAなら今の相場でも勝てる可能性はあります。
次回は「アノマリー系EA」について考察してみます。
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